かなり衝撃的だった『絶深海のソラリス』の続編。
生き残った二人と、前作での犠牲者の姉を含めた新たなパーティが、深海生物アンダーの殲滅に挑む。
これまたライトノベル的に強烈なキャラクター小説でありながら、壮絶なアクション・サスペンス・スリラーでもある。この見事なアンマッチ振りはとにかく凄い。
前作が前作だっただけに、いったいどういう結末になるかと思っていたのだけれど、これは一本取られた。冷静に考えれば、予想の範囲というか王道なのだろうけれど、壮絶すぎる戦いに引き込まれてしまって、そこまで頭が回らなかった。
ああきて、こうきたとすると、次は……。なんて、ちょっと不純な楽しみ方をしてしまうあたりが、ちょっと自分でもズレてるとは思うが、それもまた魅力のひとつとして考えてもらえれば。
ところで、タイトルにある“ソラリス”の意味がいまだに明らかにされていないのだが、これは最終的に解決されるのだろうか。「僕が考えた最強の……」という前振りが、“ソラリス”の正体に関係しそうでもあるのだけれど、果たしてどうだろうか。
あと、今のところ、「深海」という舞台設定も隔離された場所程度の意味しか持っていないので、深海ならではのアクションや悲劇にもちょっと期待したりして。
(↓ネタバレ↓)
ミナトが見せた映像は即興にしてはずいぶんと芝居がかっているというかなんというか……。あの極限状態でここまで悪ノリできるとは、こいつ性格が相当悪いな。