といっても、ほんの数キロ先のことだが、昨日は、隣県の山形県にあるJR仙山線「面白山高原駅」に降りて、面白山周囲を歩いてきた。県をまたぐのは、2月末に仙台・大阪間の飛行機に乗った時以来だからミツキを越えている。宮城から進むと「面白山高原駅」には、全長5361㎞、通過時間約4分の長い面白山トンネル(正式には仙山トンネル)を通過するが、この3か月はそのように長くも暗いトンネルだった。
人生にとっては、3か月なんてほんの一瞬だが、高齢者にとっては3か月/余命であって大事な時間なのである。自粛のせいにするのは簡単だが、天性の自堕落な性格があいまって、食べすぎアンド飲みすぎプラス運動不足による体重増アンド足腰の萎えプラス内臓不調により、日帰り荷物なのに、北面白山登頂を途中であきらめ、始発到着の午前7時から午後3時まで、約8時間「自然観察」に徹底した歩きとなった。あるいは、山形市が最高気温32度を超えたというから、山中も相当に暑かったので、体が暑さに少し参ったのかもしれない。それにしても、こんなにバテる足腰ではなかったので、何かしら異変を感じる。来月、3年ぶりに「生活習慣病健診」を予約しているが、あるいは、「ひっかかるのではないか。?」と心配。
帰り際、20~60年に1回咲くといわれるササの花を見かけた。見た者は、「不吉のお知らせ」と言い伝えもある。単なる迷信であることを信じたい。
蔵王北麓の面白山は、もう「エゾハルゼミ」の大合唱。沢音も、夏鳥たちの声も、クマが近づく気配も、あらゆるその他の環境音をかき消すほどのすざましいデシベル。
このセミの大合唱を騒音と感じるか、快音と感じるか、そのヒトの生きてきた環境と感性の個体差なのだろうが、オイラは、全く気にならず、むしろ1年にひと時の初夏の風物詩として喜びをもって受け入れるのだし、しばらくこの音響の森に留まると、天台や真言の祈りのこだまである声明(しょうみょう)やカトリック僧のグレゴリア聖歌の鳴り響く回廊を巡るかのような、不思議な静寂が得られる。
もちろん蝉の合唱といえば7月後半の「ヒグラシ」がオイラにとっては最良の環境音なのだが、この「エゾハルゼミ」の季節の森も好んで歩きたい。あと何年・・・・(不吉?)
梅雨入り前だ。晴れる日は何日もつか、来週は、山形の蔵王古道をあるこうぜ。
山道で出会った仲間たち
ユキノシタ科 ツルアジサイ(ゴトウヅル)
アジサイの仲間でツル性の木だ。ブナの若木に巻いていたが、フジのように剛直ではないので、ブナも苦痛ではあるまい。
アブラナ科コンロンソウ属 ヒロハノコンロンソウ
広葉崑崙草と書く。八重山のコンロンカといい、崑崙(古代中国の伝説上の山岳地帯)という言葉をなぜ選んだのだろう。あとで調べてみたい。
ユリ科ユキザサ属 ユキザサ
ブナの森の薄暗い森は、白くて小さな花が多い。 しっかり目を凝らしてみると、なんと控えめだが美しい花が多いことか。ルーペとマクロレンズでしっかり鑑賞したい。雪の結晶のような花。
リンドウ科リンドウ属 フデリンドウ
ボケてしまったが、透けるような青色の美しい花。リンドウ属は、どれも好きです。
キク科アザミ属 オニアザミのつぼみだろうか
アザミの世界は広い。棘と濃い紫が「夜の女」のようであやしい。トゲがあるほど近づきたくもなる。
スイカズラ科 ガマズミ
緑の実、赤い実になるまで追ってみよう。
カエデ科 ヤマモミジ
青葉も美しい。
ツツジ科 ウラジロヨウラク
風に揺れて、なかなかピントが合わない可愛らしい花。
ここから、シソ科ラショウモンカズラ 三枚
漢字で羅生門葛。今日の羅生門で腕を切られた鬼女の切られた袖の形?今どきの者にはさっぱりわからず。
ユリ科 カタクリの実
硬い鞘。どうやって弾けるか。
ラン科コケイラン属 コケイラン(ササエビネ)
インターネット検索サイト「はなせんせ」で教えられた初めて出会ったラン。花に赤い斑点があるのが普通だそうだ。
スイカズラ科 ツクバネウツギ
花の落ちた衝羽根のようながく片を花と見誤ってしまった。
アカネ科 クルマムグラ
クルマバソウという花と同定するのがむずかしいな。地下茎の長短で判別するそうだが。
ナデシコ科ハコベ属 サワハコベ
これもマクロで撮りたい美しいマイクロフラワー
ユキノシタ科 ヤグルマソウ
葉っぱの仰々しさと異なり小さな美しい花が房状に伸びています。