叙事詩 人間賛歌

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人間賛歌 賢聖の境涯 三

2006年12月04日 | 賢聖の境涯

  聖徳太子続き

 その場に同席していた、聖徳太子は、
これはよくないことを、なされた。もしこのことが人に知れたら、
帝の災いのもとになるだろう。
このことは、絶対内密にしなければならない。
と考えた。

太子は、その場にいた者たちに、金銀の宝をあたえて、

「このことは絶対口外しないように」

と命じた。
それからしばらく経った。

だれも知らないはずのこのことが、蘇我の馬子の耳に入った。
かねてから、帝が、自分のことを心よく思っていないと、
感じていた馬子は、帝が口走った、
「憎いヤツ」とは、自分のことに違いないと、思った。

このままでは、自分の身が危ない。
恐れた馬子は、
アヅマアヤアタイゴマ、アタイイワイの、
二人の渡来人に、スシュン帝の暗殺を命じた。

こうして、スシュン天皇は史上まれな、臣下による暗殺で、
あたらいのちを、落としたのだ。

 スシュン天皇の死後、すぐ女帝のスイコ天皇が即位した。
聖徳太子は乞われて、摂政になり、スイコ天皇をたすけて、
政務をつかさどった。
太子が二十歳のときであった。


上宮王子< 聖徳太子の幼名、後に太子の徳を讃えて聖徳太子と、
呼称した> は、
父、用明天皇、母、アナホベノハシヒトおおきさきの、
長子として生まれた。

おおきさきが散策中、産気づいて、厩のなかで出産したので、
厩戸の王子ともいわれる。
用明天皇は、太子をこよなく愛し、皇居の丘の上に御殿を建てて、
住まわせたので、上宮王子とよばれた。


太子は非常に聡明で、一を聞いて八を知り、
同時に八人が言う事を、理解できたといわれる。
つづく

 
 



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