サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

映画「蹴る」 12月~上映予定(11月追加分含む)

2019年11月18日 | 映画「蹴る」

映画「蹴る」の上映情報。一般の方も観ることができる分です。

企業や大学、高校、中学、看護学校等、クローズドの上映も受け付けています。
自主上映会の問い合わせは、eiga.keru@gmail.com まで。 


まず11月分の追加です。

11月27日(水)東海大学 湘南キャンパス 2号館大ホールで上映があります。
どなたでも参加できるそうです。無料で、申込み不要。
日本語字幕版での上映となります。

 東海大学湘南キャンパス  神奈川県平塚市北金目4-1-1
※備考「第二回東海大学特別企画セミナー「蹴る」無料上映会」へのリンク
  ⇒https://www.u-tokai.ac.jp/about/campus/shonan/news/detail/post_1565.html

 

12月15日(日) 13時30分(開場13時)からは品川で上映。
映画にも出演していただいたサッカー元日本代表、JIFF(障がい者サッカー連盟)会長の北澤豪さんをはじめ永岡真理選手も来場、私も行きます。

トークショーは15:50~、終了17:00。
要申込み(定員100名、先着順/どなたでもご参加いただけます)
氏名、人数(大人〇人、子供〇人)、車椅子の有無、メールアドレス、電話番号を明記の上、SMA家族の会事務局までメールにてお申し込みください。
メール/smajimkyoku@sma-kazoku.net

※備考「SMA家族の会主催無料上映会」へのリンク
    ⇒https://www.sma-kazoku.net/post/蹴る-上映会を東京でも開催

18日(水)14時00分からは東京芝大門で。
会場/人権教育啓発推進センター人権ライブラリー 多目的スペース
私も行きます。

※要事前申込み(ウェブ上の受付フォームよりお申込みください)
※「人権教育啓発推進センター主催無料上映会」へのリンク
⇒http://www.jinken-library.jp/library_event/164682.html
※「受付フォーム」へのリンク
⇒https://reg18.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=ncth-lalekh-626f7ea8462860da558cbc384f2bf737


12月はその他、都内で上映の予定があります。
詳細決まりましたら、追加で書き込みます。

年明け1月、横浜市内での上映も決まっています。 
2020年1月25日(土)  神奈川  まんまるフェスタ ザ・ムービー(無料上映会)
                 会場/横浜市瀬谷公会堂(無料上映会)
 13時00分(開場12:00)          永岡真理選手・中村監督来場
-------------------------------------------------------------------------------
横浜市瀬谷区二ツ橋町190(相鉄線三ツ境駅から徒歩10分)
※日本語字幕版上映/トーク手話通訳・PC通訳あり
トーク15時00~
(先着500名・車椅子席8席)
主催:瀬谷区障害者地域自立支援協議会(せやまんまるねっと)
後援;瀬谷区スポーツ推進委員連絡協議会
お問合せ:瀬谷区役所/高齢・障害支援課 TEL045-367-5715 FAX045-364-2346
-------------------------------------------------------------------------------
 

デフフットサルW杯 デフなでしこ Facebookへの書き込み一部コピペ

2019年11月18日 | ろう者サッカー

自分の備忘録として、デフフットサルW杯での女子日本代表に関してFacebookに書き込んだ一部をコピペしておきます。 

【準々決勝】
デフなでしこ =デフ女子日本代表は、準々決勝でブラジルに敗退。

うーん、しばしの放心状態‥。

なんとなく試合を振り返ると、前半はゴレイロ芹沢の好守もあり0-0で折り返した。
慎重な入り方をしたブラジルだったが後半立ち上がりから攻めに来る。その時間帯を日本はしのぐが、10分経過したところでブラジルゴレイロからのロングスローをうまくコースを変えられて失点。その後のピンチで芹沢がいったんはシュートを弾き出すものの、こぼれ球を蹴り込まれ点差を広げられる。
後のない日本は残り3分(くらい)から中島がゴレイロユニを着てパワープレーに出る。攻撃好きなブラジルゴレイロが出てきたところを見逃さず岩渕が蹴り込み1点を返す。
その後も日本は要所要所では、ゴレイロ芹沢が入ったりしたものの、攻撃時はパワープレーを続ける。
残り15秒で得たコーナーキックからは、酒井が強烈なシュートを放つ。残り12秒からのキックインに望みをつなげるが、最後は及ばず。

