算太郎日記

日々の日記を綴ります

再入院

2022年04月30日 | 日記
久しぶりの日記になってしまった。

前回、父の退院のことを書いているが、実は再度入院ということになってしまった。
わずか1ヶ月程の我が家への滞在であった。

退院間際に痛めた腰の状態が芳しくなく、再入院する直前は、一日中腰の痛みを訴えていた。

介護ベッドを用意し、訪問診療に訪問介護、デイサービス等、ケアマネさんと相談しながら、できる限りの介護体制を整えたつもりだった。
しかし、家族が仕事に出かけ、デイサービスの迎えが来るわずかの間に転倒し、手押し車の下敷きになって立ち上がれないでいたことがあった。幸い、大きなけがには至らなかったが、いつまた転倒するかもしれないと思うと不安で仕方がなかった。また、夜中に腰の痛みを訴え何度も起こされた。そんな日々が続くと、私も穏やかな気もちで父と向き合うのが難しくなった。父の些細な言動に、私の感情は波打つのだった。

ベッドに腰かけて、体を丸め頭を両手で抱え込んでいる父の姿を見て、「もう、家での介護は無理だな。」と思った。
そして、父に言った。「もう一度入院して、病院で診てもらおうか。」と。
父は力なく頷きながら、自分もそう思っていたと言った。

ケアマネさんや病院にバタバタと連絡を取り、何とかスムーズに入院することができた。

医者と現在の状況と今後のことをやり取りする中で、退院できたとしても、もう自宅で一緒に暮らすのは無理かなと考えていた。いや、本当は医者と話す以前に自分の中でそう決めていた。それでいいのだということを、誰かに後押しして欲しかった。

入院する前日、夕食を取る父を見ながら、これが、一緒に食事をする最後かもしれないと思うと、熱いものが胸に広がった。


父が退院した

2022年04月02日 | 日記
父が退院した。

退院直前に荷物の整理を張り切りすぎて腰を痛めたと病院から連絡があり、「今になって何てことを!」とショックを受けた。
しかし、退院の予定を変更するほどではなさそうだというので、予定通りに退院の運びとなった。

病院玄関から片手で杖をつき、片方の肩を看護師に抱きかかえられるようにして出てくる父の姿を見て、「退院して本当に大丈夫だろうか。」と不安が込上げてきた。
車に乗った父は、そんな私の不安をよそに、半年ぶりに見る外の世界に目を見張り、入院生活のあれこれを語り始めた。

すると突然、話を中断し、「桜が咲いとる・・・・。」と、満開になった桜を眩しそうに見つめ始めた。

その横顔を見て、「父は、来年この桜をまた見られるかな」とふと思った。
そう思うと、とりあえず、退院できたことを良しとしようと思い直し、桜並木に囲まれた坂道をゆっくりゆっくりと車を走らせた。