叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

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人間賛歌 幸運を呼ぶ法則 三十二

2009年07月31日 | 幸運を呼ぶ法則

  お知らせ *
 暑中休暇のため、八月中は投稿が少なくなりますがご了承ください。

  幸運を呼ぶ条件 二

 昔なら各家庭で両親や祖父母から教えられたが、核家族化と、経済至上
主義のもとに育てられ、心の教育をあまり受けていないいまの世代は、親
から子に伝わるということもあまりない。

以上の五つの中で、殺さない、盗まない、ウソをつかない、について異論を
はさむ余地はないだろう。だが乱れた性行為がなぜよくないのか、疑問に
思う人もいるだろう。
人間は他の動物と違って発情期がない。これは他の動物が発情期でない
と、セックスしないのに対して、人間はいつでもセックスをする生きものだ、
ということである。

人間の子供は、他の動物の子供と違って、大人になり自分の力で生活でき
るまでに、十数年の年月がかかる。母親はその間、子供を育てなければな
らない。

 他の動物のなかには、オスは、子を産み発情期がすぎたメスが用なしに
なり、子供を残したままいなくなるのもいるらしい。人間でこれをやられたら
たまらない。母親は一人で十数年間、子供を育てなければならなくなるから
だ。これでは子孫を残すことができない。そこで母親は子供が一人前にな
るまで、父親を自分のところに引きつけておく必要がある。そのためにはい
つでも発情できるシステムが有効なのだ。

父親は母親といつでもセックスできる楽しみがあるので、家族を養うために
働き、家庭から離れることがないのだ。

このように人間に発情期がないのは、長期間子供を養育するために必要
なシステムなのである。この仕組みをわきまえずに、いつでも発情できる人
間の特権を悪用して、フリーセックスにはしる男女がいる。子供の養育を放
棄したこのような人に、幸運の女神が手を差しのべるはずがない。行きつく
先は、家庭崩壊と犯罪の落とし穴が待っているのである。

 過度の飲酒をしない、というのも異論のでるところだ。酒がなくてこの世に
なんの楽しみがあろう、という意見も特に男性に多い。著者もその内の一
人だ。

   「酔生夢死」という言葉がある。

酔っぱらった状態で生き、夢をみたまま人生の意義も知らず、なんら得るこ
となく死んでいく、という意味である。
この世の中のつらいこと、苦しいことを酒でまぎらし、なぜつらいことや、苦
しいことが多いのか、その原因をつきとめようとはせず、結局何も分からな
いまま死んで行くことの愚かをいましめている。

人間は常に向上心をもち、よりよい存在に自己を高めていく使命をもって
生まれている。しかし飲酒に溺れるとこの使命を忘れ、向上心をなくすおそ
れがあるからである。

つづく   

  

  


人間賛歌 乱世に勝つ生命観を持とう 五

2009年07月26日 | 乱世に勝つ生命観を持とう

  言葉は残る * 

 ノーベル賞作家 川端康成が、
 千万言をついやしても、 これほど哀切な言葉を
 書くことは出来ない。
  と嘆いた、 円谷幸吉の遺書の部分を紹介しよう。
 合掌する気持ちで・・

 オリンピックのメダル候補として、
 日本中の期待を一身に受けていた
 マラソン選手 円谷幸吉が自殺したのは、
 千九百六十八年一月九日であった。

 日本中を驚愕させた事件なので、 覚えている人もいるだろう。

  遺書 
 父上様 母上様、 三日とろろ美味しゆうございました。
 干し柿、餅も、 美味しゆうございました。

 厳兄 姉上様、 しめそし 南ばん漬、美味しゆうございました。
  中略・・
 父上様 母上様、 幸吉はもうすっかり疲れ切ってしまって
  走れません。 何卒お許し下さい。
 気が休まることもなく、 ご苦労 ご心配をおかけ致し
  申しわけありません。
 幸吉は、父母上様の側で暮らしとうございました。

 陸上自衛隊  三等陸尉  円谷幸吉
    (つぶらやこうきち  1940ー1968 )

 ご遺族の心情を思うと 遺書の全文は書けない。
 これほど家族を思いやる やさしい心を持ち
 食べ物にまで愛情を持てた、 表現力豊かで
 前途洋々だった人が、 ナゼ死を選んだのだろう。

