映画を二本観た。
一日に続けて二本の映画を観るなど、いつ以来だろうか。若い頃はそういうこともあったような気がするが。それが、いつだったのかはまるで思い出せない。どんな作品だったかもだ。
仕事に追われている時期は、映画一本を観る時間を作るのも容易ではなかった。物理的な時間の確保に困難を要するということ以上に、精神的に映画を楽しむ余裕が無かった。仕事をはじめ、やらなければならないことに追われていた。今振り返ると、本当にその時にやらなければならなかったのかと疑問に思うことも多々あるのだが。時間に追われる日々というのは、そんなふうに立ち止まって考えることを許さないのだ。
今日一日は、二本の映画を観るために使おうと決めていた。そんな時間の使い方ができる今の暮らしが嬉しい。映画は二本とも邦画。そして二本とも、映画に魅了された人々が地方の映画館を舞台に、傷ついた人生と映画館の再生を果たそうとする物語。
観終わった今、ゆっくりと作品と向き合いながら、語るべき言葉を探している。こんな時間も楽しいものだ。