叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

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人間賛歌 「新・仏教教室」百二十九

2010年07月30日 | 新・仏教教室
 眷属妙のこと *

 山本さん、
「先生のお言葉の意味の深さがやっと分かりました。
両親はともかく、私だけでも今すぐに念仏を捨て、謗法の罪を消そう
と思います。子供たちには今後念仏するのを止めさせます。
これからもなにかとご指導願いたいと思いますので、よろしくお願い
いたします。」

 私、
「山本さん、よく決断されましたねえ。
立派なお方であると私が思っていたとうりでした。どうか以後は正し
い法に基づいた人生を開いてください。。

 子供さんのことは、子供は親がすることをマネするものですから、
山本さんと同じように正しい軌道に入ってくると思いますよ。
それからご両親や奥さんは、、
あせらずとも、山本さんが変わっていく姿を見て自然に正法に目覚め
ると思いますので、ムリに勧めないほうが良いでせう。」

 山本さん、
「先生、家族のことまでご心配くださってありがとうございます。
私はいつたん決意すると、何ごとがあってもやり遂げるのが男の美学
と考えていますので、先生から教わった正しい道を真っすぐに進んで
行きます。

 そのうえで一つだけ伺っておきたいことがあるのですが、訊いて宜
しいでしょうか。」

 私、
「山本さんなんなりと遠慮なく訊いてくださってケッコーですよ。」

 山本さん、
「私は子供のころから、両親がするとおりに「ナムアミダブツ」と言
っていましたが、それが何を意味するのかゼンゼン知りませんでし
た。
浄土宗を開いた人が法然という人で、罪人であったことも先生のお話
で初めて知りました。

 そんなワケで私は親のマネをしただけで、念仏宗の信仰をしていた
とは思っていませんでしたが、それでも謗法の罪科は免れないのでし
ょうか。

続く  

「目覚める人・日蓮の弟子たち」三十一

2010年07月27日 | 小説「目覚める人」

 法華経の行者 五 *

 燭台の火が風であふられたのかゆらいで、三郎と義昭の影が大きく
揺れた。
三郎夫妻が客席につき雅子や峰子がそれぞれの席についたのを見て、
小源太は、

「暮れでお忙しいところを大学どのご夫妻はよくおこしくだされた。
出来合いの手料理だが、ご遠慮なくお召し上がりくだされ。」
 と挨拶した。

末席の峰子がっと立ちあがると三郎の前に礼儀正しく座り、盃にすみ
酒をついだ。
    
箱膳には椀に盛った飯に、魚の干し物や生もの、むしあわび、焼きた
こ、えび、などの魚料理に雉の足や柿、干しなつめなどの果物も添え
てあった。
山海の珍味とはいかないまでも当時としては、客をもてなすに充分な
ご馳走が盛られていた。
    
和やかな宴が半ばになったころだった。小源太が三郎の横に座ってい
るかねをむいて言った。

「かねどのは松葉ケ谷の上人さまのお弟子になられて、法華経の題目
を唱えておられると承っているが..」

 突然、小源太に聞かれてかねは驚いた様子で顔をあげた。

「まあ御前、よくご存知ですが、どなたからお聞きになられまし
た。」
 とかねが問うのに小源太は、

「いや雅子から聞いたのだが、お気を悪くしないように、実は三郎ど
のと相談したのだが私らも上人の説法を聞きに、法座とやらに伺って
みようと思っているのでな。」

「まあ御前と主人が、それはさぞ上人さまもお喜びになるでしょう。
どなたでも法座には参加できますから、なんでしたら私が法座のある
日を聞いてお知らせしましょうか。」

「いや有難いがそれには及ばない。わしの方にも心当たりがあるの
で、日にちが分かったらこちらから三郎どのにおしらせしょう。
ところでかねどのは、たしか念仏を唱えておられたと雅子から聞いて
いたが、
 なんで題目を唱えられるようになったのか、宜しければわけを教え
てもらいたいのだが。」

続く   


「目覚める人・日蓮の弟子たち」三十

2010年07月25日 | 小説「目覚める人」

 法華経の行者 三

「あっそうだ、話こんでいるうちについ時間がたった。
大学どの最後にひとつ訊きたいのだが、立正安国論は正しい法に基づ
き正義を立て、国を安泰にするよう国王に説いたものだが、個人の場
合はどうだろう。」