 「いのちこそ宝なり」の宗教を、もし持っていたらと悔やまれる。

 死者に鞭打つ気持ちは さらさらないが
 自殺率世界一の国に生きている人に、
 どうしても書いておきたいことがある。

 だいぶん前のことだが、 二十世紀の聖女といわれた
 マザー・テレサが 日本を訪ねたことがあった。
 
 新聞記者が、 マザー・テレサに質問した。
 「あなたは世界中を廻っておられるが、
 世界で一番貧しい国はどこだと思いますか。」

 マザー・テレサは、
 「世界で一番貧しい国は、 アフリカの国でもなく、
 アジアの国でもなく、 この国です。
 お金はあるかもしれないが、 苦しんでいる人を
  思いやる心を持たない 心の貧しい国です。」

 と答えたという。

 次回に続く     
 

 

 


人間賛歌 「新・仏教教室」 九十二

2009年07月24日 | 新・仏教教室

 不幸の原因 続き *
山本さん、
「念仏をやめるように先生は言われますが、先祖代々の宗教ですから、
私の一存でやめることは出来ないと思います。
よく考えたうえで決めたいと思いますが、それで宜しいでしょうか。」

ジッチャン、
「もちろん宗教は強制されてするものではなく、自分の意思で決めることで
すから、それでよいと思いますよ。

 ただ、ナゼ先祖代々念仏宗であるかわ、徳川幕府の檀家制度によって
所属する寺院が決められたからで、先祖の人の意思で決めたワケではあ
りません。
 これについては若い人の仏教教室で詳しく述べていますので、それを参
考にしてください。

 注 檀家制度についてブログ内で検索する。

山本さん、
「私も前に聞きましたのでよく覚えています。
そういう事情があったのかとそのときは納得しましたが、いまそれをやめ
て法華経の信仰に変えることは、正直言って決断できません。

 両親の反対は目に見えていますし、亡くなった祖父母たちもビックリする
でしょうから、暫く様子を見させてもらいます。」

ジッチャン、
「法華経の一番始に、この経は難信難解であるという文があります。
信じ難く理解しにくいという意味です。
また日蓮大聖人は、縁があって折角法華経の信仰をした人であっても、
始から途中、終わりまで信仰をたもち続けることは難しいと言われています。
 御文に、
「受くるはやすく、たもつは難し、さるあいだ成仏はたもつにあり」
 とあります。

今世だけでなく、来世、再来世と永遠に続く幸福境涯である成仏(仏界を現
すこと)は、生涯信仰を捨てないで、たもち続けることである。と仰せです。
生涯不退の信仰をするために、山本さんは時が来るまで待ったほうがよい
でしょう。

その時がきましたら大事な経典をお教えします。」

つづく   



 

 

  


人間賛歌 信仰に生きる 三十一

2009年07月22日 | 信仰に生きる

 創価学会に入会 *

 私が始めて目にした「生死一大事血脈抄」という難しそうな題の本は、
創価学会池田会長の講義を一冊の本にしたものでした。

私は事業の失敗以来、莫大な借金と人間不信に陥って重い不眠症になっ
ていました。
夜になり寝ようとして床につくと、頭の中を骨が割れるような衝撃が走りま
した。ジェット機が着地するときズシリというショックが体に伝わりますが、そ
れよりも大きいショックが頭の中で起きるのです。
頭の皿が割れそうな恐怖で、体を横にすることが出来ませんでした。

 このままでは自分は精神がおかしくなる。
 この苦しみは死んでも治らないだろう、
 生きているうちに治しておかないとタイヘンなことになる。
 と直感したのです。

なにがあってもビクともしない強い自分をつくらなければならない。
それには宗教で精神を鍛えるしかないと、考えるようになったのです。


生死一大事血脈抄に書いてある文章は、
私が始めて目にするものばかりで、理解できない内容でしたが、やがて
衝撃的な言葉に出会いました。

「法華経の教えを信じ実践しているものを見て、軽しみ、憎み、恨みを抱き
迫害するものは、この世の中で幸せになる種子を断ち切ったもので、頭が
七分に割れ、無限地獄の苦しみを受ける。」

と書いてありました。
これは自分のことだな、と思いました。法華経の教えを素直に信じ、実践し
ている妻を脅し、信仰をやめさせた自分の非に気づいたのです。

一切世間の仏種(幸せになる種子)を断ぜんの文のとおりだ。自分はなんと
恐ろしいことをしたのだろう。
地に倒れたものは、地によって立て、と書いてありました。ヨシこれだ。この
信仰で立ち直るしかないと決意したのです。