敗戦は本当に残念だが、大会が終わったわけではない。
前回大会は6位で終わったデフなでしこ 、是非一つ上の5位を目指して頑張ってくれ。
だってこの4年で、2歩も3歩も成長してきたのだから

【5-8位トーナメント1回戦】

デフなでしこ、デフフットサル女子日本代表はスウェーデンに5-4で勝利。5位決定戦に駒を進めた。

5~8位トーナメント1回戦の相手は初戦3-3で引き分けたスウェーデン。
2分に酒井が岩渕とのワンツーから抜け出してシュート。惜しくも右ポストを直撃するが、ブラジル戦と違って得点の気配を感じる。
そして6分あたり、酒井が中盤でボールを奪いそのままドリブルで持ち込み右足を振り抜きゴールネットを揺らす。日本が先制。
今日の酒井はキレている。そして気持ちも感じるプレー。
2分後には左サイドでパスを受けた岩渕が中に切れ込んでニアをぶち抜き、2-0。岩渕も気迫を全面に押し出す。
その後1点を返されるものの、日本は酒井、右サイドの中島、ファーポストで待つ鳥海とダイレクトでパスがつながり3-1に。しかしフリーキックの流れで失点し、1点差に追いあげられる。
14分、右サイドのフリーキックから中島がゴール前でパスを受け、気持ちで押し込んで4-2。
その後、1点を返され4-3で前半を終了した。
ブラジル戦と違って点の奪い合いとなった。
向かえた後半も撃ち合いの様相を呈するが、両チームのゴレイロの好守もあり、スコアが動かない。
しかし6分過ぎ、スウェーデンの突破を日本はファールでしか止められず、スウェーデンにフリーキックを与えてしまう。
いったんはゴレイロ芹澤が弾いたが失点を喫し、4-4の同点に追いつかれてしまう

その後日本は立て続けにチャンス作り出す。中井、酒井、岩渕と強烈なシュートを放つがゴールにはならない。
そして11分、中盤で酒井がパスカットし右サイドの岩渕へ。岩渕からゴール前の阿部へ。阿部がゴール前で1トラップし落ち着いてゴールし、ついに勝ち越し。
スウェーデンは残り2分30秒からパワープレーを仕掛けてくるが、日本は落ち着いて対処。多くの時間を日本がボールを保持しタイムアップ。
日本が5-4と勝利、翌日の5位決定戦へ駒を進めた。対戦相手はロシア。前回大会の優勝国である。
この4年間、いや8年間の集大成となる最終戦である。


デフなでしこ デフフットサルW杯最終戦勝利で過去最高の5位!

2019年11月16日 | ろう者サッカー

スイスで開催されているデフフットサルW杯、女子日本代表は前回大会の優勝国ロシアと最終戦となった5-6位決定戦で対戦。
日本はグループリーグを1勝1敗1分で2位通過、準々決勝ではブラジルに2-1で敗れたものの、初戦で引き分けたスウェーデンを5-4で撃破、5-6位決定戦に進出していた。

日本は3分過ぎにカウンターから先制点を許すも、その後、ロシアゴールに迫る。
阿部の左サイドからの折り返しに岩渕と中島が詰めるがゴールにはならない。
阿部は再三中盤でボールを奪いチャンスを作り出す。

しかし12分過ぎ、ゴレイロのロングスローから反転されシュートを決められ2点のリードを許してしまう。

だがその1分後には1点を返す。
酒井の見事なスルーパスを阿部が右サイドで受け、ゴール左隅へ狙いすましたシュートが決まり
1点差に詰め寄る。
その1分後には再び酒井のパスから岩渕のゴールで同点。
さらに直後の右コーナキックからのパスを、阿部がダイレクトで蹴り込み3-2と逆転!

日本はチャンスと見るや2人目3人目が果敢に上がる。中島は中盤でボールを奪い取り、ポストプレーも効いている。


後半に入っても酒井、岩渕が強烈なシュートを放ち、ゴレイロの芹澤は、本多コーチに鍛え抜かれたポジショニングの良さと反応で、体をはってゴールマウスを死守する。

そして後半10分くらい、岩渕、中井、宮田とパスがつながり、最後は中井が決めて4-2

その後、日本は集中した守備を見せる。ラインを下げるときは下げてメリハリのある守備。
ロシアは残り4分半からパワープレーに出るが、いきなりの強烈なシュートは芹澤が見事なセーブで弾き出す。

