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かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

守りの神々総動員

2020-03-30 10:02:08 | 日記

2020年2月26日、ひさびさに奈良公園を歩く。あの、自粛アナウンスが全国に届けられた日。その夜のみゆきさんコンサートは、何とか開催したが、翌日から大方のコンサートや国立公共施設などが休演、休館となった。

近鉄奈良駅からの緩やかな坂道を登り、外国人が目立って少なくなった東大寺の参道から、若草が萌え始めた大仏殿横の小道を進み、戒壇院の四天王様たちにお会いしに行く。四天王のなかでも、会津八一先生が、奈良の人が自分の目つきに似ていると噂していると云っていた広目天様としばし対座し、おおいに戒められる。四天王様たちは、それぞれ東西南北に安置され、厳しいお顔とポーズで外敵に睨みを利かせる国境警備の戦士たちだ。身に着けている甲冑は中央アジアの様式。いずれの天王様も邪鬼を踏んずけて、夷荻(いてき)の闖入から仏国土を衛らんとしている。

〇 びるばくしゃ まゆね よせたる まなざし を まなこ に み つつ あきの の を ゆく 

(会津八一) *びるばくしゃ=広目天の梵語(毘楼博叉)   

                                

       

戒壇院をでて、日本建築の粋美だと思っている正倉院と対座し、二月堂、三月堂(法華堂)の丘に登る。三月堂に入るのは初めてだが、こちらに元々おわした日光・月光菩薩様は東大寺ミュージアムにお引越しされているので、すこしさみしいが、きびしい眼差しで世界中を監視し、邪鬼に攫われようとする衆生を羂索(投げ縄)でもって絡めて救ってくれる不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)様に長く対座し、合掌。

この観音様をお守りいただく四天王様たち、梵天、帝釈天様たち、それと金剛力士様たちにも国土の防衛をよろしくお願いします、と合掌。

        

        

奈良公園の一角にある奈良国立博物館には、これまで三、四回は通っているが、ちょうど「毘沙門天」(四天王のうち北方鎮護の任務にあたる多聞天)の特別企画をやっていたので入館し、勇猛果敢な神様たちに、目に見えない外敵へ抜かりのない自衛力を発揮していただくように祈る。

毘沙門天で最も好きな京都東寺の兜跋(とばつ)毘沙門天様が展示されていたので、再会を喜び、その爛々とした眼差しと色気にたじろぎつつ手を合わせる。(この神様は、女性戦士であることを疑わない。)             

東寺宝物館HP

ナラコクも、翌日からさっさと休館となり、毘沙門展企画展示もあの日で終わりとなった。なにものかが、オイラを引き寄せたと信じながら、鎮護の神々に、いまや世界中を席捲するナノミクロンの夷荻たちを、一刻も早く追い払っていただくよう念じ続けていよう。


日曜の午後、冷たい雨が小止みになったので、最終回となったNHKFM「きらクラ!」をイヤホンしながら2時間のお花見に出かける。仙台は、平年より2週間早く咲いたのだという。まだ片平キャンパスは咲き始めだが、気の早いモクレンやレンギョウも彩りを見せていた。

コンビニで紙パックのお酒を仕入れ、ポケットに忍ばせながら、ヒトの目に触れぬようにストローしながら花を映した。8年間の「きらクラ!」もいよいよ終わりの時を迎え、なつかしくも美しい小品を、行く春を惜しむように聴いた。

花見酒のせいで、より目がしらが熱くなった。

きらクラ!ありがとう

〇 さまざまの事思ひ出す桜かな (芭蕉)

政宗山瑞鳳寺のサンシュユ(山茱萸)

桜5葉 片平キャンパス

レンギョウ(連翹)片平キャンパス

モクレン(木蓮)片平キャンパス

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