私はてれくさい気持ちを押し隠して、妻に、
「きみのやっていた信仰をオレもしたいので、どうすればよいか教えてくれ
ないか。」と頼みました。

妻は私の変わりように驚き、暫く信じられないようでした。
私が妻に教わったとおりに、南無妙法蓮華経と唱えたその夜、あれほど悩
んでいた頭が割れるような衝撃はなくなりました。朝まてグッスリ熟睡でき
たのです。

 この信仰は凄い! これには何か不思議な力があるような気がする。
私は自分がやろうと決めた信仰が間違いなく素晴らしいものであることを、
感じました。

次回に続く    


人間賛歌 所感 一

2009年07月19日 | 所感
 自殺率世界一 *

日本の自殺率二十五・五(人口十万人当たりの自殺者数)はアメリカの倍で
世界一である。日本人の大多数は宗教をもたないので、命の大切さについ
て考えないからだろうか。

キリスト教では自殺を禁止しているし、仏教でも命を一番大切な宝であると
教えている。日本は仏教国とみなされているが、葬式仏教化した日本の仏
教は宗教とは言えない。

日本人が宗教について真剣に考えるようになれば、自殺問題の解決にな
るかもしれない。   


 投資はボケ防止になる *

新幹線をつくった旧国鉄の十河総裁は、株が好きであったと聞いている。
高齢になってもボケ防止のために毎日株の売買をしていたようだ。

それに習ったワケではないが、私も少しだが証券投資を脳力強化の一つ
にしている。昔と違って直接、株取引はやらないが平均株価連動型ETFに
投資している。

おかげで日本はもとより、世界中の株価や経済の動きに関心を持つよう
になった。確かに頭脳鍛練には役立つようだ。
ただ健康のために目先の上げ下げにはあまり神経を使わないようにして
いる。 
        

 追、 所感に異論やご意見のあるかたはコメントで伝えてください。   



人間賛歌 信仰に生きる 三十

2009年07月17日 | 信仰に生きる

 転機 二 *

 創価学会の池田会長が門真工場を訪ねる半年ほど前のことでした。
松下相談役は池田会長に会うために、病院を抜け出して富士山の大石寺
を訪ねました。

法華経総講頭の池田会長が大石寺に逗留しており、この機会を除いては
面会できなかったからです。
病床の相談役が富士山に行くことに、周囲は大反対しましたが、

 「池田先生がおられるところなら、たとい海外だって会いに行く」
という相談役の強い意志を止めることが出来なかったのです。

外国のえらい人だって、総理大臣だって、相談役に会うために病院まで、
訪ねてくるのに、なにも好きこのんで聞いたこともないような人に会うため
に、わざわざ富士山まで行くことはないだろう。

 「カゼでもひいて、病気が重くなったらどうするのだ。」役員たちは心配の
あまり口々に話し合っていました。

「いったいだれが、病人の相談役を富士山まで引っ張り出そうとしている
 のだ。」
松下相談役が池田会長に会いたいと言い出して、その橋渡しをしたのは
M電送のK社長でした。

K社長は創価学会の会員だったのです。
松下に入社したとき、相談役から、宇宙根源の法とでもいうものがあって、
それに従っていけば人間は強くなり、何ごとでも出来るのだ。と教えを受け
た松下と同郷の青年だったのです。

 松下からつぶれかかった会社の再建を命じられ、それが機縁で法華経
の信仰をするようになり創価学会に入ったのです。再建を命じられた会社
は見事に立ち直って、世界一のファクシミリ会社・M電送に育ちました。


 この日池田会長は、松下相談役が病をおして富士山まで訪ねてくれた
ことの答礼と、病気見舞いをかねての訪問でした。雲ひとつ見えず快晴の
日で、風もなく病身の相談役をいたわるような天気でした。

相談役は自ら池田会長を迎え、子供のように喜んで先頭に立って工場内
を案内しました。

このことがあってから不思議なことに相談役は病気も快癒し、長いあいだ
自宅がわりにしていた病院を退院しました。
学会員であることで、松下のグループ内から白い目で見られていたK社長
の立場も、この日を境に一変しました。

次回に続く   

  


