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かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

つながる感性

2020-04-21 11:32:54 | 日記

未明、録画しておいたNHK「クラッシック音楽館・いま届けたい音楽」を視聴することから昨日という1日が始まる。

サンサーンスバイオリン協奏曲3番2楽章をN響の伴奏で樫本大進さんが熱演していたが、流麗にオーボエを奏でる女性の名前が出てこない。著名なヒトだ。

検索したらN響楽団員ではなく、ドイツのマーラー室内管弦楽団首席オーボエ奏者吉井瑞穂さんだった。サンサーンスの2楽章は、樫本さんが絶賛するように、今という時を慰めてくれる素敵な楽章だ。バイオリンとオーボエのあたたかな語らいが印象的だった。

「クラシック音楽館」が終わって、たまたまBSプレミアムのチャンネルを合わせると、なんとその吉井瑞穂さん秋田県大曲コンサート(2019年6月14日)が始まろうとしていた。不思議なめぐりあわせだ。

吉井さんは、番組中「大曲の花火と音楽演奏は、共通しています。1回限りで消えるもの。(だから、真剣勝負で美しいもの。)」 という趣旨のコメントをしていた。

コンサートの終わりのころ、パヴェル・ハースというチェコの作曲家の「オーボエとピアノのための組曲」が演奏された。彼は、ユダヤ系ということで、ナチスに囚われ1944年アウシュビッツのガス室で処刑された。まだ45歳だった。ユダヤ人というだけで、他国の者に拘引され、虫けらのように殺されたた不条理な時代だった。

この曲の演奏中に、スマホから緊急地震速報がけたたましくなった。数秒後にやや大きな揺れが10秒ほど。「ひさびさ、おっかない思い。」宮城県沖Ⅿ6.1 最大震度4。自然の摂理とはいえ、予期せぬ地震は不条理の限りだ。緊急地震速報の精度が上がったな、と妙な信頼感。

吉井さんのコンサートで一番惹かれた曲は、NHK朝ドラテーマ曲だった「あすか」の風笛。大島ミチルさんの美しいメロディーで、1999秋~2000春に流れていたもの。あの時代、何をして、何を考えていた。

NHKオンデマンド特選であすか総集編を1/4視聴してみる。セーラー服の竹内結子が初々しい。

風笛が聴きたくて、YOUTUBEへ。 宮本文昭と宮本笑里のコンサートがあったので、聴いて熱くなる。文昭さん2007年ラストコンサートだという。引退が早すぎた。何があったんだろう。

Youtubeの同じ画面に、小澤征爾サイトウ・キネン・オーケストラの1992年9月の天覧公演がアップされていたので、ブラームス1番を視聴する。圧倒的熱演だが、1975年来日したカール・ベーム、ウィーンフィルがやった1番のさらなる圧倒的熱演の記憶があるので、さしたる感動はない。

サイトウ・キネン・オーケストラのオーボエ奏者に宮本文昭さんがいて熱演していた。これも、めぐりあわせだ。オーケストラのコンサートマスターとなっている潮田益子さんの懐かしいお姿が。

潮田さんは、すでにこの世のヒトではない。2013年に、白血病のため米国で亡くなっている。あらためて、潮田さんのプロフィールを眺めたら、彼女は、世界的ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・シゲティに師事していた。

あの辛口音楽評論家宇野功芳さんが「いまコンクールがあったら絶対入賞しないが、日本人の精神性にあっている。」と評したシゲティの弾くバッハ無伴奏は一番のお気に入りだ。Youtubeで、弟子なのだという潮田んさんの無伴奏も少し聴いてみたが、大きく、豊潤で、なかなかの精神性だ。CDの在庫が乏しそうだが、求めたい。

シゲティの話題だが、戦前1931年と翌年(昭和7年)に来日していて、昭和7年来日の模様は、太宰治の「ダス ゲマイネ」という作品に取り上げられているのが面白い。なんでも、3日間の公演は不入りで不評。それに怒ったシゲティが「日本人の耳は驢馬の耳」と新聞社にコメントしたとか。前年来日の折は、絶賛を浴びたというが、どうしたのだろう。

日比谷公会堂で行われた12月のコンサートに太宰の姿があったか不明であるが、何と特高から追われて地下に潜行していた小林多喜二の姿がそこにあったというから驚きである。誰かの計らいでチケットを入手し、隣席には弟が座っていたとのこと。(涙)

この小林多喜二は、コンサートの2か月後、昭和8年(賢治が亡くなった年)2月、スパイの導きで東京赤坂の路上で特高に捕まってしまい、築地警察署内での激しい拷問の果てに、その晩のうちに絶命したという。こんなことが普通に行われていた時代の不条理により29歳の若さで命を落とした者がいた。(この拷問シーンを何かの映画で観たが、忘れた。)

