拝啓、世界の路上から

ギター片手に世界を旅するミュージシャン&映画監督のブログ(現在の訪問国:104ヶ国)

「日本のメディアが今すべき事、その可能性」

2010-05-31 | 旅人のひとりごと

普天間問題で鳩山政権の迷走ぶりが取り立たされています。

民主党の小沢幹事長の政治資金問題の火種もいまだに燻ったまま。

連日メディアでは民主党叩きが繰り返されており、このまま行けば次の参議院選挙で民主党は大敗するでしょう。


自民党が駄目だから民主党へと世論を盛り上げ、政権交代から1年もたたないのに今度は民主党をこき下ろす。

首相の無知・迷走ぶりは呆れるばかりですが、政権運営の経験の無い党に政権を任せることのデメリットの1つとして、ある程度は予測できたこと。


今のメディアの姿勢は、まるでどこかの若者を担ぎ上げて、風向きが悪くなると散々叩きまくる、アイドルタレントと同じ扱いのような気がします。



しかし自分達の国の将来、自分たちの生活の未来を語る上で、これで良いのだろうかと疑問を覚えます。


今のままの結論だと、自民党は駄目、民主党も駄目、やっぱり日本の政治は駄目なのだと、国民は日本の政治に見切りをつけるでしょう。

不況、デフレ、極端な円高による輸出業の危機等も重なって、日本の国民はより深い失望に突き落とされ、希望の光は見えないまま、日本はどんどんと下降線を辿っていくでしょう。

今NHKの大河ドラマは幕末モノですが、歴史上日本が世界の先進国になったのは、たかが半世紀程度のこと。日本がいつまでも先進国でいられる保障はどこにもありません。



人の失敗や問題点を見つけてそれを叩くのは簡単です。

政治と金の問題など、ある程度の大物政治家なら、叩けば大なり小なりいくらでもホコリが出てくることでしょう。


もちろん政治と金の問題を肯定するつもりはサラサラありません。

ただこの問題を語るならば、毎回誰かを槍玉にあげるだけでなく、どうしたら金がかからない政治を実現できるかを、併せて議論しなくてはいけないはずです。



我々国民が求めているのは、「民意に基づいた政治」です。


しかし一方で、民意というのは虚ろぎ易いものです。

そしてその民意はメディアの報道によって、大きく揺れ動くという現実があります。

だからこそ、日本の未来に対するメディアの責任はとても大きいものだと思います。



今の政治の問題点は、政治に(特に力を持った政治家になるのに)金がかかりすぎること、
そして首相は国民ではなく党に選ばれる為、国民よりも自分を選んでくれた党の意向を無視できないことです。



日本のメディアは今こそ、この「日本の政治の構造上の問題」にメスを入れる時ではないでしょうか。

既存の政治が駄目なら、政治の枠組みそのものを見直す議論を加速させる必要があると自分は考えます。


その一例が、国民の直接投票による「大統領制」の議論です。


衆議院の第一党が首相を選ぶ現在の政治では、政治家は選挙の時だけ国民に良い顔をして、選挙が終わればあとはこっち(政治家)でやるからということになってしまっています。


また、優れた個人の政治能力、リーダシップと、第一党の党首に選出されることは必ずしも一致しません。


これは民間の会社でもあるような、現場のことを何も知らないのに上役に取り入るのが上手だったり、コネ等でどんどんと出世する人間がいる一方で、現場では非常に有能でも、上司とそりがあわないという理由だけで、適切な働く場を与えられない事があるのと同じだと思います。


ただし大統領制と言っても、本当に適切な人を国民が選べるか?
タレント出身者等、知名度だけが優先されるのではないか?
言葉ではどんなに素晴らしいことを並べても、一国の将来を担う政治家としての能力はどうなのか?
という部分は、難しい課題です。


そこで併せて考えたいのが、「道州制」の議論です。


現在の都道府県を廃止し、日本を9~13の州にわけ、地方への権限を拡大させ、地方の活性化促進や、都道府県会議員や公務員の数を減らし、使いもしない空港の乱立等の無駄を減らして、「政治の効率化を進める」というのが道州制の考え方です。

ただ、会社間の統合と同じく、社風(この場合は県風?)が違うもの同士が統合による効果を発揮するには時間がかかるとも言われています。


この道州制実現時の最大9~13名の道州知事と国会議員の代表(実質的には与党第一党の党首)に、大統領の被選挙権を与える形で、大統領制の導入を検討してみてはどうか?というのが自分からの提案です。


道州知事の被選挙権の条件に、最低3年以上の知事経験等を含めれば、小さな政府である道州内での実績等が、国民がその人を選ぶ上での1つの指針となると思います。

これはメディアにもよく登場する、某東京都知事や大阪府知事等がいい例だと思います。


そして地方から国政への大きな流れと、地方政治へのクローズアップが今より大きく前進することは間違いないと思います。



大統領制の導入時は、某都知事や大阪府知事の例のように、議会との対立が当初きっとあることでしょう。
そして既得利権と対抗するにも、大きな力が必要です。

もちろん内閣不信任決議や議会の解散等の相互の抑止力は必要だと思います。

しかし大統領がより「民意に基づいた政治」、「国民が未来に希望を持てる政治」を進めれば、同じく国民によって選出される議会は、次第にそれに従わざる得なくなるのは東京都や大阪府の例からも明らかです。


自分の案が良いかどうかはわかりません。もっと良い案が他にあるかもしれません。


ただ政治が、そして世の中がこんな時代だからこそ、
数字主義ではなく、日本のメディアには、もっともっと日本の未来を真剣に考える場、議論する場を、国民に提供して欲しいと感じます。

日本の未来に光を差すことができる、そんな可能性がメディアにはあると自分は信じています。


そして自民党も民主党もこんな状態だからこそ、国民1人1人が自分たちの国とその未来を、もっと真剣に考え、議論する必要があると思います。


昨年夏の衆議院選挙でこれまでの大きな政治の流れを、国民の力で変えることができたように、きっと我々国民は、日本の未来を自分達の手で変えることができると思います。


「日本の未来、自分達の未来を諦めたくない」と、自分はそう思います。



※写真:沖縄の風景(竹富島)

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Anthony )
2010-06-15 22:33:40
シンドラーの墓を参拝した写真・日記を拝見させていただきました。ありがとうございます。私もいつかシンドラーの墓に行き、多くの人の命を救った彼の勇気ある行動の礼をささげにいきたいと思います。
返信する
コメントありがとうございます (かときち)
2010-07-05 03:45:00
映画「シンドラーのリスト」は感動的ですよね。

お墓はエルサレムの町の城壁の外にあります。

少しわかりずらいかもしれませんが、記念館のすぐ近くなので、その近辺で道を聞けば、親切に教えてくれるユダヤの人がきっといると思います。

自分はロンリープラネットを片手に調べていきました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。