そして今度は酒井が中央でドリブル、切り返して相手をかわしてゴールをたたき込んで3点差。

ママさんプレーヤーの一色も、中島とともに体をはったプレー。宮田や宮城もアグレッシブに動く。田村や川畑も気持ちのこもったプレー。原田も出番は少ないがチームに貢献する。

映像を見ながら、「人間って成長するんだな」って思った。

一方、いらだつロシアはレッドカードで一発退場者を出す。日本はその後、冷静にボールを回し、最後は酒井の強烈なシュートでとどめを刺し、6-2で勝利した。


デフフットサル女子日本代表は、ベスト4進出はならなかったものの前回大会6位を上回る5位の成績で全日程を終えた。

激闘を終えた選手の皆さん、お疲れ様でした。最終戦は出場停止で出れなかった鳥海選手、そして控えゴレイロとして出場機会のなかった佐藤選手も本当にお疲れ様でした。
へなちょこチームだったころから指導してきた山本監督、芹澤を鍛え上げた本多コーチ、その他のスタッフの方々、ネット中継してくれたスタッフもお疲れ様でした。


パワーチェアーフットボールチャンピオンシップジャパン2019観戦記 最終日

2019年11月06日 | 電動車椅子サッカー

11月3日~4日、静岡県エコパアリーナで開催された『パワーチェアーフットボールチャンピオンシップジャパン2019』観戦記第2弾です。

大会には韓国のチームも特別参加、10km部門の公式戦で敗れたチームや、連合チームとのフレンドリーマッチが行われた。今後、こういう機会が増えていき、いずれは代表の強化試合もホーム&アウェイで行われえるようになれば良いと思う。
 

2日目は6km部門の準決勝2試合が、9時10分にキックオフされた。
ディスカバリーとファインフレンズの一戦は、ディスカバリーが着々と得点を積み重なる。
開始早々には、永田の右コーナーキックを池田がファーで合わせる。6分にも追加点、7分には池田の右サイドのキックインがエリア内の2人の間を割ってゴール。10分にも池田、永田のコンビで4点目。後半に入っても、永田、高垣のゴールで6点。6-0で決勝に進んだ。

ブラックハマーズと兵庫パープルスネークスの対戦は、前半パープルが名田のゴールで先制。
しかし後半、ブラックハマーズが石井のゴールで追いつく。
その後も一進一退の攻防が繰り広げられるが、延長、PK戦の末、決勝に勝ち上がったのはブラックハマーズ。


10時40分からは10km部門の準決勝2試合。
キャプテン塩入を欠くナンチェスターユナイテッドは横浜クラッカーズと相対したが、塩入の不在は如何ともしがたい。
クラッカーズに攻め込まれ、クリアボールを流し込んだ石井のゴールでクラッカーズが先制。
その後も速攻から永岡真理が持ち上がり、三上がゴールを決める。さらには永岡のコーナーキックを中山環が合わせ、前半を終えて3-0。

後半に入ってもクラッカーズは得点を積み重ねる。
永岡のロングシュートで4点目、石井のゴールで5点目。ナンチェも東が直接フリーキックを蹴り込み気を吐くものの、クラッカーズは三上のフリーキックを永岡が角度を変えて6点目を奪い突き放し、クラッカーズが3大会連続の決勝進出を果たした。
ベストな状態のナンチェスター・ユナイテッドとクラッカーズの対戦が観れなかったのは、とても残念だった。しかしナンチェの若手井戸崎にとっては良い体験、試練にもなっただろう。

もう1試合のクラッシャーズとレッドイーグルス兵庫の一戦は稀に見る熱戦となった。
試合は早くに動いた。4分にフリーキックから、日本代表のキャプテンを務めた内海が飯島と森山の間をぶち抜き先制。11分には内海が角度のないところの左サイドのキックインから直接ゴールし、雄叫びを上げる。さらには内海のパスから井上のゴールで3-0と突き放す。
この時点でさすがに決まったなと、正直思った。ところがクラッシャーズはここから反撃に出る。飯島の右コーナーキックを森山がファーで合わせて1点を返し、後半に望みをつないだ。