同じコンサートの晩の日比谷公会堂の別の席に22,3歳の太宰の姿があってベートーベンを聴いていたと想像するだけでも楽しいが、このころに左翼運動を離脱(挫折)したとされる太宰は、戦時下、国にひれ伏すのでも媚びるのでも、戦意発揚するのでもなく「ずるがしこく」生き延び、「富岳百景」や「惜別」などの名作を次々生み出していったことは、不思議なのだが、なんとも不条理な時代こそ太宰の生きるよすががあったというのだろうか。その太宰、戦後、「平和」を取り戻したたかのようにコロリと態度を一転させた民主日本は生きにくいと思ったか、早くもこの世におさらばしている。

その太宰治は、妻となった津島(石原)美智子さんとの間に、一男二女(次女は作家の津島祐子)、愛人とされた太田静子さんとの間に1女(作家の太田治子)をもうけたが、津島家の長女園子さんが昨日78歳でお亡くなりになったとのこと。(合掌)

自粛といわれる1日、未明から陽が落ちるまで、感性の糸があちらこちらで繋がり、撚られ、織られ、さまざまな感動となり、また消えていく。

あらためて、シゲティのバッハ無伴奏ソナタ・パルティータをYoutubeで聴きながら、「このヒトのバッハは、木の香りがする深い森をゆっくり歩いていくようだ。落ち着く。」

どの時代も不条理で生きにくそうだが、音楽や四季折々の森のささやきがあるからこそ、生きていけるのだと、ますます思いを強くする。

宮本文昭さん 宮本笑里さんの最初で最後のコンサート(Youtube)


        

               2019.6.19  湯ノ丸高原 落葉松の小道

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破壊からもたらされる再生の光

2020-04-20 08:41:24 | 日記

昨夜のNHK「クラッシック音楽館」、パンデミックにより活動休止に追いやられている音楽家たちの苦悩と再生への希求が語られていた。とくに、N響、読響、都響などのように企業や行政の後ろ盾のない自主運営団体の東響などは年間150回以上の公演をこなしているというのだから、公演中止が長引けば収入源が断たれ死活問題であろう。もちろん、室内演奏家やソロ活動家も同様、苦境のうちにあるのだろう。

そのような、状況打開策として、4月8日のこのブログでオイラはネットでの有料コンサートの可能性に触れていたが、この番組でに人気ピアニストの反田恭平さんが登場し、彼が、すでに、この4月1日、チケット1000円での「オンデマンドコンサート」を開催しており、2000人以上の観客を集めていたことを知った。

プロのヒトビトは、このような苦境から抜け出す道をすでに探り始めていたのだ。番組で、どなたかお話しされていたが、「ナチスがソビエトを破壊した大戦時にショスタコーヴィッチが【レニングラード】を生み出したように、破壊から、また何かが再生する。」と。これからの時代、パソコンとイヤホンで聴く音楽もそれなりの音質が楽しめ、むしろ広い演奏会場より細部の音域や息遣いが届くので、地方在住者としては、交通費もかからず、案外いいのかもしれない。演奏家の公演スタイルも、このパンデミックを機に革命的に変わるのかもしれない。

反田恭平オンデマンドコンサート

番組には、昨年の調布音楽祭で「後宮からの誘拐」を楽しんだバッハコレギウムの鈴木優人さんもご登場し、「苦境の時に、いつも慰めてくれるのはバッハ」とお話しされ、「われら苦難の極みにある時にも BWV641」というオルガン小品を演奏していた。ググっと胸に響いた。

モーツァルトでもベートーベンでもなく、このような厳しい季節に柔らかな春の光を差し伸べてくれるのは、バッハなのかもしれない。

さらに、番組最後に指揮者のブロムシュテットさんの結び。

「歌を思い出そう。歌を口ずさもう。母から聞いた子守唄のような歌を。」

苦難にあえいでいる音楽家のヒトビトが、視聴者を力づけようとさまざまな声を届けてくれている。1000円程度チケットでのオンデマンドをやっていただけるなら、中止の憂き目にあった聴衆からの支援の波が広がるんではないだろうか。

みゆきさんのラストコンサートは、延期の予定も含め、一切中止となった。1000円とはいかないだろうが、どうだろうオンデマンド。

Youtubeからいただいた鈴木優人さんの演奏

 


青葉山の遊歩道になかよくデュエットのカタクリ

 

