サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

手話サークルで講演 聴者から見たデフリンピック

2014年02月19日 | デフリンピック

昨日、都内の手話サークルで講演しました。

テーマは「聴者から見たデフリンピック」

映画「アイコンタクト」の制作体験、台北デフリンピック、ソフィアデフリンピックへ撮影や取材に行った経験などをもとに、デフリンピックについてお話しさせていただきました。

ろう者サッカー女子日本代表、男子日本代表、女子バレー日本代表、ハンマー投げの森本選手、水泳の茨選手のことや、デフリンピックを2大会観ての率直な感想、見えてきた課題など、ちょっと話が拡散してしまったかもしれません。

あ、講演は手話ではなく、口話です。以前、無謀にも手話で講演したことはあるのですが…、1度目は壊滅、2度目は教訓をいかし困ったらパワーポイントを読んでもらうという逃げの手を多用した記憶があります。
もちろん私の手話の実力をわかったうえで「手話でやって」と依頼されればがんばってやりますが。

デフリンピックのことは、今後、とある形でまとめようと考えています。


西日本デフフットサルフェスティバル

2014年02月19日 | ろう者サッカー

西日本デフフットサルフェスティバルというイベントが3月15日(土)に開催されます。
場所は兵庫県神戸市アスコフットサルパークMAYA。

以下のような目的での開催!

1 ろう者がフットサルを通じてスポーツを心から楽しむ。

2 手話の普及。

3 ろう者に対しての理解を高めてもらう。

4 聴覚障がい者サッカー・フットサルの現状とサッカー・フットサル代表の現状について認知度向上及び募金活動

聞こえる人も聞こえない人も参加OK!
チームの参加はもちろん、個人参加型のチームもあるそうです。

締切は2月21日まで。
申し込みは以下を参照してください。
西日本ろう者サッカー協会のブログ

告知が遅くてすいません。

近かったら私も参加したい!!


聞こえている理由になっていないのでは? 佐村河内氏の一件

2014年02月14日 | 手話・聴覚障害

またまた佐村河内氏の一件です。

佐村河内氏の謝罪文が公表されました。
全文を読みましたが「実は最近になって、前よりは、少し耳が聞こえるようになっています。三年前くらいから、耳元で、はっきり、ゆっくりしゃべってもらうと、こもってゆがむ感じはありますが言葉が聞き取れる時もあるまでに回復していました。」のくだりは、いくらなんでもこれはあり得ないだろうと即座に思いました。
そのあたりのことは耳鼻科医の見解なども出されたり、また障害者手帳についても今後調査が始まるようで真実が徐々に明らかになっていくでしょう。

佐村河内氏が「実は聞こええている」というエピソードや映像などもいろんな媒体で紹介されていましたが、なかには「聞こえている理由にはなっていないのでは?」というものがありました。
要するに「聞こえない、聞こえにくいということが全く理解されないまま報道されているのではないか」ということなんですが。

例えば、佐村河内氏と関係者の打ち合わせ中、事故があり、その衝撃音に佐村河内氏が反応し驚がくの表情を見せたというエピソードがあります。
両耳全聾(つまり両耳が100デシベル以上)の聴覚障害者が補聴器装用していた場合、そういった衝撃音がとてもうるさく不快な音として耳に入ってくることは、特に珍しいことでもないと思います。そのうるささがいやで、補聴器を外す人も多いようです。仮に補聴器を外していたとしても、何も聞こえていない状況のなかで衝撃音だけが聞こえてくることになります。仮に100デシベルの人が補聴器を外し(裸耳状態)、120dBの衝撃音がすれば、当然音が耳に飛び込んできます。しかもその音以外はほとんど聞こえないわけですから、とても驚くということは、充分あり得ることです。
以前、ろう者サッカーの合宿に参加した祭、「足音がうるさい」という選手の声(手話)が印象に残っています。「耳が聞こえないのにうるさいってなんだよ!」と思ったのですが、無音に近い状態のなかで足音の低音だけがドスドス響き、うるさく感じたそうです。
ちなみに聴者である私の耳には、足音はもちろん、歩きながら話す声なども同時に聞こえてきます。

言葉としては耳に入ってこなくても、音として、不快な音だけが耳に入ってくることは、聴覚障害者にとってはよくあることです。

このあたりのことを理解することなしに報道されていることが本当に多いように感じます。

また同じデシベルでも、高低、高い音が聞こえにくいが、低い音は比較的聞き取れるなどもあります。
人の聞こえは千差万別です。
そこに補聴器が加わるとさらに千差万別です。

その他、インターホンにいち早く佐村河内氏が気付いたというエピソードがあるようです。
聞こえていたのだとは思いますが、インターホンの音を、聞こえる音量、周波数に設定していたという可能性もあります。
具体的にそういったインターホンがあるかどうかはわかりません。
通常聴覚障害者は、インターホンが押されるとランプが光り回転する装置を使っている例が多いです。