しかし後半に入っても2点差は縮まらない。逆にレッドイーグルスは怒涛の攻撃を繰り広げるが、クラッシャーズも飯島を中心に凌ぎきる。
そして11分過ぎ、レッドイーグルスは2on1の反則をとられフリーキックを与えてしまう。クラッシャーズは、飯島が蹴り、森山が角度を変えて1点差に詰め寄る。
勢いに乗るクラッシャーズは、1分後、右コーナーキックを得ると、飯島のキックを森山が正面から蹴り込み同点に追いつく。そしてさらにセットプレーから飯島、森山のコンビで4-3と逆転。そのままクラッシャーズが逃げ切った。
3-0からの逆転劇はそうそうあるものではない。レッドイーグルスも慢心したわけではないだろうが、クラッシャーズの勢いに呑まれた形となった。

レッドイーグルスからは豪州でのAPOカップに内海、井上、浅原が参戦。結果としては上月、中村、船倉等と分断される形となり、直接いっしょに練習出来ない等、何らかの形で影響を及ぼした点もあったかもしれない。
 

12時30分からは6km部門の決勝。愛知のディスカバリーと埼玉のブラックハマーズの対戦。
試合はディスカバリーが、池田、永田コンビで得点を量産、終わってみれば、8-0の圧勝でディスカバリーが優勝。
ディスカバリーは高垣がうまくバランスを取り、平西が後方を締めた好チームだった。
監督の長谷川さんは映画「蹴る」撮影時には自宅までおしかけ、亡くなった息子さんの遺影を撮らせてもらった。以来、大会のたびによく話すようになり、個人的にも印象深い優勝となった。
6km部門のMVPは、ディスカバリーの池田恵助。
 

大会の最後を締めくくる10km部門の決勝は、横浜クラッカーズと長野のFCクラッシャーズのクラクラ対決。
序盤は、反則にも留意した1対1での競り合いが続く。クラッカーズは11分、13分、15分とセットプレーからチャンスを生み出すが決めきれない。
そして18分には飯島、19分には三上、両チームの中心選手にイエローカードが出る。2枚目をもらったら退場になってしまう。その後は慎重にならざるを得ない。
前半終了間際には、フリーキックのこぼれ球から三上が強烈なシュートを放つが惜しくも枠を捉えられない。

後半大きなチャンスを向かえたのはクラッシャーズ。12分、左サイドのキックイン、飯島からのパスを森山がダイレクトで強烈なシュート。しかしクラッカーズの清水猛留が素早い反応で弾き出す。
APOカップに出場した清水は、その時の経験が活かされているのか大会前とは別人のように落ち着いてプレーが出来ているように見受けられた。まさにビッグプレーだった。
その後、三上のセットプレーから永岡真理、中山環がシュートチャンスを迎えるもののゴールには至らず、スコアレスのまま延長戦へと突入した。

延長前半のキックオフ、三上から右サイドの中山へ。中山が太田と競り合い突破し逆サイドへ折り返す。永岡が落としたボールを三上がダイレクトでシュート。ゴール左隅に決まり、クラッカーズが先制。キックオフから一度も相手にボールを渡すことなく、連動した見事なゴールだった。
4分過ぎには左コーナー付近での永岡のフリーキックを、三上が決めて追加点。クラッカーズがそのまま逃げ切り、2大会ぶり、4度目の優勝を飾った。
MVPは三上優輝。

敗れたクラシャーズは、とにもかくにも飯島を中心としたチーム。近年は彼のイメージを周囲が具現化できることも多くなり、ますます楽しみなチームになってきている。

この大会は、1週間前にオーストラリアで開催されたAPOカップと切っても切り離せない大会となった。日本代表に選ばれオーストラリアに遠征した選手たちのコンディション(特に障害の重いPF1の選手)やパフォーマンスがどう影響を与えるかという点も優勝を左右する重要な要素となった。
優勝した横浜クラッカーズの永岡真理(PF1)は、この短い期間にコンディションを整えてきた。決して簡単ではなかったはずだ。
また三上優輝(PF2)はオーストラリアでMVPを獲得、一回りたくましくなって帰ってきた。もっとも成長したのは清水猛留だ。以前はゴールを守っていてもどことなく頼りなげだったが、オーストラリアで揉まれてきたせいか、とても落ち着いていて安定感のあるプレーを見せていた。
日本代表選手を全国大会の優勝、準優勝チームから選んだやり方は批判的な言辞も多かったが、結果としてクラッカーズは経験を活かした形となった。

だがもしW杯の出場権を取れていなかったら、様々なことがどう転んでいたかわからない。

レフリングに関しては、APOカップで慣れていた選手たちに利があった面は否めないだろう。
また2on1やオブストラクション等の反則でフリーキックの場面も多かった。そういったことも勝敗に影響を与えたかもしれない。
 