人間賛歌 幸運を呼ぶ法則 三十一

2009年07月15日 | 幸運を呼ぶ法則

 十、幸運を呼ぶ条件

以上で述べてきたように、幸運を呼ぶには条件があることに読者は気づいたと思う。
ここでは、その条件について考えてみよう。

人類の歴史はなん十万年ともいわれている。五万年前、洞窟に住んでいたクロマニ
ヨン人(フランス、クロマニヨンで発見された旧石器時代の人類)は、すでにいまの私
たちと同じ脳を持っていたといわれる。持ってはいたが活用するようになるのは、ず
っと後のことだ。

 いまから数千年ぐらい前、私たちの先祖はまだ動物とあまり変わらない生活をして
いた。
父親と男の子が母親を取り合って血みどろの死闘を繰り返していたといわれる。
それでは子孫を残すのに都合が悪いし、団結して敵に当たることも難しい。そこで親
子兄弟、仲間という関係を認識するようになり、人間らしいモラルがつくられた。
これは一つの例であるが、人類は長いあいだの経験をとおして、幸福に暮らすため
に必要なノウハウをみつけて、それを子孫に伝えてきた。これが知恵といわれるもの
である。

 知識は情報に過ぎないが、情報を活かして幸福をつかむのが知恵である。

何千年も前から東洋に伝えられてきた、人間が人間らしく幸福に暮らすための知恵
を学んでみよう。

   一  人を殺さない。
   二  人のものを盗まない。
   三  ウソをつかない。
   四  乱れた性行為をしない。
   五  過度の飲酒をしない。

人が幸福になるには以上の五つを守らなければならないのだ。
なんだ簡単ではないか、そんなことは当たり前だ。と思う人は健全な考えの人であ
る。

簡単なようであるが、ここにあげた五つは人間として最低限守ることであり、これを
守れないようでは人間とはいえない。人間の姿かたちはしていても、最低限のモラル
も守れないようでは幸運を求めることじたいがムリである。行き当たりバッタリの動
物とかわらない暮らしを余儀なくされる。

次回に続く   

   
  


人間賛歌 「新・仏教教室」 九十一

2009年07月13日 | 新・仏教教室

 苦しみの原因 ?
ジツチャン、
「念仏を広めた法然は、末法の人々の能力では法華経を修行しても、仏界
を開くことはできない。
故に法華経の修行は止めて、十万億土かなたの国にすんでいる阿弥陀仏
の国に生まれて、そこで法華経を悟って仏になるしか方法がない。と説きま
した。

だから後生を思うものは、阿弥陀仏のところに往生すことを願って、しっかり
念仏をとなえなさい。念仏以外の修行はしてはなりません。と、釈迦の教え
には無い邪義を広めました。

法然の教えを要約しますと、
この世で幸せになることは諦めて、阿弥陀仏の住んでいる浄土に生まれる
ことを願いなさい。それにはナムアミダブツと念仏するだけでよく、ほかの
修行はいりません。

と教えたものですから、念仏が国中に行き渡り、厭世思想が広まったのです。
朝廷は念仏禁止令を出してやめさせようとしましたが、死後、阿弥陀仏に
救われることを信じている、民衆の流れを変えることは出来ませんでした。


 諦めの心は七識の自我意識の中でも消極的な心ですから、貪る、怒る、
愚かの三毒や、宿業で固まった八識の厚い壁を破るパワーは出せません。
せいぜいおとなしくて、人がよく、人に従いやすい性格になって、他者に利
用されるのがオチでしょう。
とても根本淨識である九識にいって、仏界を現すことは出来ないと思います。
始から諦めているのですから当然だと思いますが・・

山本さんが念仏宗の家に生まれたということは、山本さんの宿業ですから
正しい仏教に出会った縁を大事にして、法華経(御本尊)の信仰をすべきだ
と、私は思いますよ。

日蓮大聖人は釈迦の教えに背く邪義を信じるものには、四個の格言で厳し
く破折されています。
四個の格言といいますのは、念仏無限、真言亡国、禅天魔、律国賊のこと
です。これについては後日延べますが、山本さんは念仏なので念仏無限に
ついて大聖人の教えを話しておきましょう。

念仏無限とは、念仏を信じるものは間断なき苦悩が続く地獄の境涯におち
るだろうと言われています。
 山本さんなにか思い当たるところはありませんか? 」

つづく   



  


人間賛歌 「新・仏教教室」 九十

2009年07月10日 | 新・仏教教室

 直ちに仏界(幸福境涯)を現す *
山本さん、
「先生、仏界は九識にあると言われれましたが、題目を唱えると小我にと
らわれた七識や、宿業の重なった八識を通り越して、いっきに九識にいく
という意味なんですか。」

