叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

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叙事詩 人間賛歌

2006年05月29日 | 人間賛歌 生命
 海の近くの 陸地には
シダ科の植物が 姿を見せる
やがて植物は 陸地の奥まで進出し
樹高百メートルをこす 常葉樹の森をつくった
 常葉樹(裸子植物)は 風を利用し
遠くまで種子を運ぶノウハウを 開発し
常葉樹林が 地表を覆うようになる
森でくらす 小動物たちの出る舞台は
整ってくるが 登場はまだ先のことだ

 海のほうは どうなっているだろう
平和にくらしていた 魚たちに 異変が起きた
 オームイカの大繁殖だ
貪欲なオームイカは 十本の手で 手当たり次第に
魚を捕まえて食う
 安全で餌も多く 居心地のよかった海が
そうでなくなった
 魚たちの一部は オームイカのいない河に向かっ
て 逃げてきた ところが海とちがって
河水には塩分がない   つづく



叙事詩 人間賛歌

2006年05月24日 | 人間賛歌 生命
 その結果 ピカイアは大繁栄する
これが脊柱生物の先祖になる 魚の原型だ
やがてピカイアの子孫は すべての環境に対応して
種族を増やし 海の王者として 自由に泳ぎまわる
ようになる
 魚たちに春がやってきたのだ

  <つぶやき>
 困難に勇敢に立ち向かったピカイアの子孫「人間も含む」は、
想像できないほど進化した。いっぽう、穴に隠れたり、トゲを
生やしたり、カラに閉じこもって敵の攻撃を、かわした者たち
の子孫は、いまも海底の穴の中や貝殻にこもって生活している。
 困難に挑戦する勇気があれば、生命力に不可能はないが、
臆病ではその力を使えないのだ。
 この原理は二十なん億年後に出現する人間にもあてはまる。
昨年、近所の小学校で、六年生の児童に「人間賛歌」を朗読し
、聞いてもらったことがあった。道徳の時間で、いのちを大切に、
がテーマだった。勇敢に敵に立ち向かうピカイアの場面で、
ピカイアのようになりたい人はいますか、と私が問いかけると
ほぼ全員の子が、ハイ、ハイッと手をあげて答えたシーンが忘れ
られない。子供たちはみな勇気にあこがれているのだ。

 このころ 地球を厚く覆っていた
二酸化炭素の幕がなくなり 太陽の光が
直接地球を照らし出した。      つづく 
 


叙事詩 人間賛歌

2006年05月19日 | 人間賛歌 生命
そこに強敵が現れた 
食肉生物アノマロカルスだ アノマロカルスは
 強いアゴと 鋭い歯で ほかを餌食にして
どんどん繁殖する 
このままではアノマロカルスに みんな食われてしまう
 どうしょう 生き物たちの試練の 始まりだ
食われないために 固いカラでからだを囲うもの
 からだに鋭いトゲを はやして食われないようにする
もの
 泥に穴を掘って その中に隠れるもの 
個性もテザインも いろいろだ
だがひとつだけ 違う道を選んだのがいた
 ピカイアだ
ピカイアは すばやく行動して 敵の攻撃をかわすため
運動能力を高める デザインを選んだ
脊柱を持ち からだをくねらせ 海中を自在に
動きまわる能力を 身に着けたのだ
 泥の中に隠れたり 固いカラで身を守る 仲間と違って
自分の能力を高めることに 挑戦したピカイアは
勇気があつたのだ 
 スマートで いちばん弱そうに見えたピカイアが
いちばん強かった        つづく
 

叙事詩 人間賛歌

2006年05月14日 | 人間賛歌 生命
 一章 生命の誕生

二十数億年まえ 地球が灼熱の塊だったころ
 原始の海に 生命が誕生した
硫化水素を食って 生命活動を始めた バクテリアだ
やがて光合成をする バクテリアも登場する
 シアノバクテリアだ シアノバクテリアは海中の
二酸化炭素をくって 酸素を出す
 こうして海の中に 酸素がたまりだした
するとエネルギー効率のよい 酸素を食うバクテリア
が 現れる
 やがて 硫化水素を食うバクテリアと
酸素を食う バクテリアは合体して ひとつになる
 細胞核をもった 細胞の出現だ
これがすべての生物の からだを構成する 細胞の元祖
になる
 細胞たちは 集まってひとつの 生命体になり
種類も増えた こうして海の中は 
 だんだんにぎやかになる    つづく