拝啓、世界の路上から

ギター片手に世界を旅するミュージシャン&映画監督のブログ(現在の訪問国:104ヶ国)

セッション16/カズさんのパート「かけがえの無い宝物」

2012-02-11 | ニッポンジン!


シンジへ。

あけおめ~~~!カズです。
今年もよろしく~!!!

さて、トラブルが無事収束して何より。
1週間の自宅療養は大変だったね。もう体調は大丈夫???

すごく頑張ったのに、会社の上司からそんな風に言われたら、確かにへこむよな。

だけどシンジの話を聞いて、初めてオレが海外を旅した時の事を思い出したよ。


オレの初めての旅は20代の時。それまでの仕事を辞め、ギター片手に1年間、ろくに英語も喋れない、飛行機の乗り方も分からない状態で、いきなり世界一周の旅に出たんだ。

僅かな貯金も全部吐き出して、大変な思いをして、危険な場所に行って何になるんだって、周りから言われたよ。アイツは頭がおかしくなったと言う奴もいた。


自分自身、旅の最中トラブルにあって、お金をとられたり、怪我をしたりした時に、本当にオレは何をやってるんだって思ったよ。


でもその経験は、今のオレという人間を支えてくれる、大きな太い柱になっている。

そして何より、その旅で知り合った多くの友人は、10年という月日を越えてなお、今も一生付き合える友達として、オレにとって大きな大きな財産になっているんだ。

ニュージーランドで会った人、アメリカで会った人、タイで会った人、場所は様々だけれどね。


その中でも、イースター島で出会ったアメリカ人のコナンとは、彼がギタリストだった関係で、一緒にチリのサンチャゴのライブハウスで歌ったり、世界一周の旅の後、彼が日本に遊びに来てくれた時に、二人で東京、名古屋、大阪と旅をして、路上で一緒に歌ったりもしたんだよ。


彼が結婚した時は、奥さんを連れて日本に遊びに来てくれて、東京の新橋の焼き鳥屋で一緒にお祝いをしたんだ。


そんな多くの大切な友人達と出会えた旅は、オレにとって"かけがえの無い宝物"なんだよ。

旅の前に「そんな意味の無いバカな事をして何になる」と言った人達に対して、胸を張って「オレは間違っていなかったよ」って言えるんだ。


シンジの前任者が言った「やったモノ負け」なんて、きっと無いってオレは思うんだ。

その出来事をプラスにできるか、マイナスになるかは、他の誰かが決めることではなく、自分次第なんだって。



そういえば、イースター島でこんなエピソードがある。

発展途上国で貧乏旅をしていると、よく騙されたり、ボラれたりすることがあるのだけど、イースター島でコナンとタクシーをチャーターした時に、その世界一周の旅で初めて、こちらの言い値に対して「そんなにいらないよ」と、金額を下方修正されたんだ。

こちらが払うと言っているのだから、黙ってもらっておけばいいのにと思うよな。

だけどその運転手は、「この小さな島で酷い行いをしたら、この村にいられなくなってしまう。誰も見ていないと思っても、どこかで誰かが見たり、聞いたりしていて、いつか必ず自分に返ってくるからね」と、オレ達に言ったんだ。

そしてそれは、おそらく悪いことだけじゃないって、オレは思っている。

日本円にしたら、たった数百円のことかもしれない。

でもそれが回りまわって、きっとこの運転手に幸運が訪れるだろうって、オレは信じているんだよ。


シンジ。シンドイ時は下を向いちゃいけないって、オレは思うんだ。

サッカーの試合と同じで、下を向けば足が止まる。だからシンドイ時程、前を向いて、いつもより強く腕を振り上げて、オレは走るようにしているんだ。

90分走り抜いた後に、笑ってピッチの上に立っていたいから。


シンジ。お前は決して1人じゃないよ。

インターネットのその先には、このオレがいて、俺達の絆はネットを通して、ちゃんと繋がっているから。

その事を忘れないでいてくれよ。


カズより



P.S.
今日の写真は、イースター島のラノララクで、夕日を見ながら歌った時の写真だよ。

これはオレのアメリカ人の親友、コナンが撮ってくれた写真なんだ。

初めてギター片手に世界一周した旅で、1番思い出に残っている、オレのとても大切な写真なんだよ。


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