神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[コンサ] 2012 J1 第20節 C大阪 vs 札幌

2012-08-04 23:59:59 | コンサ

2012年 J1 第20節 セレッソ大阪 4-0 コンサドーレ札幌 @スカパー

 

新戦力3人のおかげでやっと連敗から抜け出し、なんとか残留戦線に踏みとどまりたい札幌。

今回の相手は、こちらは残留戦線から上に抜け出したいセレッソ大阪。やはり新戦力の補強で、なんと元ブラジル代表でセリエAでプレーしていたシンプリシオなんてのを引っ張ってきた。やっぱり、金のあるチームは補強もスケールが違うね。

しかし、頼みの三人のうち、キム・ジェファンとテレが負傷欠場。それどころか、ジェイド・ノースまで長期離脱ということで、またもや選手不在の緊急事態。CBはベテラン岡山とルーキー奈良の歳の差コンビに。

 

その岡山は、開始直後から播戸とのバチバチ合戦が目を惹く。播戸と並ぶと、意外にデカいな、岡山。

今日のハモンはちょっと下がり気味。やはりボールを受けるのではなく、出し手になりたいのだろう。そして、ハモンがボールを持つと前線の選手が動き始める。前節の名古屋戦からの間に、チームの主力として完全に認められたらしい。

そのハモンから古田へのスルーパスが何度もチャンスを作る。それだけでなく、山本から大島とか、これまで前線の動きが少なくて出しどころが無かったのがウソのようだ。これもハモンの波及効果なのか。ちょっとしたことで自信を持てば変わると言われ続けてきたのは本当だったらしい。

味方がボールを持った時に出し手を信じて動き出すこと、受け手を信じてボールを出すこと。この信頼感が無かったから、バックパスが多くなってたんですかね。

特に、ハモンから古田のホットラインは何度もチャンスを作った。後は古田が決めるだけ、だったのだが……。

ハモンが囲まれ、奪われたボールをシンプリシオがドフリーの選手に渡してゴール。ハモンに頼り過ぎて誰もフォローにいかない。このプレーで一気に崩れ、またもやいつもの札幌に逆戻り。

セットプレーから失点。パスミスから失点。

PKを杉山がなんとか防いだのが後半唯一の見せ場だったか。


名古屋戦はなんにも変わっていないと書いたけど、この試合は全く別なチームのようだった。ひとつ勝ったことが自信に繋がり、ハモンへの信頼感が生まれた。しかし、それもハモンがボールを奪われて失点するまでだった。そこから先は逆戻り。

まだ2試合目でチームの中心になるのは無理だったのか、信頼関係が崩れたというか、臆病になってしまったのか。DFラインが深くて、ボールホルダーにアタックに行かないところにも臆病さが見えていた。

それなりの外人選手が揃って出場すると勝てる。そうじゃなかったら負ける。そんなチームを作ってきたわけじゃないと思うのだけれど、現実はそういう風にしか見えなかった。

 

 


[SF] NOVA8

2012-08-04 16:27:13 | SF

『NOVA8』 大森望 責任編集 (河出文庫)

 

 

相変わらず質の高いSFアンソロジー。硬軟取り混ぜて入っているので飽きが来ないというのもいい感じなのだろう。

今回は懐かしい名前がいくつか入ってるのもいい感じ。硬軟に加えて新旧の軸でもバラエティーに富んでいる。

しかし、どうしてこんなに質の高い作品をそろえられるのか。大森さんの人徳でしょうか、それとも、SF短編発表の場が意外に少ないということ?

 



「大卒ポンプ」 北野勇作
タイトルだけの一発ネタに終わらず、ちゃんと中身もおもしろい。いつもの北野風味で、結局なんだったのかわからない不気味さと、見え隠れする社会情勢の不気味さが気持ち悪い。

「#銀の匙」 飛浩隆
「自生の夢」へ続く作品群としても興味深いが、これだけでも新たな文化論、文明論として読むことができる。たったこれだけの話なのに、いろいろ示唆的に感じられる。

「落としもの」 松尾由美
ネコとSFは相性がいいらしい。とにかく主ネコの考え方が可愛らしくて、はにゃん、となる。

『人の身として思いつく限り、最高にどでかい望み』 粕谷知世
おとぎ話風のファンタジー。いちばん強い望みをかなえるという神の設定から、強い望みとは何かにつながる風刺と寓意の話。

『激辛戦国時代』 青山智樹
馬鹿すぎ。でも、ちゃんと歴史通りにハマっているところがすごい。バカげた出来事を科学的に大真面目に考えるのがSF設定の面白さなのであれば、これはまさにSFそのもの。

『噛み付き女』 友成純一
ありがちな話ではあるのだが、エピソードを逆順にすることによって、発端が落ちになるとこれだけ面白くなるという不思議。

『00:00:00.01pm』 片瀬二郎
前巻に続いての登場だが、またもや泣いた。泣かされた。ありがちな設定からスプラッタな展開は見事だが、この流れでさわやかな読後感を与えてくれるという不思議さ。そして、主人公が彼女の狂っていった過程に思いを馳せることによって、狂女をただのモンスターとして描くのではなく、ひとりの人間として描き、彼女の存在が恐怖ではなく悲しみにとって代わられる転換が見事。

『雲のなかの悪魔』 山田正紀
重力バリアとブラックホールによって封印された過酷な牢獄から、5つの別宇宙の友人の力を借りて美少女が脱獄する。もうはっきり言って、何が何やらさっぱりわからないが、とにかくすごい。物理系の話はどこまで合っているのか、どこまで言葉遊びなのかまったくわからないが、そんなことはすっ飛ばして疾走する酩酊感を与えてくれるものすごいSF。とっ散らかっていて訳が分からないままに、SF的なパワーが満ち溢れている。

『曠野にて』 飛浩隆
こちらもイメージの奔流。しかも、ソレってアレじゃん的な飛ファンをくすぐる内容。著者の遊び心なのか、それとも本当にアレで、ということはそれを内包するという意味は……。アレもソレも読み直した方がいいか?

『オールトの天使』 東浩紀
遂に完結。うーん、やっぱりナデシコ? SFネタは大技なんだけれど、ちょっと説明的すぎるかも。確かに、細切れではなくて、通して読みたかった。かといって、単行本になったら買うかどうかは微妙。

 

 


[SF] SFマガジン2012年9月号

2012-08-04 14:55:03 | SF

『S-Fマガジン 2012年9月号』 (早川書房)


 

今月号の特集は「この20人、この5作」。

SF作家20人の代表作を5冊づつ紹介したブックガイド。ラインナップはお馴染みのアシモフ、クラーク、ハインラインに始まり、最近のグレッグ・イーガン、チャイナ・ミエヴィル、さらにはアメコミ原作も手掛けるニール・ゲイマンまでと幅広く、工夫がみられる。

とはいえ、どちらかというとSF初心者向けのブックガイドで、個人的には今さら感が……。


後半には「アメコミ特集2012」が小特集扱いで掲載されているが、どちらかというとこちらをメインにした方が良かったんじゃないか。そうすると、バットマンやアヴェンジャーズを入り口に、SFの濃い方向へ分け入ってくれる若者がいたかもしれないのに。

まぁ、個人的にはアメコミ系は好きではないので、どっちでもいいんですが、今月号はなんと読み切り短編ゼロという小説読みには酷い状況。20人全員の短編を載せろとは言わないが、アメコミと絡めてニール・ゲイマンの作品ぐらい載せても良かったんじゃないか。


ということで、今回は個別感想無しよ。