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イーハトーブ花巻での哀しい出来事

2020-04-18 10:39:50 | 日記

今朝の毎日新聞社会面。宮沢賢治記念館や周囲に温泉がある環境が好きで、老後は花巻で暮らしたいと、この4月はじめに東京から移住しようとやってきた70代のⅯさん。東京からやってきたというだけの理由で、入居しようとしたマンションの住民たちから、「しばらく来ないで。」と入居を拒まれたという。さらに、花巻市役所は、何を血迷っているのか、2週間転入届の自粛要請をしていて、すぐに住民登録が叶わなかったとのこと。Ⅿさんは、友人の好意により花巻市土沢の友人の元店舗の2階に仮住まいした。おそらく2週間程度と考えていたのだろう。だが、彼の不幸は、それからだった。11日朝、隣の店舗兼住宅から出火し、仮住まい宅に延焼、Ⅿさんは焼死した。

マンション住人に他人の入居を拒む権利があろうはずがなく、市役所も、何の法的根拠があって入居手続きを拒否したのだろう。その者の2週間隔離を市の責任で見届けてから転入を認めるとでもいうのか、できっこないのに。Ⅿさんは、すでに来花しているのであって、保険や助成金など転入者の諸権利を奪うものであり、おおいに問題である。

なぜこんな哀しい結末を生じたのだろう。現在まで政府は都道府県間の移動を禁じてはいないし、緊急事態宣言発令後さえ、転出・転入を禁じていないのはもちろん、中止要請さえしていない。不要不急の自粛は、旅行や別荘への避難に向けられており、東京から花巻に「ついの住みか」を求めて転居しようとしたⅯさんに、非は全くない。

それなのに、Ⅿさんの行動を身勝手な旅行者や避難者と同列にみて、上のような対応をした花巻のヒトビトには、これまで感染者が県内ではゼロだからといって、何か間違った優性意識が生じていたのではないか。東京都民を一様にバイキンマンとみていなかったか。

何度でもいうように、県境に壁はなく、日本はロックダウンしていない。道路も鉄道も航空路も、何の制約もなく全国から岩手県に通じているのであって、日本政府はコロナウィルスのダダ洩れを日本全土に許容しているのである。なので、すでに、全土、汚染列島なので、岩手だけが別格に守られている特別な土地というものではない。(ファンタジーとして期待はするが。)

たしかに、100万人当たりの感染率は東京が一番高いが、今や、ほとんどの都道府県は感染率上昇中だ。岩手は、感染国土のただなかにあり、都道府県単位という集計上、現在、たまたま感染者が出ていないだけにすぎないことを自覚してもらいたい。

感染率

安倍総理は、昨日の会見で「感染者が多い都市部から地方へ人の流れができるようなことは絶対に避けなければならない」といったが、口先だけで「絶対防止」について何ら手段を講じてはいない。

東京都内の現状はどうだ。今も、通常時の5割程度が電車通勤しており、地方への流入といいながら、感染者の多い都内でのヒトの流れを認め、職場や街から家までのヒトの流れを認めているのだ。これじゃ感染が治まるわけはないし、日本全土に感染者を漏らし続けているといっても過言じゃないだろう。

日本の面積は、377,975㎡、ロックダウン中のカリフォルニア州の面積は、423,970㎡。「絶対防止」というなら、全国に緊急事態宣言を出した今、統治者は、東京だ、岩手だという島国根性を捨てて、日本全土に「接触8割減」と「経済的ダメージ」をできるだけ救済していくという「強いメッセージ」を今すぐ発すべきなのだろう。

為政者たちが、グダグダ、あいまいな政策とメッセージを出し続けているので、岩手のヒトにも変な島国根性と優性意識がいつの間にか生じて、Ⅿさんのような犠牲者を出したのではないか。(Ⅿさんの結果を知った花巻んヒトもつらいだろうに。彼らも犠牲者だ。)

東京大空襲で焼け出された高村光太郎さんを、家族ぐるみで優しく迎い入れ、終戦直前に花巻も空襲にあったのに、高村さんの命と賢治の原稿を必死に守り、戦後、皆が生きるのも辛いのに、高村さんの独居を手伝った賢治の父政次郎さんや弟の清六さんをはじめとする花巻のヒトビトが、Ⅿさんの出来事を星空で聞いたらなんと答えるのだろうな。


青葉山2020、4月17日、午後の光を受けて

ナガハシスミレ(長嘴菫)

 

 

カタクリとナガハシスミレ

 

ウグイスカグラ(鶯神楽)

 

 

 

 


 

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また会おうね・・・・ いつ会えるの?

