叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

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人間賛歌 賢聖の境涯 十一

2007年01月21日 | 賢聖の境涯

  お知らせ

読者のみなさん、いつも人間賛歌を読んでいただきありがとうございます。
このたびは、表示方式をかえて、いままでの全文表示から概要表示にし、
みなさんにお手数をかけることになりました。

最近の親殺し、子殺し、人を殺したうえ死体をバラバラにする事件など、
文明国ではありえないような出来事が、ヒンパツしております。
自他の生命の尊厳を第一義とする仏教の思想が、いまこそ必要であると
考え、「若い人の仏教教室」を始めました。

そのために表示方式を変えましたので、どうかご了承ください。
尚、難解な聖徳太子のはなしは今回でおわり、次ノテーマに移りますので、
以後もよろしくお願いします。



  聖徳太子 最終回

十七条の憲法のなかには、国か運営をになう官僚の道義心をたかめ、
善をよろこび悪をにくむ公徳心をやしなう規律をさだめている。

第十四条、( 旧文、 十四にいわく )

「グンシンヒャクリョウ嫉妬あることなかれ、
われすでに人をねたむときは、人またわれをねたむ、
嫉妬のうれえそのきわまりを知らず。
ここをもって五百歳にしていまし賢聖にあうとも、
千歳にしてひとりの聖を待つことかたし、
それ賢聖をえずばなにをもってか国を治めん」

漢のリョウビがショカツコウメイを三顧の礼で迎えた例にみるごとく、
正道を教える賢聖がいなければ、国をたもつことは難しい、との教えだ。

中国では、

「黄河は千年にいちど澄み、聖人は千年にいちど世にあらわれる」

といわれる。

西洋でも、

「人間は放っておくとダラクする、故に神は千年にいちど使いをよこして、
人間を善にみちびく」

の箴言がある。

四方を海で囲まれ「自衛隊二、三コ分に相当する自衛力といわれる」
外敵に襲われることのなかった日本では、国内ですぐれたものを嫉妬する
傾向がとくに顕著だ。

古代人にかぎらず現代においても、
「嫉妬のうれえそのきわまりを知らず」のいましめを謙虚にきかねばなるまい。


太子は遺訓で、

「もろもろの悪しきことおばなすなかれ、もろもろの善きわざを行へ」

の教えを残した。

注、 
悪しきこと、 自分の利益のため他を犠牲にする利己主義。
善きわざ、  自分のことより他の幸せをねがい行動する利他の行い。

この稿おわり。



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