稲垣吾郎氏が話しかけ、反応したという映像も見ましたが、これはさすがに聞こえていたのだと思います

個人的には佐村河内氏は、ある程度の難聴があり、少なくとも過去には耳鳴りに苦しんだ経験があるのではないかと思っています。

本当に、聞こえる、聞こえにくい、聞こえないというものは、千差万別です。

 


プライドinブルーの上映で

2014年02月14日 | 障害者サッカー全般

facebookへの投稿とほぼ同内容です。

先日ヨコハマフットボール映画祭で映画「プライドinブルー」が上映されました。

知的障害者サッカー日本代表の加藤選手とも久しぶりの再会。
映像
に映る昔の自分の姿を見て、「青かった」と感じたそうで、ならば今年の大会では成熟したプレーとリーダーシップでチームを引っ張っていってほしい!
音声ガイドで映画を聴き、そして感じてくれたブラインドサッカー日本代表の落合選手ともいろいろと話することができました。
両選
手はトークショー終了後もいろいろと話し込んでいて貴重な時間となったようです。
また知的障害障害者サッカー、ブラインドサッカ
ー、電動車椅子サッカー関係者間の交流もあり、人と人をつなぐことに映画が少しはお役に立てたのではないかと思います。

知的障害者日本代表は8月にブラジルで開催される世界大会に出場。
http://jffid.com/

ブラインドサッカーはなんと世界大会が日本で開催、11月東京・代々木です。
http://www.b-soccer.jp/


ところでトークショーの時は私も壇上に上がりましたが、手話通訳が気になってチラチラ見てました。
やっぱりうめ〜な!
私の手話力はまだまだです。


佐村河内氏の作曲のくだりを見て最初に思ったこと

2014年02月07日 | 手話・聴覚障害

本当は他にやらなくてはならないことがあるのだけど、佐村河内氏と新垣氏の一件が気になり手につかない。
それならばと、少しだけ書き込みます。

NHKのドキュメンタリー内の描写のことである。
(今、現在考えたことではなく、最初の時点で見て思ったことを思い出しながら書きすすめます。)
番組を初めて見た時に違和感を感じる部分があった。


脳内で曲が出来て、いったんリビングに出てきてスタッフに「完成しました」と告げ、その後再び部屋に戻り脳内の曲を記譜していくという流れだ。すなわち作曲作業そのものの箇所だ。

作曲のことはまったくわからないが、例えばシナリオや原稿や映像の編集にしても、具体的に文字を書き込む作業や編集作業だけではなく、脳内で構築していく時間というのはある。そしてそこで「出来た」「出口が見えた」と思うことはある。そして脳に定着している間に出来るだけ早く形として吐き出そうとする(文字化したり、編集したりということ)。凡人の私は頭では出来ていても現実化するなかで再び暗礁に乗り上げる。

佐村河内氏が「完成しました」という以上、頭の中では完璧に完成したということなのだと受け取った。
凡人の私ならば一刻も早く記譜しなくてならないと思うだろう。
しかし佐村河内氏の表情からはそのような切迫感は感じられない。きっとそこが天才たる所以なのか?
ならば後は一機果敢に五線譜に書き付けるだけだろう。
しかし作業は12時間に及ぶ。
何故そんなに時間がかかる?頭の回転(曲のスピード)に手が追いついていかないもどかしさすら感じるのではないのだろうか?

疑問点だらけで、この流れ(作曲作業そのもの)が腑に落ちなかった。
番組スタッフは疑問を感じることはなかったのだろうか?
作曲のことは全く分からず、凡才である私には到底理解しがたい天才の流儀があるのかと理解するしかなかった。

ちなみにカメラ撮影を断った点は違和感はまったく感じなかった。
平気な人もいるだろうが、嫌がる人も当然いるだろうし。

世間には「感動しました」という声が多く、そういった違和感を口外することもはばかられた。
本来、聞こえない人の活動にはとても興味がありいろんなところに出かけていくのだが、何故かCDを買う気にもなれずコンサートに行く気にもなれなかった。


それともう一点違和感を感じていた点は、「両耳全ろう」という言葉。
確かにそういう言葉はあるが、あまり耳にしたり目にしたことはない。
番組を見ている間中、とても違和感があった。
「両耳全ろう」とは、両耳の聴力レベルが100db以上という状態で障害者手帳の2級に相当する。
実際は100dB以上といっても、105と110とか、両方120や、まったく聞こえないなどあるわけである。
自分としては、番組側がまったく聞こえないという印象操作をしたいのだろうと、その時は理解した。
しかし極めて重要な部分をキャッチコピーのような言葉でくくっていいのかという思いはあった。



ひょっとしたら、記憶違いで実際の番組と異なる部分があるかもしれません。
もしそういう箇所がありましたら、ご指摘いただけると幸いです。