『ガンパレード・マーチ 2K 北海道独立(1)~(4)』 榊涼介 (電撃文庫)
『ガンパレード・マーチ 2K 5121暗殺』 榊涼介 (電撃文庫)
ガンパレード・マーチシリーズの去年の新作(笑)を一気読み。
ガンパレード・マーチは一時期本当にはまったゲームで、会社のサーバー室でも「世界の謎掲示板」を読みふけっていたくらい。
世界の謎掲示板は、ゲーム製作会社がゲーム内の謎を解こうというゲーム外ゲームを仕掛け、そのゲームの会場となったネット掲示板。本当にそこまで練り込んであったのかと驚くようなシナリオと裏設定だった。
そのゲーム世界を引き継いで書き続けているのが“榊版ガンパレ”であり、ゲーム外ではもっともオリジナル・ガンパレ遺伝子が濃いと考えているガンパレ作品であり、これまでずっと楽しみにしてきた作品なのだが、どうも今回は乗れなかった。
故郷を愛する北海道出身者としては、樺山などという小物にそそのかされて日本から独立しようとするとか、1級道民と2級道民の階層社会とか、挙句の果てに幻獣に売り渡すとか、正直勘弁して欲しかった。これが、道産子部隊の活躍のひとつでもあれば変わったのだろうが、道民は完全なる道化か無関心の市民、役立たずばかり。これでは道民を馬鹿にしてるのかと思われても仕方がない。
まぁ、それ以上に、これまでの敵であった幻獣(の一部勢力)と和解してしまったために、わかりやすい敵がいなくなってしまったということが行き詰まりの問題としてあるのだろう。そのために、新たな敵を人類の中に作らざるを得なくなってしまった。これは強力な敵がどんどん出てくるドラゴンボール的マンネリの始まりなんじゃないだろうか。
今まで舞台に上がらなかった北海道はまだしも、さらには日本国内を裏から牛耳る影の組織、そして、壊滅寸前だったはずのアメリカ政府。いったい、ガンパレはどこに向かってしまうのか。
そんな変な方向に風呂敷を広げなくても、まだまだガンオケ緑、ガンオケ青のネタが残っているであろうし、いわゆる史実(ゲーム内設定)のネタがすべて尽きているわけでもないはずだ。
そもそも、黒い月の謎はどこに行ったのか。茜作戦、銀環作戦は発動するのか。幻獣との和解をメインに据えてしまったために、シリーズのゴールがまったく見えなくなってしまっている。このまま、新たな敵を登場させながらズルズルと続くんだろうか。
ガンパレード・マーチは何度もループし、らせんを描くゲームだった。したがって、榊版ガンパレも、TVアニメ版やコミック版と同様、第5世界の別ループを描いた作品であることは確かだし、それについては全く問題がない。しかし、榊版ガンパレも、おれの好きだったガンパレ世界からどんどん離れていき、光速の彼方に消えるのだろうかと考えると、ちょっとさびしい。
『ガンパレード・マーチ 2K 5121暗殺』 榊涼介 (電撃文庫)
ガンパレード・マーチシリーズの去年の新作(笑)を一気読み。
ガンパレード・マーチは一時期本当にはまったゲームで、会社のサーバー室でも「世界の謎掲示板」を読みふけっていたくらい。
世界の謎掲示板は、ゲーム製作会社がゲーム内の謎を解こうというゲーム外ゲームを仕掛け、そのゲームの会場となったネット掲示板。本当にそこまで練り込んであったのかと驚くようなシナリオと裏設定だった。
そのゲーム世界を引き継いで書き続けているのが“榊版ガンパレ”であり、ゲーム外ではもっともオリジナル・ガンパレ遺伝子が濃いと考えているガンパレ作品であり、これまでずっと楽しみにしてきた作品なのだが、どうも今回は乗れなかった。
故郷を愛する北海道出身者としては、樺山などという小物にそそのかされて日本から独立しようとするとか、1級道民と2級道民の階層社会とか、挙句の果てに幻獣に売り渡すとか、正直勘弁して欲しかった。これが、道産子部隊の活躍のひとつでもあれば変わったのだろうが、道民は完全なる道化か無関心の市民、役立たずばかり。これでは道民を馬鹿にしてるのかと思われても仕方がない。
まぁ、それ以上に、これまでの敵であった幻獣(の一部勢力)と和解してしまったために、わかりやすい敵がいなくなってしまったということが行き詰まりの問題としてあるのだろう。そのために、新たな敵を人類の中に作らざるを得なくなってしまった。これは強力な敵がどんどん出てくるドラゴンボール的マンネリの始まりなんじゃないだろうか。
今まで舞台に上がらなかった北海道はまだしも、さらには日本国内を裏から牛耳る影の組織、そして、壊滅寸前だったはずのアメリカ政府。いったい、ガンパレはどこに向かってしまうのか。
そんな変な方向に風呂敷を広げなくても、まだまだガンオケ緑、ガンオケ青のネタが残っているであろうし、いわゆる史実(ゲーム内設定)のネタがすべて尽きているわけでもないはずだ。
そもそも、黒い月の謎はどこに行ったのか。茜作戦、銀環作戦は発動するのか。幻獣との和解をメインに据えてしまったために、シリーズのゴールがまったく見えなくなってしまっている。このまま、新たな敵を登場させながらズルズルと続くんだろうか。
ガンパレード・マーチは何度もループし、らせんを描くゲームだった。したがって、榊版ガンパレも、TVアニメ版やコミック版と同様、第5世界の別ループを描いた作品であることは確かだし、それについては全く問題がない。しかし、榊版ガンパレも、おれの好きだったガンパレ世界からどんどん離れていき、光速の彼方に消えるのだろうかと考えると、ちょっとさびしい。