築地 老舗鰹節屋がざっくり語ります

築地で鰹節屋を営み70余年、現在三代目。築地ネタ、料理ネタ、ざっくり語ります。
店舗:中央区築地6-26-8 尾林商店

今日の修行

2014-03-27 18:49:05 | 日記
今日は待ちに待ったカンナの刃合わせを
教わりました。
といっても閉店してからだったので
あまり時間はとれませんでしたが
やっと、触らせてもらえただけで
私はうっきうき。

14枚の刃をまず全て外し
新しい刃に替えます。
しかし、固く締められたボルトを
緩めるのも大変で
タオルを当ててスパナを使って
外していきます。

そして新しい刃をつけたら
「カンナで調整します。
一枚一枚、マグロ節をあてて
花の様子を確認しながら
ハンマーでカンカンたたいて
刃を微調整しながら
決まったらボルトを
ぎゅっと締めてまた
次へ。

と書くと単純作業ですが
なかなか決まらない!
そして14枚終わったら
今度は機械を動かして
さらに花の具合を見ます。
手作業で丁度良くても
機械を回すと出すぎて
花が厚かったり
全然刃が出てなかったり、
そうなると一枚一枚
確認しながら
また微調整・・・。
結構大変なんです。

1時間半ほどいじって
たった3枚しか決まらなかった。。。

そして気付きました。
私はとっても
大雑把なんだと。
いや、前から気付いてましたが。

3枚目にして
カンカン叩くのは
かなりソフトに、
10回叩いたって全く
動いてないよ、くらいに
繊細に繊細にこわごわ
おそるおそる
コンコンすることこそが
調整であると。。。

今日は母が5時過ぎに
戻ってくるので
後ろ髪引かれる思いで
4時半すぎに帰宅
しましたが、
たっぷり時間あるときに
じっくり向き合いたい
作業です。

むかし、とある
ヴァイオリニストの方が
師匠から
「もっと優しく弾きなさい。
 君は女性を抱くときに
 そんな風にするかい?」
と言われて
なーるほど、とピンときたんだとか。

カンナの刃調整は
例えるとしたらなんでしょうね~
あぁ、まだ
ぴったんこな
表現がみつからない。

自分で納得いく
美しい花削りを
常に作り出せるよう
頑張ります。


ホワイトデー

2014-03-19 16:21:16 | 日記
先週月曜日、私は出社してない日でしたが
とある、大変お世話になっている方から
バレンタインのお返しに尾林特別仕様の
削りを40本ほど木曜午前中までに
用意してほしい、と連絡がありました。

火曜日詳細ファックスが届きましたが
全員「45・・・・・!!」
ちょっと固まってしまった・・・。

そして部下の方から改めて電話が入り、
急で大変申し訳ないけれど何とか
お願いします、とご丁寧に
お願いされました。

いや、やるしかないでしょう。

幸い水曜日は休市日で
私は12月に辞めた番頭さんから
カンナの刃あわせを教わる予定だったので
このタイミングもきっと
何かの思し召しとばかりに
一手に引き受けました。

しかし、実際は血合い抜きの枯節、
しかも特別仕様なので
ひとつひとつにかなりの手間が
かかり、結局刃合わせレクチャー
どころではなくなってしまいました。

でもおかげで無事45個完成!!

それにしてもあの方は
少なくとも45個はチョコを
もらったってことですよね?


う~ん、さすが。

いえね、素敵なお方なので
妙に納得してしまいまして☆