「はい、金光明王経は王の質問に釈迦が答えた経典ですが、元々仏教
は苦悩する民衆を救うために説かれたものです。
国王も個ごの人も人間である事に変わりはありませんから、個人の幸
福もこの原則をはなれてはあり得ないと思います。」

「分かりもおした。わしもそう思っていたのだ。
それでは大学どの、みなも待っているので奥へご案内しよう。」

小源太は先に立ち渡り廊下を通って三郎を案内した。母屋の奥の客間
にくると、火鉢が隅においてあって部屋のなかは春の日のように暖か
った。

すでに六人分の箱膳が置いてあって女たちが甲斐甲斐しく料理を運ん
でいた。義昭の妻峰子も女たちにまじって働いていた。

 義昭は敷地内にある本家からもう来ていて、末席に座って待ってい
た。小源太と大学三郎が入ってくると父親に会釈し、三郎の前に両手
をついて挨拶した。

「これは先生おひさしうございます。今日はよくおこしくださいまし
た。どうぞごゆるりとお過ごしください。」

 三郎は義昭を目を細めて見ながら、

「義昭どの、一段とご立派になられましたな、またこの節は毎日の激
務でご苦労さまです。」と応えた。

続く  
    


人間賛歌 「新・仏教教室」百二十八

2010年07月23日 | 新・仏教教室

 念仏無限地獄のワケ 三 *

 私
「正法時代の仏であられる釈迦や、末法の仏であられる日蓮大聖人
が、念仏が謗法の元凶であり、一国を謗法に陥れた大悪人は法然であ
る。と厳しく指摘されています。

 正法正師である釈迦や、日蓮大聖人に逆らって、、
念仏を唱える人の前途が厳しいのは当然であると云えるでしょう。

 中国唐代の念仏宗の開祖導善は、柳の木から飛び降りて自殺をはか
り、極楽浄土に往生しようとしましたが、柳の枝が折れて地面に叩き
つけられ、全身の骨を折って二十一日間苦しみ抜いて死んだと。。
 仏教史に記述されています。

 法然は正法正義の法華経をないがしろにし、邪法邪義を広める悪人
であると裁定され、罪人として流罪されました。
また死後も法然の罪科は許されず、墓をあばかれて恥じを天下にさら
されたのです。

 これらの故事をひかれて、日蓮大聖人は、
念仏を信仰するものは自害の念が起きやすい、そして死後は無限地獄
疑いないものである。と述べられています。
 話がとぶようですが、、
年間三万人以上の自殺者が出、それが十三年間も続き、人口当たりの
自殺率が世界最高なのも、日本に念仏宗が一番多いことに原因がある
のかもしれません。

経典には、
釈迦が法華経以外の経は、方便の仮の教えで成仏(仏界を開くこと)で
きないから、全部捨ててしまいなさい。と云ったときその場にいた聴
衆の中の五千余の弟子が、

「釈迦はいままでの教えを捨てよと言うが、我々は釈迦の言葉を信じ
て修行してきたではないか、それを捨てて、これから説く教えを信じ
ろと云われても、、
 これ以上釈迦の言うことは信用できない。聞いてもムダだから立ち
去ろうではないか。」

 と申し合わせて五千余人がセキをたって去った。と経典に書いてあ
ります。
釈迦は彼らが立ち去るのを黙って見送った後、残った聴衆に、

「彼らは無上のものをいまだ得ていないのに、得たと慢心した者であ
る。慢心者が去って丁度よいので今こそ真実の教えを説こう。」

と言って、法華経方便品の説法に入るのです。
 山本さん、これでも先祖伝来の宗教だからといって念仏宗にこだわ
りますか。」

つづく

追加、 受け難き人身をうけ、会いがたき御本尊に出会えて、地涌の
菩薩の出現にあらずんば唱え難き題目をとなえている私たちの福運は
量りしれません。
この歓びを一人でも多くの人に語っていきませう。 

 


 

 

  


人間賛歌 「新・仏教教室」 百二十七

2010年07月21日 | 新・仏教教室

 念仏無限地獄のワケ、続き *

 私、
「法然は浄土三部経以外の経典はすべて捨ててしまえ。
そして「南無阿弥陀仏」と念仏する以外の修行はムダであり、浄土に
往生(西方十万億土のかなたに阿弥陀仏が住んでいる国があり、死後
そこに生まれることを往生するといった)する妨げになるから、、