2020-04-17 10:31:33 | 日記

俳優の火野正平さんが、三重県から北海道までの行程を自転車に乗って、視聴者から届けられた「私のもう一度行ってみたい場所」を旅するNHKBSプレミアムの人気番組「こころ旅・2020春の旅」は、この3月末に三重県をスタートし、3週目となった静岡県の旅の4日目に入ったが、今朝の朝版放送が終了した時点で、駒村多恵アナから突然中止のアナウンスがあった。

この番組は、放送2週間前にロケが行われていると思われ、本来なら、今週は、神奈川県は終わっていて、次の千葉県の収録予定であったはずであるが、両県は4月8日に緊急事態宣言が発出され「不要不急の外出」の自粛が強く要請されているので、さすが公共放送としては、すでに録画が終わっていたとしても、来週以降の放映が憚られただろう。

ただ、この番組は家に閉じこもりがちなオジー・オバーを元気にさせてくれ、今年は、とくに家族みんなが家にいてストレスが高じていることから、何とか(NHKさんは無理をしてでも)季節を届けながら視聴者を楽しませてくれるのではないかな、場合によっては、神奈川、千葉をスキップして茨城県からの放映もあるかなと継続放送を期待していたのだが、昨日全県に緊急事態宣言が拡大されたことにより、そのような希望的観測はついえた。やはり、無理だったか。

NHKBSプレミアムは、もう一本元気にさせてくれるアウトドア番組「グレートトラバース3」があってプロアドベンチャーレーサー田中陽希さんが、2018年1月から日本300名山全山踏破を続けていたもので、いろいろなアクシデントや季節的ハンディをしのいで、この3月30日にやっと、わが宮城県の船形山と泉ヶ岳に登頂し、ようやく258座目(予定301座なので、あと43座)を終えたところだったのだがが、4月3日に、ややあいまいな表現ではあるが中止のアナウンスが出ている。

「グレートトラバース3」は、ふた月に1回ぐらいの不定期放送だったが、「こころ旅」とともに、応援していた番組だったので、残念だ。いずれにせよ、スタッフも含め、火野さんも、田中さんも元気印のお体あっての番組。中断はやむを得ない。

「また会おうね!」と火野さんのイラスト。ヘビースモーカゆえに、「ご自愛を!」

火野さん、田中さん、さて「いつ会えるの?」かな。

この国で一番えらい安倍さんは、「最低でも7割、極力8割自粛で、GW明けには何とかなる」と、

アメリカの研究者は、「収束は、2022年」と、いう。

 

グレートトラバース3

 

こころ旅2020

 

 


青葉山のふもとで春を探し続ける日々。ついに、野草園も閉じられた。

 

金色に輝く若葉発見

カツラの若葉か

 

ムラサキケマン

 

ムラサキ科の仲間か

 

タチツボスミレ

 

タチツボスミレ

清水のほとりには、ユキノシタの若葉が

 

 

 

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Amazonマスク問題

2020-04-16 11:12:37 | 日記

アマゾンで注文した中国企業出品だと思われるマスクは、とうとう延長指定日の昨日になっても届かず、配送状況をクリックしたら「配送状況が確認できません」と無責任なメッセージが寄せられており、配送業者も中国語表示の訳の分からない業者名になっていて、追跡もできず、「やられたな」と内心思っている。

たかが3000円だからあきらめようなんて決して思わない。超一流の無国籍企業Amazon社には責任ある対応を求めていきたいが、いまはまだ、その注文者に48時間以内の回答待ちをしているので、回答の有無によっては、しかるべき声を上げたい。

オイラのような状況の注文者は相当いるものと思われるが、このご時世に、ヒトの弱みに付け込んで、無辜の庶民を食い物にしているとしたら、断罪されるべきである。

一昨日は、全国系のスーパーに買い物に行ったが、マスクを着けていないヤカラは、オイラと若者一人ぐらいで、なにか罪を犯しているような気持ちになった。地方都市でも、すでにこのような状況であり、もうすぐマスク不着用者は入場制限となるのかもしれない。

皆、どこから買い求めているのかと思ってしまうが、オイラ以外のみんなが問題発覚前に買い占めていたのかと疑心暗鬼になり、人間不信にも落ちいり、ますます引きこもりたくもなるので、たかがマスクといえども精神衛生上にとっても社会問題である。

オイラの部屋には天日干しした1度だけ使用済の使い捨てマスクが、洗濯ばさみに哀れにも吊らされている。「アベノマスク」が届くまで、ヒトとの接触危険場所には、その1枚を繰り返し使用して接近していくしかないのか。

(Amazonや中国企業は政権とつながっていて、政権は「アベノマスク」のありがたみを国民にしみじみと享受させる時を、伺っているのかもしれない。)

 

隣の庭に中国渡来のガビチョウ(画眉鳥)さんが、けたたましく囀っております。中国企業の勝鬨(かちどき)にも聞こえます。

 

 

(追記)

先ほど、出品者らしい宛先からメールが入り、「税関で止まっているので、今月いっぱい待ってくれ」みたいな趣旨の内容。もう送っているとのことのようだが、疑い半分で4月末までっ待ってみたい。

 

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