算太郎日記

日々の日記を綴ります

山田洋次監督

2023年02月16日 | 日記
先日偶然つけたTVで、山田洋次監督のインタビュー番組をやっていた。聞き手はNHKアナウンサー小野文恵さん。

終戦直後、中学生の山田少年は、一家を支えるために、サメの肉で作ったアンモニア臭いちくわを売り歩いていたそうだ。当時は食べることに精一杯で生きることに厳しい日々だったようだ。

ある日、ちくわが売れなくて困っていたら、おでん屋のおばさんに、「明日から売れ残ったらいつでもおいで、おばさんが引き取ってあげるよ」と声をかけられた。嬉しくて涙が止まらなかった山田少年は思ったそうだ。「ああ、生きていてよかった。生きていくのはそんなに悪いことじゃない。」と。そして想いが溢れるように語る山田監督。「そのおばさんの暖かい行為を今でもまざまざと覚えている。僕はそういうところからのがれようがない。そういところからものづくりをしているところがある。それが僕にとって限界かもしれないが・・・。しょうがないそれが僕なんだから。」

インタビューを聞きながら、切なくなった。限界という言葉を何回も使って自分の映画作りを表現した山田監督。そこにはクリエイターとしての葛藤・苦悩を感じる。しかし、監督自身も言っているように、それが山田洋次だと思う。それでいいと思う。根っこにある思いをこれからも大切にしながら一本でも多くの映画を撮って欲しい。そんな思いにさせられた番組だった。

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