算太郎日記

日々の日記を綴ります

父が旅立ちました

2022年12月31日 | 日記
久しぶりに投稿します。

何度かブログにも書いた父が、先日、小雪の舞い散る寒い夜に旅立ちました。93歳でした。

一ヶ月程病院に入院していました。病院からは、心臓が弱っている。もう、病院で治療できることは無いと言われていました。
コロナ禍で面会が制限されてはいましたが、毎日仕事の後に面会に駆けつけました。短い時間で人数の制限もあったのですが、毎日面会を許可していただきました。個室で一人で面会することが多かったので、周りに遠慮することなく父に声かけをすることができました。父も酸素マスク越しに喋ろうとするのでが、なかなか言葉にならず、お互いにもどかしい思いもしました。

12月は父の誕生日。誕生日に面会に行き、「今日は何の日か分かる?」と聞くと、照れたような笑みを浮かべながらコックリと頷く父。「分かるんだ!」と私は嬉しくなり、「93歳になったね、おめでとう。」と声をかけました。痩せ細った父の手にそっと手を置くと、弱々しい力でゆっくりと握り返してくれました。父の手の温もりが、私の手から胸へとじんわりと広がっていくのを感じました。祝い事とは無縁な狭く殺風景な病室で、二人で過ごした誕生日は、月の明かりが綺麗な師走の夜でした。その5日後に父は93年の生涯を静かに閉じました。

家族のために働き通しだった父。最後まで自分らしく生きようとした父。どうぞ安らかに眠ってください。