他の教えは一切投げ捨てて二度と行わないよう固く閉じ込めるべきで
あると教えました。

 注 浄土三部経とは、阿弥陀経一巻、無量寿経二巻、観無量寿経、
一巻のことで法華経を説く前に釈迦が説いた方便経に属する経典。

 山本さん、

「法然が念仏以外の教えを捨てよ、といったことは分かりましたが、
それがナゼ無限地獄におちる原因になるのですか。
日本には三千万世帯以上の念仏宗の家があると聞いていますし、有名
な人が亡くなったときでも、葬式で「ナムアミダブツ」と唱えていま
す、その人たちもみな地獄におちると言われるのですか。」

 私、
「その通りです。。
釈迦は法華経を説く前の無量義経(法華経の序品)で、
いままで四十二年間説いてきた教えは法華経に導くための仮の教えで
あるから、真実の教えである法華経を聞いた後は全部捨ててしまいな
さい。

 正直に方便の教えを捨てて、実乗の一善(法華経)に帰依するものだ
けが仏の境涯になれる。といい、
もし仏の言葉を信じょうとしない者は、仏の弟子ではなく、正法に背
くやからであるから無限地獄は疑いない者である。
 と断言しています。
生命の根源を明かした法華経だけが、唯一真実であり、その他は方便
権経(仮の教え、浄土三部経もこの中に入る)であるから、、
仮の教えに執着して法華経を信じないものは、正法に違背する謗法の
やからで、五逆罪の第一にあたる無限地獄におちることは決定してい
て疑いないことである。と、、

釈迦は幾度となく繰り返して弟子に教えています。

 注 五逆罪
一 正法に背く謗法 二 仏身に傷をつける 三 仏弟子を迫害する
四 父を殺す 五 母を殺す
 以上が五逆罪で苦しみが無限に続く境涯に生まれるとされる。

続く   



 


人間賛歌 所感(証券経済)

2010年07月20日 | 所感
 世界でいま何が起きているのか ?

世界はいま大きな課題を抱えています。

先進国は選挙で選ばれた者が政治を行う仕組みになっていますが、その結果国民に仰行的な

政治が行われ、収入より支出が多い赤字国家が続出しています。(日本はダントツ)

ギリシャの財政破綻がきつかけで、世界中で国家の行く末に不安を抱くようになりました。

 *
世界のリーダーであるアメリカのオバマ大統領が、健全な財政及び不公平の是正を目的にし

た政治をしようとしていますが、

メキシコ湾の原油流出対策で本来の政治が足踏みしています。

 *
東京市場はニューヨーク市場の影のような存在になっています。強力な政治指導者がいない

ため、ニューヨークの動向次第で相場の方向がきまるのです。

 *
景気がよくなって会社の業績が良くなるかどうかで、株価が動く時代は終わり、国が健全に

運営できるかどうかが、株価を左右する新しい時代に入ったといえるでしょう。

 *
週明けからのニューヨーク市場の動向が、今後の世界の株価に影響を与えるでしょう。

日本の株価は二番底をさぐるか、今が底値固めなのか気迷い状態が続くと思います。



以上   

人間賛歌 覚え書き

2010年07月15日 | 覚え書き(信仰)

 因果の功徳を譲り与えたまう *

 日蓮大聖人は、
「釈尊の因位の万行、果位の万徳はこの経に具足す。我らこの経を受
持すれば自然にかの因果の功徳を譲り与えたまう」(趣意)
と仰せであります。

 因位の万行とは、、
釈迦が仏になるために修行した菩薩行(九界)のすべてで、どんな困難
にも負けない強い心を得たことでありましょう。
 果位の万徳とは、、
仏になって得た大慈悲心(宇宙の心)と、生命に本来具わっている測り
知れない随縁真如の智慧だと思います。

 さて前回、修身学で書きました人間の生き方、
仁、義、礼、知、信、忠、孝、悌は、中国の儒学の教えであります。
これは今世(仏教は三世)を幸せに生きるための生活法として説かれた
ものです。
これは釈迦の教えた八正道、八つの正しい生き方で、一例をあげます
と、正しい考え方、正しい言葉づかい、正しい行動等にも通じます。

 この八つの正しい生き方をした徳が、
御本尊を受持した私たちには自然に譲り与えられているのです。この
ほかにも菩薩行をして得られる六波羅蜜の徳も、広布の活動をする中
で自然に身についてきます。

せつかく譲り受けたのですから、遠慮しないで使わないとモッタイナ
イです。
それには何を譲り受けたのか、内容を知っておかねば使い切れませ
ん。信行学の三つが大事なワケであります。