APOカップに出場した日本代表はいったん白紙に戻るようだが、W杯に向けては全国から選手を選抜する、従来の、そして常識的なやり方に戻すべきだ。また監督もAPOカップで結果を出した近藤監督が続投すべきだと私は考える。与えられた手駒のなかで結果を出したし、世界の一端を垣間見ても来ている。いずれにせよ、W杯に向けた道のりを出来るだけ早く構築していかなくてはならないだろう。APOのレフリングの延長にあるのはドリブルで強引に持ち込むサッカーではなく、球離れを早くし、パスを回すサッカー。イングランドもそうだし、ゴリゴリのサッカーをやっていたオーストラリアも大きくプレースタイルを変えてきている。代表、そして10km部門は、世界のトレンドに置いてきぼりをくらわないことが重要だ。W杯に出場し、高みを目指すのであれば。

一方6km部門をどうしていくのかは、電動車椅子の法定速度が6kmである日本においては切実な問題である。競技への間口、普及という意味ではとても重要なカテゴリーだ。
さらに言えば簡易電動車椅子と柔らかいボールで出来るような、高齢者や子供でも出来る新たなカテゴリーも考えられるだろう。

ところで法定速度が6kmである必要があるのだろうか。6kmとは人間が歩く速度だ。
電動車椅子は走っちゃいけないのか。
 

何だか、まとまらなくなってきた。
このあたりで…。


APOカップに遠征した選手団の渡航費支援のクラウドファンディング、継続して支援を募っています。

https://readyfor.jp/projects/jpfa

(追記)
大会日程が、アンプティサッカーの全国大会と重なっていたのは残念だった。会場の都合でなかなか調整が難しい面もあるだろうが、来年以降、各障がい者サッカー間の主要大会が重ならないようになれば良いとは思う。
ところが聞いたところによると、来年の大会はパラリンピックと重なってしまう可能性があるようだ。その場合は、ブラインドサッカー決勝、車椅子バスケット決勝、車椅子テニス決勝ともろダブりとなってしまう…。

また来年は、鹿児島で開催される障害者国体のオープン競技として、電動車椅子サッカーがプレーされる。日程は10月17日~18日。
こちらも是非注目である。


パワーチェアーフットボールチャンピオンシップジャパン2019観戦記 1日目

2019年11月06日 | 電動車椅子サッカー

113日~4日電動車椅子サッカーの全国大会である『パワーチェアーフットボールチャンピオンシップジャパン2019』が静岡県エコパアリーナで開催され、全日程観戦してきた。

この大会に初めて来たのは2006年(当時は大会の名称等が異なる)、その後2011年より毎年来ているが2017年までは映画『蹴る』や『プライドinブルー』撮影のため、昨年は映画『蹴る』の宣伝ブースを出したりということもあり、今回が初めての純粋な観戦。トータル10回目ということになる。

大会の情報を発信する人も増えたので、ブログの更新さぼっちゃおうかと思ったが、振り返っておく。

初日の開会式の前には、先週オーストラリアで開催されたAPOカップに出場した選手、監督等からの報告があった。
日本チームは大会結果は2位に終わったものの、最低限にして最大のミッションであったW杯出場件を獲得した。(個々の試合に関してブログの過去記事を参照してください)。
監督からは、様々な情報等が世界のスタンダードより大きな遅れをとっていることが報告され、今後に大きな課題も残した。
例えばルールの適用に関しての情報等が大会前に日本チームには入っておらず、そのことがイエローカードを数多く受けてしまった面もあるようだ。

そのことがチャンピオンシップにも大きな影響を与えていった。

大会には、制限速度が10㎞のマックス10、6㎞のパワフル6にそれぞれ13チームが参加。トーナメント制で日本一を争った。
大会初日は4面で同時キックオフ。2面は10㎞部門(マックス10)、もう2面は6㎞部門(パワフル6)。
各地の映画『蹴る』上映に来てくれた選手等も多数出場しており全部の試合を観たいのだが、注視する試合を絞らざるを得ない。
これが一番悩みの種。どうしても10㎞を中心で観ていくことになってしまう。得点の気配が漂う時は、横目で見たりもしていたのだが。

