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かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

旅立ちが近い者たち

2022-02-23 14:34:27 | 日記

日曜日に広瀬橋周辺を歩いたら、観察を続けてきたオオハクチョウの家族たちの数が三分の一程度に減っていた。予報では、また寒波がやってくるというのに、どのような体内時計の知らせなのか、一家族、一家族と北へ、北へ、彼らの生まれ故郷を目指して北帰行の旅を始めたようだ。まあ、一度に何千キロというのではなく、いまごろ青森や北海道の凍らない湖沼あたりで、一休みしているかもしれないが、少しづつ故郷との間合いを狭めているのだろう。

     

きのうは、もう少し上流で、カワアイサのカップルやキンクロハジロ君の♂が冷たい川面で羽を広げて水浴びをしたり、アイサたちは水中を覗いて獲物を見つけたら潜るようであり、かたやキンクロのほうは潜ってから獲物を探すようであり、狩りの手法はお互いに異なるものの、別種と言えども縄張りや食べ物を巡って諍いをおこさず、なかよく水に浮いている。

かれらも、ハクチョウたちより遅いが、川ヤナギがすっかり緑色になるころには北の繁殖地への旅立ちを始めるだろう。冬鳥のカモの仲間は、越冬地でパートナーを見つけてから旅立つのだというが、今の時期、カップルで泳ぐもの、今日出会ったキンクロ君のようにひとりぼっちで泳ぐものが観察できる。

   

       頭のふさふさが愛らしいカワアイサ♀さん

   

      可愛すぎるキンクロハジロの♂さんの後ろ髪(冠羽)

疑問なのは、皆どのようにして旅をするのだろう、もう婚姻成立同士ならばできるだけ隊列を組んで飛んだ方がリスクが少ないのだろうが、春になってもひとりぼっちのものは、その隊列に参加できるのだろうか。興味は尽きないが、皆無事に生まれ故郷に帰ってくれることを願ってやまない。

地上では、これも冬鳥のツグミさんがぴょんぴょん跳ねながら枯草をひっくり返しながら落ちた実や虫を探しているよであった。雌雄同色であるというツグミさんは、いつもひとりぼっち。パートナーは、帰ってから見つけるのか。そういえば、「ツグミ」という名前の由来は、冬の間鳴き声を発しない「口をつぐむ」にあるのだとも教えられている。さえずらないのであれば、相手もやってこないだろう。冬の間は、みな単独行動というライフスタイルの鳥たちなのか。でも、みなひとりぼっちで空を飛ぶとは思えない。単独行のそれぞれのひとりぼっちが、いつどのように集合して旅立つのか謎である。

   

広瀬川の河原上の低い空を、数十羽になるかと思われる小鳥がちいさな声を発しながら風に舞っていた。立ち枯れた草や、家の樹に舞い降りたのをカメラで確認したら「カワラヒワ」の一団だと確認できた。よく河原などで数羽のグループを見かけるが、越冬期は、このような群れになるのだという。彼らは、留鳥とされるが、あるいは漂鳥として雪国からやって来たグループなのかもしれない。

   

   

   

           頭の灰色なのが♀なのだという

カワラヒワ、マヒワ、アトリなど、オイラはアトリ科の小鳥たちを愛してやまない。ずんぐりした体に短いくちばしの愛くるしさがたまらない。彼らの中の多くが木や草の実だけを食するベジタリアンなのだというが、カワラヒワたちにとって、セイタカアワダチソウなどの枯草に残された実が冬でもたくさん残っている河原は絶好の餌場なのだろうか。それにしても、丸々と太って人間界ならば「メタボ」と診断されそうだが、冷たい冬を乗り切るための厚着なのだろう。

漂鳥であるならば奥山や雪国へと彼らの小さな旅だちも近いのだろう。雪が消えれば、森は彼らの好物となる花や種子を次々と提供してくれることだろう。

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