 追加
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グで行っていますのでお知らせします。
人間賛歌トップページの下の方にブックマーク蘭がありますから、そ
の中の上場投信日興225勉強会をクリックするとつながります。
表題は小説「目覚める人・日蓮の弟子たち」ですが、日興225勉強会
のページもありますので、さがしてください。

以上  

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人間賛歌 「新・仏教教室」 百二十六

2010年07月14日 | 新・仏教教室
 念仏無限地獄のワケ *

 山本さん、
「先生ご無沙汰していました。入院されていたとうかがいましたが、
お元気そうですね。。
 もうすっかりよくなられたのでしょうか。」

 私、
「山本さん、暫くです。このとおり元気でやっていますよ。
完全に治る病気ではありませんが、これ以上悪くならないように体調
管理に気をつけていますから、大丈夫です。

 山本さんのほうも経済界の不況でたいへんでしょう。
テレビや新聞を見るたびに、ご苦労されているなぁ、と心配していま
したよ。」

 山本さん、
「景気もやや持ち直しているところもありますが、、
私のところは化学プラントの製造ですから、まだ景気がよくなったと
いう実感はありません。
 ですが私は以前先生にお話しましたように、
中国語を勉強して東アジアを担当していますので、会社の中で一番の
成績をあげています。

不況どこ吹く風、といえば乗りすぎですが忙しく活動しています。こ
れも先生の日頃のご指導のおかげと感謝しています。
 ところで、、
最近の先生の記事を拝見していますと、間違った宗教が国を滅ぼす本
になったり、人を不幸にする原因になるとおっしゃつていますが、、
 それについてお尋ねしたいのですが、よろしいでしょうか。」

 私、
「ほかならぬ山本さんのことです。
仏教のことでしたらなんでもお答えしますから、遠慮なく訊いてくだ
さい。」

 山本さん、
「私の実家は念仏宗ですが、念仏宗は無限地獄(たえまなく苦しみが
続く生命境涯)におちる宗であると言われています。
どうしてそうなるのかお訊きしたいと思って伺いました。」

 私、
「日本の念仏宗の開祖である法然は、
法華経をふくめて、釈迦が説いた経典二千数百巻のうち、浄土三部経
以外の経は無益で、人々の機根(仏教を理解する能力)に合わないか
ら、ぜんぶ捨ててしまいなさい。。
 そのうえ、
念仏を唱える「南無阿弥陀仏」以外の修行はムダだから止めてしまい
なさい。と釈迦の教えに背く邪義を教えたのです。」

続く   

「目覚める人・日蓮の弟子たち」 二十九

2010年07月12日 | 小説「目覚める人」

 法華経の行者 三 *  

「ところで釈迦は後世の人師によって、自分の教えが間違って伝えら
れることを予測し、”法によって人に依らざれ”と最後に言い残して
います。
釈迦の教えを書いた経典によるべきで、後世の学者や僧の言う事を用
いてはならないと、遺言ともいわれる涅槃経で何回も何回も念を押し
ています。
 そこで私が思いますのに、上人は釈迦の経典が真実で後世の人師が
書いた論釈に誤りがあることを見通しておられるが、他の僧は先人の
論釈にこだわり、釈迦の教えを外れているゆえ真実が分かっていない
のではないか、と考えたのです。

 上人が、このことを知っているのは日本国で自分だけだ。
と申されるのも、他の多くの僧はこれを知らないのだ。と暗に指摘さ
れているのだと思います。」

「なるほど、さすが大学どのじゃ、この上はいよいよ上人にお目にか
かって教えを乞うほかあるまい。」

 と小源太は言った。

「それにとの、釈迦は苦しむ民衆を救うために、国の隅から隅まで法
を説いて廻りましたが、今の僧侶のなかで釈迦のように説法して、人
を導いている方は日蓮上人のほかにいないようです。」

「大学どの、よく調べてくださった。ありがたい。
聞くところによると上人の庵で法座というのがあり、だれでも説法を
聞けるそうじゃ、わしは是非それに行ってみようと思うが、そなたも
一緒にどうかのう。」

「はい、是非私もそうしたいと思います。」

 小源太と三郎は時のたつのも忘れ熱心に話しこんでいた。
気がつくと持仏堂のなかが薄暗くなった。女中の峰が明かりを持って
きて、

「との、お話がはずんでいるようですが、準備のほうも出来ましたの
で奥へおいで下さいますよう、奥方さまが申されています。」
と言った。

続く