 
第1試合はマックス1010㎞部門)、FCクラッシャーズ(長野)と大阪ローリングタートルの対戦に注視。
クラッシャーズは飯島洸洋の創造性溢れるサッカーからは目が離せないし、森山もとかく話題を提供してくれる。大阪ローリングタートルは昨年6㎞部門で優勝。満を持して10㎞部門にチャレンジしてきたチームである。
映画『蹴る』の立場から言うと、松本と大阪の上映に来てくれた選手たち同士の対戦。
試合が動いたのは前半7分、飯島のフリーキックに森山が合わせて先制。その後は大阪が攻め込むが、そのまま前半を終え後半へ。
後半、クラッシャーズが追加点を奪えないなか、
15分、大阪は山田からのパスを宮川がゴール、同点に追いつく。
しかしその後、飯島がフリーキックを直接蹴りこんで勝ち越し、2回戦にコマを進めた。
大阪ローリングタートルは魅力的なタレントも多数在籍しており、今後がとても楽しみなチームである。

金沢ベストブラザーズとYOKOHAMA Bay Dreamの対戦は、プレイングマネージャー城下歩率いる金沢が2-0でべイドリームを下した。ベイドリームは近年チーム力を確実に上げてきているのだが、なかなか上位進出がかなわない。

 パワフル66㎞部門)はファインフレンズ(大阪)が21でウイニングフェニックス(千葉)に勝利。以前関東大会があったときは ウイニングフェニックスの試合も観ることができたが今大会はほぼ見れずじまい。すいません。
レインボーから枝分かれしたイルシオン東京は3人の廣島マインツに00PK戦でも勝負がつかず、なんと抽選で敗れ去った。
 

2試合10km部門、Yokohama Red Spiritsとプログレス奈良の対戦。
レッドスピリッツは
Yokohama Crackersから枝分かれしたチーム、若手とベテランのメンバー構成。12分、近藤鉄平のゴールで先制。その後、佐藤虎汰朗の左サイドのキックインから内田がファーで合わせ2点目。19分には流れの中から鉄平がこの試合2点目。
後半3分、虎汰朗のキックインからファーで待つ山田春香は惜しくもゴールにはならない。その後、10分には虎汰朗のゴールで4点目。17分には流れのなかから虎汰朗の右サイド深い位置からの折返しを鉄平が蹴り込んでハットトリック。レッドスピリッツは、若手の佐藤虎汰朗、近藤鉄平の活躍で快勝。この二人は電動車椅子サッカーを始めた時から知っているが、力の付け方が半端ない。将来とても楽しみな選手たちだ。

もう1つの10km部門は、A-pfelle広島PFCとレインボー・ソルジャー(東京)。レインボーは前述のイルシオン東京と別れ10km部門を選んだ選手たちのチーム。北沢のアシストから中坪のゴール、内橋の個人技によるゴールで2-0で広島を破ったが、広島にとってはPKをめぐる微妙な判定もあり、少々後味の悪い敗戦ともなった。

 6km部門はDKFBCディスカバリー(愛知)とTAMA(東京)の対戦は、ディスカバリー池田、永田コンビの得点等で12-1の大量得点差勝利。ディスカバリーは、池田が急速に力をつけ、永田、高垣、平西の4人のバランスがとても良い。

スクラッチ香川とFINE(東京)の対戦は、2人で試合に臨んだ香川が一人になってしまい、無念の没収試合。

 
3試合10km部門、Nancheter United鹿児島 Safilva(北海道)は、ナンチェが井戸崎竜斗、東、井戸崎、塩入、井戸崎のゴールで5-0の勝利。井戸崎竜斗は、東、塩入という日本の誇る選手たちに揉まれ、着実に力をのばしつつあるようだ。またSafilvaの町田も将来性を感じされる選手に思えた。

6km部門1回戦最後の試合は佐賀のInfinity侍と長野のバレッツの対戦。バレッツは前半14分、木村のパスを土屋が決めて先制、しかし後半8分、佐賀の熊本睦子が気迫でゴールに押し込み同点に追いつく。“佐賀のなでしこ”こと熊本さんは、佐賀市での映画「蹴る」の上映、福岡市での上映に2日連続で来てくれて思い入れのある選手だったので思わずガッツポーズ。松本の上映に来てくれたバレッツの皆さん、すいません。私の個人的な思いはともかく、バレッツが5分後には向山から宮崎のゴールで勝ち越し、そのまま逃げ切った。

