お知らせ *
暑中休暇のため、八月中は投稿が少なくなりますがご了承ください。
幸運を呼ぶ条件 二
昔なら各家庭で両親や祖父母から教えられたが、核家族化と、経済至上
主義のもとに育てられ、心の教育をあまり受けていないいまの世代は、親
から子に伝わるということもあまりない。
以上の五つの中で、殺さない、盗まない、ウソをつかない、について異論を
はさむ余地はないだろう。だが乱れた性行為がなぜよくないのか、疑問に
思う人もいるだろう。
人間は他の動物と違って発情期がない。これは他の動物が発情期でない
と、セックスしないのに対して、人間はいつでもセックスをする生きものだ、
ということである。
人間の子供は、他の動物の子供と違って、大人になり自分の力で生活でき
るまでに、十数年の年月がかかる。母親はその間、子供を育てなければな
らない。
他の動物のなかには、オスは、子を産み発情期がすぎたメスが用なしに
なり、子供を残したままいなくなるのもいるらしい。人間でこれをやられたら
たまらない。母親は一人で十数年間、子供を育てなければならなくなるから
だ。これでは子孫を残すことができない。そこで母親は子供が一人前にな
るまで、父親を自分のところに引きつけておく必要がある。そのためにはい
つでも発情できるシステムが有効なのだ。
父親は母親といつでもセックスできる楽しみがあるので、家族を養うために
働き、家庭から離れることがないのだ。
このように人間に発情期がないのは、長期間子供を養育するために必要
なシステムなのである。この仕組みをわきまえずに、いつでも発情できる人
間の特権を悪用して、フリーセックスにはしる男女がいる。子供の養育を放
棄したこのような人に、幸運の女神が手を差しのべるはずがない。行きつく
先は、家庭崩壊と犯罪の落とし穴が待っているのである。
過度の飲酒をしない、というのも異論のでるところだ。酒がなくてこの世に
なんの楽しみがあろう、という意見も特に男性に多い。著者もその内の一
人だ。
「酔生夢死」という言葉がある。
酔っぱらった状態で生き、夢をみたまま人生の意義も知らず、なんら得るこ
となく死んでいく、という意味である。
この世の中のつらいこと、苦しいことを酒でまぎらし、なぜつらいことや、苦
しいことが多いのか、その原因をつきとめようとはせず、結局何も分からな
いまま死んで行くことの愚かをいましめている。
人間は常に向上心をもち、よりよい存在に自己を高めていく使命をもって
生まれている。しかし飲酒に溺れるとこの使命を忘れ、向上心をなくすおそ
れがあるからである。
つづく