日揮の日本人駐在員7人を含む、多くの犠牲者を出したアルジェリアでのテロ事件。
これまでそれ程大きな問題が起こっていなかった場所ということもあって、海外で仕事をしたり、旅をしたりする自分達にとっても、決して他人事ではありません。
時を同じくして、マリの紛争に、旧主国のフランスが軍事介入したので、これらとの関連性が疑われましたが、アルジェリアやマリの事件首謀者の声明からはどうやら無関係のようです。
むしろ発端は所謂“アラブの春”で、近隣の独裁政権が倒れ、武器が大量に流出したこと、イスラム過激派にとっても歯止めとなる軍事政権が近隣から無くなったことの影響だと言われています。
数年前に自分が陸路で旅をしたシリアやマリが、今では内戦に近い状態で大きなショックを受けています。
国際社会は本当にめまぐるしく移り変わるものだということを、その地を実際に訪れ、何らかの関わりを持ったりすると実感します。
一方で、日本に帰国して約1年になりますが、これだけ地球のサイズが小さくなって、世界が近くなっても、島国ということが影響してか、やはり日本と国際社会の間には、心情的にまだまだ距離があるのだなと感じます。
ビデオ会議や電話で、よく海外の同僚や顧客と一緒に仕事をするのですが、海外で仕事していた頃に見えていた景色と、東京で見える景色がこんなにも違うのか!?という、驚きに近いこの感情は、やはり実際に体験しないとわからないものかもしれません。
この距離感を早く縮めないと、日本の未来は危ういものになると、自分は思っているのですが、この1年日本国内から出ていないこともあってか、最近海外にいた頃に感じていたその気持ちが、少しずつ薄れつつある自分自身に対して、少し危機感を感じています。
1つだけ言えるのは、今回のアルジェリアの事件は、自分達にとって無関係な遠い国の出来事ではなく、すぐ傍で起きた身近な現実だということです。
地球のサイズが日々小さくなっていく中で、いつ自分達が当事者として同じような場に居合わせるかわからない世の中になってきていることを、忘れてはいけないと思う今日この頃です。
※写真:ニジェール川沿いで朝食を作る女性達と、朝の漁にでる男性達。(2007年マリにて)