ちょつと蚊に刺されるのはかゆいけど、オイラは季節の中で夏が一番好きなのかもしれない。
7月の声をきくと、きまってあの空のどこからか聞こえてくる「耳鳴り」のようなニイニイの控えめな宴に耳を傾け始めるのあるが、富士山で雨に打たれたり、二回目ワクチンのけだるい副反応に悩まされている間に、2021年の7月も、半ばを過ぎてしまった。
そのニイニイの初鳴きは、おとついの火曜日に聞いていたのだが、きのうの水曜日の午後、野草園に行ってケヤキの大木の下でしばらく聞き耳を立ててて、この夏に生まれたニイニイの声をたしかに確認した。このセミの姿を探すのは難しいので、ただただケヤキを仰いで楽しんだ。
この日、ミンミンとアブラの声も確認した。いよいよセミたちの短い季節がはじまったと表現したいが、セミの命ほど「生命の循環」というものを直観させてくれるものはないので、短いという表現はやめてみよう。このケヤキの下には、次の季節、また次の季節、そしてまた次の季節・・に地上に現れるセミたちが静かに樹液をなめているのだろうから。
ニイニイに次いで、ミンミンとアブラを聴いたとなれば、待ち遠しいのは少し日が暮れ始めると鳴き始めるカナカナ。朝のほんのりと明るくなりだした時分にも遠くで鳴いているのを耳にして目覚めるのも、なかなかいい。
きのうの夕方どこかで鳴いていたような気がしたが、空耳かもしれない。この二三日、朝な夕な、耳を清ましていよう。
セミの声を一緒に聴いていた夏の花たち
ズイコウレン(長徳寺境内)
キキョウ
カワラナデシコ
ネジバナ
ノカンゾウ
ヤマユリ
コオニユリ