ジッチャン、
「さすがは山本さんですね、いいとこを突いていますよ。
たしかに七識や八識を通り越して、九識の仏界に至ることは間違いありま
せん。

これを仏教では「直達正観」といいますが、直ちに仏界に至るという意味です。
そこで、そんな簡単なことで仏界が現せるのかと、
不審に思う人もいるでしょうから、そこのところを詳しく話しましょう。

七識は小我にこだわった自我意識といいましたが、そのなかには善い面
と悪い面があります。
善い面というのは、勤勉、努力、忍耐、寛容なとで、前向きな生き方をする
自我ですが、これは望ましいことでなくする必要はありません。

問題なのは自己本位のエゴイストで、貪欲、怒り、慢心、疑い深いなどの
消極的な自我意識です。
善い自我意識も悪い自我意識も行動となって現れますので、善悪の結果
が生じ、それは消えずに業(ゴウ)として八識に貯蔵されます。

善い業は幸せを呼ぶ果となって現れますので問題ありませんが、
悪い業は不幸を招く原因になって、苦難の多い人生をよぎなくされます。

仏界は善悪の業をつくる前の根本淨識ですから、悪い業に染まっておら

善い業の根本である慈悲の心そのものです。
直達正観で宇宙根源の法である大慈悲心と、一切知地( イッサイチジ ・
すべての智慧が生じるところ ) の境地になりますから七識、八識の悪い
影響を受けることはありません。

このことを宿命転換とも人間革命とも言うのです。」

山本さん、
「先生よくわかりました。題目の凄さが感じられます。
そこでいま一つお尋ねしたいのですが、私の実家は念仏宗で実家に行っ
たときは、私も両親と一緒に念仏をとなえますが、そんな私でも題目を唱
えていいのですか。」

ジッチャン、
「結論から言います。ナムアミダブツというのを止めて南無妙法蓮華経と
唱えることです。法華経の題目の力は無限でどんな宿業でも断ち切る力
がありますから・・」

つづく    




 

 


人間賛歌 乱世に勝つ生命観を持とう 四 

2009年07月08日 | 乱世に勝つ生命観を持とう


 上杉謙信が出たので、 織田信長にも出てもらおう。
 「人間五十年 化天のうちにくらぶれば
 夢 まぼろしのごとくなり」
 信長が好んで謡った謡曲 敦盛の一節である。

 謙信も信長も、 死が来ることを覚悟して、
 日常これに備え、 振舞っていたようだ。

 死に臨んでも動揺しない心、 平常心は、
 臨終のことを習わないと得られない。

 世界最強といわれた、 ロシアのバルチック艦隊を撃破して、
 世界中を驚かせた、 海軍大将 東郷平八郎は、
 バルチック艦隊の大船列を見ても、
 平常心で戦えたことが、 勝因であった。 と述懐している。

 乱世に勝つ生命観を持つことの、 キーワードは、
 臨終のことを習うことと、 平常心を持つことにありそうだ。


 長征に図書館を携行したほど、 読書好きであった毛沢東は、
 晩年、病床で身動きもできないのに、 読書をやめなかった。
 見かねた側近が、

 あまり根をつめてはからだに障ります。
 と言ってとめたが、 毛は読書をやめなかった。
 彼がそのとき読んでいたのは、
 新合金技術の本であったといわれる。

 死の床にいる病人が、 難解な、
 しかも彼の人生と関係なさそうな 本を読んでいるのを知った
 側近のひとりが、
 なんでそんな本をお読みになるのですか。 と聞いた。
 
 毛は、 今は役にたたなくても、
 千年後に役にたつかもしれないと思ってね。 と答えた。

 毛は宗教を否定する、 共産主義者である。
 毛がどんな宗教観を持っていたか、 定かでない。
 ただ、 毛は宗教を否定しなかった。

 「民衆が信じている宗教のことを、 指導者が知らなくて、
  どうして彼らを導いていけようか。」

 というのが毛の考え方で、 実際に宗教書を熱心に読んだようだ。
 自分か気に入った本は、 幹部たちにも読むように奨めたと言われる。
 毛は人生はこの世だけではないと、
 直感していたのかもしれない。

 同じことが日本の経営の神様、 松下幸之助についてもいえる。
 松下は、
 人間は宇宙根源の法とでもいうものに、 生かされているのだから、
 人間生命はこの世だけのものではないと思う。
 
 と、語ったと言われている。

 つづく