’’白鳳の貴公子’’に会いに、上野の東京藝術大学大学美術館で
開かれている「国宝 興福寺仏頭展」に行って来ました。
破損仏でありながら異例の国宝指定を受けている「仏頭」は、
微笑んでいるようで威厳がある凛とした表情から「白鳳の貴公子」
と呼ばれている。
伸び伸びと弧を描きながら流れる眉、水平に伸びる下まぶたと、
それをおおうように弧を描く上まぶた、額から直線的に伸びる鼻、
ふっくらとした唇、顎の張ったたくましい面相は、青年のような若々
しさ、すがすがしさを感じさせてくれます。
このほかに、木造十二神将立像、板彫十二神将像、法相宗関連の
絵画や書籍等の国宝25点が展示されている。
画像 仏頭と美術館横の風景と紅葉
鎌倉国宝館で「没後750年記念特別展 北条時頼とその時代」展覧会
が開催されています。北条時頼は鎌倉幕府第5代執権として活躍した
鎌倉を代表する武士です。強烈なリーダーシップのもとに政治を主導し、
三浦氏を滅ぼすなど専制を確立しました。
また社寺の保護にも篤く、とくに禅宗に関心を寄せ、中国の高僧・
蘭渓道隆を招いて日本最初の禅宗専門道場・建長寺を創建しました。
建長寺の伝世品を中心に、時頼の生きた時代の歴史資料やゆかりの
名宝が一堂に展示されています。
法然上人絵伝(知恩院)・徒然草絵巻(金沢文庫)・蘭溪道隆墨蹟 法語
規則(建長寺)・文殊菩薩坐像(常楽寺)等 拝観してきました。
画像左から 鎌倉国宝館、法然上人絵伝 、文殊菩薩坐像
東京都美術館のリニューアルオープン記念として「マウリッツハイス
美術館展」が開催されている。やはりなんといっても話題の
フェルメールの、あの『真珠の耳飾りの少女』に注目。
会場はものすごい人、10時着ですでに20分待ち、会場に入って
「真珠・・・」を見るのにさらに15分待ち。その他の会場は
それほど混雑していない。
フェルメールがよく使う青い色は、当時純金と同じほど高価だった
ラビスラズリを原料とするウルトラマリンで、これを惜しげもなく使
ったという、いわゆるフェルメール・ブルーです。このターバンの色
も鮮やかな見事な青です。
また、少女の耳飾りが左から差し込む光を反射して輝いているのが
印象的でした。わずか4、5秒の対面でしたが、いつまでも、少女は
肩腰に親密なまなざしを投げかけていた。
心に残る名画の一つになりました。
画像 左 : 東京都美術館 右 : 真珠の耳飾りの少女
神奈川県立金沢文庫にて解脱上人貞慶(じょうけい)という鎌倉時代
はじめに南都で活躍したお坊さんだけに焦点を当てた展覧会が開催
されている。貞慶の八百年遠忌にあわせた展覧会です。
貞慶は、今、放映されているNHK大河ドラマ「平清盛」で後白河法皇
の後見人として活躍しているあの信西の孫にあたる人です。
今回の展覧会で貞慶上人についておぼろげに知ることが出来ましたが、
目的はもう一つ、東大寺の阿弥陀如来立像です。
解説によると、俊乗房重源の臨終仏と伝えられている端麗な阿弥陀像。
建に二年(1202)に造立が始まり、翌年像に舎利や経巻が納められた。
重源が私財を投じて快慶が制作、貞慶は開眼時に供養導師を務めた
とある。快慶の美しい仏像を間近で拝観でき心豊かになりました。
もう一体、十一面観音坐像(現光寺)です。座った姿が非常に珍しく知的で
涼やかな目をしておられ天平彫刻をほうふつとさせる健康美あふれる
上半身と伸びやかな脚部が目を引く仏像です。
その他多くの貞慶に関する、南都ゆかりの名宝を十分堪能しました。