築地 老舗鰹節屋がざっくり語ります

築地で鰹節屋を営み70余年、現在三代目。築地ネタ、料理ネタ、ざっくり語ります。
店舗:中央区築地6-26-8 尾林商店

嬉しいご来訪

2014-08-31 17:29:54 | 日記
7月の終わりでしたでしょうか?
以前にも当店の削りが
8安倍昭恵さんの本の中の
「お取り寄せ」に掲載されたことは
書きましたが、
その本をご覧になってご注文の電話を
くださった方がいらっしゃいました。

いろんな鰹節を試してみたけれど
なかなかいいものに巡り合えず、
昭恵さんの本に載っているなら・・と
お電話をくださったとおっしゃいました。

丁度現場のバイト君が新しい子に
変わり、私自身も更に試行錯誤している
時だったので
ちょっと緊張しました。
もちろん、良い品を皆様にお届けするべく
気を配っているつもりです。
他店に負けないという自信と意地も
あります。
ただ、その時はまだカンナの刃合わせも
自分だけでは出来ず、
結局現場の子が合わせている時に横から
「もう少し薄く」
「もう少ししっとり」と
言うことしかできずどこか
人任せというか、結局私の力では
ないじゃないかという
葛藤があった時期。

丁度刃を替える時期に入っていたので
出来たら新しい刃になってからが
良いなと思っていると
「急がないので貴方が一番良い状態だと
思う時の削りを!」とおっしゃいました。

ここまで私自身に対して
期待され、信頼されたこと
あったかな??
そう思いました。
嬉しいけれど果たして私は
応えられるのか?

そしてその時、
絶対自分で刃合わせも
出来るようになって
自分で100%納得いく品を
作り出してみせる!
そう決心したんです。

その時はバイトのH君が
刃合わせする時に立ち会って
状態を決めました。
そして発送。
到着するとすぐに
「今届きました。これから
いただきます。」と
わざわざご連絡をくださいました。

さて、お口にあったでしょうか??
評価の程は・・・

その後とても気になって気になって
はやく刃合わせを上手に
出来るようになりたいと
思ってきました。

そして2回、
自分だけで刃合わせを
する時間が持てました。
二回目は前回の半分の時間で
出来るようになりました。
でも、手順のコツがマスター
出来るようになると今度は
理想が高くなってきます。
本当に尽きることがない
職人の世界。

そんな気持ちに
突き動かしてくださった
Hさんにいつか
今までの尾林で最高の出来!
というような削りが
出来たら是非とも味わって
いただきたいと思って
いつも心のどこかで
気にしていたら・・

なんとなんと今週
当店にいらっしゃったんです!

以心伝心?

前回のお電話の時も
初めてとは思えないくらい
話が合い、結構長電話に
なってしまったのですが
今回も店頭でお話しながら
時間が許されるなら
このままお茶でもしに
行きたい位でした。
多分、お互い置かれた
状況がすごく似ているから
だと思います。

そして本枯れ節は
本当に別格、別物であると
感動して下さり
今回も本枯れを買って
いかれました。

年末年始と従業員が
総入れ替わりし、
どうなることかと
綱渡り的な日々でしたが
有難いことに
なんとか継続することが
出来、何となく
大丈夫だ~と胡坐を
かいてしまっていた
ような気がします。
今回のお客様とのやりとりは
そんな私に
「まだまだ何やってんの!」と
背中をたたいてくれたような
気がします。

うちのお客様は
みな私たちに期待し、信頼して
いらっしゃいます。
そのことを肝に命じ
毎日緊張感をもって
運営していきたいと
思います。

なんだか今回は
上手くまとめられない内容に
なってしまいました。
伝えたいことが多すぎるのも
こまりますねぇ!
私としては嬉しい悲鳴ですが。






出来た~!

2014-08-13 22:37:06 | 日記
今日はお得意先もお盆休みに入り
店の作業も午前中に一段落。
そろそろ機械のカンナの刃を
替える時期なのですが
時間もたっぷりあることだし
今日は私が最初から最後まで
一人でやらせてもらうことに
しました。
現場担当H君はとても
優しいので
「もし時間いっぱいやって中途半端
だとしても明日調整しますから
存分にどうぞ~」と有難い
お言葉と彼の編み出した
上手いやり方を教えてもらい
いざ!!

前回は2枚替えるのに2時間かかって
しまいましたが
じっくり向き合うことで
14枚の刃を替えるのに
3時間で終了。
初めて自分でセットした
刃で削った削り。
嬉しくて持って帰ろうと
外に出ると何かとお世話になっている
近所のおかあさんに会いました。
5月にご主人が亡くなったので
記念すべき削りを少し
おすそ分けし、仏前に
お供えしていただくことに
しました。

私の大好きな薄くて
ふわっふわの削りを
作り出すことが出来
今日はご機嫌ですが
この感覚を忘れずに
更に短時間で(1時間くらい)
替えられるように
したいと思います。

今日のビールはいつも以上に
美味しかったのは
言うまでもありません。


日焼け厳禁!

2014-08-06 14:04:25 | 日記
毎日焦げそうに暑い日が続きますね。

お客様、すれ違うみんな、とにかく
「暑いね~」が挨拶がわりになっています。

先日、いつも現金支払いでいらっしゃるお客様とも
暑いですね~と言ってみたものの、
長袖を着ているではないですか!?
バイクだから万が一に備えて肌を出さないように
しているのかな、と思って
ちょっと長袖のことを
突っ込んでみたら・・・・
まったく予想していない答えが!

「いやね、料理人は日焼けるすなって親父から
 言われてきたからね」と。

「???」

「焼けて黒々した腕で料理だしたら不味く見えるから
 日焼けはするなってね」

ほほぅ。
確かにお寿司屋さんなんか行って
カウンターから伸びる腕は白かったような
記憶が・・・
腕までも料理の美味しさに関わってくるなんて!
でも白い腕から出されるお料理って
繊細さを増して美しいし
ちょっと色気さえ感じますね。
歌舞伎の色男もみんな白塗りだし☆


ちなみにその方の腕は私より
白くてキレイ。
私もその日以来、日焼け止めを
忘れずに使用するようになったことは
いうまでもありません。。。