6km部門、2回戦に入ったファインフレンズとマインツの試合はスコアレスドローでPK戦へもつれ込む展開となり、ファインフレンズがベスト4に駒を進めた。

第3試合のもう一つは、1回戦を勝ち上がった金沢ベストブラザーズとクラッシャーズ。
クラッシャーズは前半19分飯島、後半井出のゴールで2-0。クラッシャーズが金沢を退け、ベスト4へ。すいません、この試合あまり観れてません。
 

4試合10km部門2回戦、Yokohama Crackers とレインボーの宿命の関東勢対決。
序盤から相手陣内に攻め込むクラッカーズは、前半13分フリーキックのチャンス。
一度はレインボーが跳ね返すものの、三上から中山環に渡ったボールを中山が前突きでゴールに押し込み先制。APOカップに5人中4人が参戦。ただ一人日本に残り、昨年度在籍していたレッドスピリッツと練習を積み重ねた中山のゴールだった。15分にはクラッカーズの三上が直接フリーキックを北沢と内橋の間に蹴り込み追加点。後半3分には、右コーナーキックを永岡真理がニアで合わせて3点目。
その後、レインボーは、右サイドのキックインを北沢から内橋へ縦パス、内橋が折り返し東が中央でダイレクトで合わせた。計算されつくしたレインボーらしい見事な得点。しかし試合はそのまま3-1で終了。クラッカーズが2日目の準決勝への進出を決めた。

レッドスピリッツが昨年の優勝チームRed Eagles兵庫に挑んだ試合は、地力の差を見せつけられ5-0で兵庫が準決勝へ。

6km部門残りの2回戦は、ディスカバリーが2-0で、昨年の準優勝チームJPDソニック~京都電動蹴球団を2-0、埼玉のBLACK HAMERS5-1と勝利、兵庫パープルスネークスはバレッツを6-1と撃破し、それぞれベスト4進出。
 

そして今年度から10km部門に参戦した地元静岡のSFCデルティーズが強豪ナンチェスターユナイテッドに挑む2回戦最後の試合は、ナンチェが常磐から優位に試合を進める。デルティーズにはどことなく固さが見られる。1回戦不戦勝、2回戦からの出場で最初に試合が16時キックオフということも固さにつながってしまったのかもしれない。

2分過ぎには東のセットプレーからのパスを塩入が蹴り込み先制、1分後には東が前突きで押し込み2点目。速い時間帯にナンチェが得点を積み重ねる。しかしデルティーズも長谷川がチョンとだしたフリーキックを石脇がシュート(?)、中村に当たってゴール。1点を返す。
しかし後半4分には東の直接フリーキックがゴール、7分には東のフリーキックを塩入が合わせる。その後も東の得点で5-1としたナンチェが準決勝進出を決めた。
デルティーズにとってはほろ苦い10km部門のデビュー戦となった。

だがこの試合で最もショッキングな出来事は、両チームのキャプテン石脇、塩入が
2枚のイエローカードをもらい退場処分となったこと。そしてベスト4へと駒を進めたナンチェが翌日の横浜クラッカーズとの準決勝を塩入抜きで戦わなくてはならなくなったこと。
これはナンチェ側からすると壊滅的なダメージだった。個人的には、(敗れたチームの皆さんには申し訳ないですが)準決勝でのクラッカーズとナンチェの試合をもっとも楽しみにしていた。
もちろん次戦の出場停止はルールなので仕方のないことではあるのだが、この大会では1週間前にオーストラリアで運用されたルールの基準を急遽導入しており、これまでであればまず退場につながるようなプレーではなく、即座に納得するには難しい退場劇となった。
ナンチェの立場からすれば、1枚目のイエローをもらったところで塩入を引っ込めるという考えがあっても良かったのかもしれない。

本来であれば、APOカップの前に日本が正確な情報を得て、代表も対策を講じ、各チームにも伝達されるべきであっったが、日本は情報を得ることが出来ておらず“悲劇”を生むこととなった。

“悲劇”という言い方が適切かどうかはわからないが、この一連の流れを教訓として、2021年のW杯や来年の全国大会につなげていかなくてはならないことは急務であろう。

 
最後まで書き上げてアップしようと思っていましたが、1日目で力つきました。
拙いメモを元に書いているので、もし間違い等あったらご指摘ください。
上映でお世話になったにも関わらず全く言及出来てないチームもあり、申し訳ありません。
上映でお世話になったすべての皆様ありがとうございました。
これからお世話になる方々、よろしくお願いします。

 (続く)