築地 老舗鰹節屋がざっくり語ります

築地で鰹節屋を営み70余年、現在三代目。築地ネタ、料理ネタ、ざっくり語ります。
店舗:中央区築地6-26-8 尾林商店

貴重なお話を伺いました

2011-02-21 12:20:24 | 日記
先日、なんともいえない
緊張感を持った男性が
ひょっこり店に入ってきて
うちの特上鰹節粉を
購入されました。

試飲だしスープを
召し上がっていただく間
店頭の創業当時の写真の話から
その方は昭和9年生まれで
戦争を体験した、という
話になりました。

小学校4年の時
遠い親戚の家に
疎開したけれど
自分は初めて会うくらい
遠い親戚の家に
たった一人預けられ、
東京から来たということで
小学校ではいじめられ、
とても辛かったそうです。
でもここで負けるもんか!と
とにかく勉強を頑張って
いつも一番でいたら
いつの間にか誰も
自分のことをいじめなくなり、
また、親戚の人達も
最初はちょっと「邪魔者」みたいな
扱いだったのが、
「おたくの○○クンはすごいわね!
 さすがは○○さんの所の子ね!!」って
近所の人達が褒めてくれるからか、
扱いも変わったんだとか。

でも本当に辛くて辛くて
毎日布団の中で一人泣いていた
そうです。
辛いという気持ちを聞いてくれる
人もいないから
とにかく一人布団の中で
泣くしかなかった。
そして、ここでくじけたら
ダメだって言い聞かせるしか
なかった・・。

小学校4年の子供が
こんな経験をしたなんて・・・

大人だって愚痴をこぼしたり
話をきいてもらわずには
いられなかったり
時には八つ当たりだって
するというのに
ましてや10歳くらいの
男の子ですよ、
本当はお母さんの胸で
甘えたかったことと
思います。
そしてお母さんだって
辛かったに違いないでしょう。

ただ、その方は
そのときの辛い経験があるから
その後の人生で
とにかく諦めないという
根性を身に着けることが
できた、とおっしゃっていました。
そう話しているときの表情が
とてもすがすがしくて
印象的でした。

いやぁ、まるで
「ほたるの墓」みたい。。

戦争はこのように
一般の人々を容赦なく
巻き込んでいくのですね・・・
絶対起こしてはならないですね。
そう思いました。

でもあのお客様、
ボルサリーノの似合う
不思議な緊張感を漂わせた
シブい方でしたね。

またお待ちしてます。

店頭にいると本当に
色々な方々と
色々なお話ができます。

ありがたいことです。

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4 コメント

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昔ではない話 (やきもの)
2011-02-23 13:33:29
国税庁で確定申告の間限定のアルバイトをしています。


ここでも随分戦争の話を聞きます。現在の税にも、いまだに戦争が影響していることに驚かされます。でも、税に関係ない話の方が多いのよ。お話聞きます係も兼ねてます。
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そうなんだ!? (アキコ)
2011-02-23 19:56:52
現在の税も戦争が影響してるなんて知らなかった。 お話聞きます係は大切よね(^_-) きっとやきものさんに話きいてもらって癒されたり寂しさを消すことができたりした方々が沢山いることと思うわ! 聞くのが大変なケースもあるかもしれないけど…頑張って!でもさ、色々な話を聞けるのって楽しくない?兄も言ってるけど店頭販売始めて色々な人達と知り合えて本当に良かった。ぜひ、築地に遊びに来てね!待ってます☆
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たとえば… (やきもの)
2011-02-27 17:48:35
控除の部分では、原爆手帳や戦傷病者手帳についての記載があります。かなり少なくなってきているようですが、軍人恩給なんて言葉もちらほらと見かけます。


しかし、世の中いろいろな人がいるねぇ。私の理想は、年金の確定申告に夫婦揃って出かけることですね。ご夫婦一緒に来る方は、奥さんがしっかり理解されているケースが多いです。
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軍人恩給は (アキコ)
2011-03-02 19:54:18
聞いたことがあるな。 でもかなりご年配でしょ? いつかご夫婦仲良く申請か うちは間違いなく私がわかってない(主人がしっかり者)パターン…。
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