リスペクトコラムです。
JリーグにVARが導入されて何年も経ちましたね。導入までは毎年「世紀の誤審」などと言われたミスジャッジがスポーツニュースを賑わせていました。DAZNの「ジャッジリプレイ」でも賑やかに番組が盛り上がっていました。導入時期にはやれ「プレーが止まって雰囲気を壊す」「ビデオ判定はサッカーにふさわしくない」など悪く言われたものでした。しかし、今やVARは浸透し、VARが無いJ2やJ3でも「世紀の誤審」というニュースは聞かれなくなりました。そんな中、「FVS」という新たなキーワードが登場しました。
【サッカーにVARは本当に必要か 検証(1)母国で「廃止論」、三笘の「1ミリ」と新潟VS柏戦「トラブル」、レフェリーの「起源」】
「■サッカーの母国からの『衝撃的な訴え』
サッカーの母国であり、今や名(スター選手の多さ)実(収益の多さ)ともに『世界最高のリーグ』と言われるプレミアリーグを持つイングランドから、『VAR廃止か』という衝撃的なニュースが流れたのは、5月中旬のことだった。
ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)に関する議論のやかましさは、イングランドの右に出るものがない。さすが『サッカーの母国』であり、『レフェリー』という存在、名称自体を生んだ国と言わなければならない。」
「■『気恥ずかしい』VAR判定を待つ時間
さて、2018年のルール改正で正式に使用が認められ、その年のワールドカップ・ロシア大会で使用されたのを皮切りに、VARシステムは世界の主要大会で使用されるようになった。プレミアリーグでも2019/20シーズンから使われ、5シーズンを過ぎた。だが、最終判定までに時間がかかりすぎること、『誤審をなくす』ことが目的なのに、逆にVARが誤審を導くこともあり、イングランド・サッカー協会とは独立した組織になっているプロ審判協会がたびたび謝罪をするハメになるなど、問題も多発している。」
確かに少し前にVARの廃止論が欧州で出ているニュースを聞いています。その時は極論だろとか、泡沫論だろとか特に気に留めていませんでした。ただ、今回のコラムを読んでいると、なるほど「チャレンジ(リクエスト)」にシフトしているんだと個人的に認識していきました。以前の記事を読んでもらえばわかりますが、当ブログは元々チャレンジ(リクエスト)制理想論者です。なので、今回リスペクトする事にしました。VARが導入されてまだ6年なのですね。長かったような短かったような。日本ではVARで試合が揉めるという事は稀ですが、欧州では揉める事が多いのですね。
【サッカーにVARは本当に必要か 検証(2)FIFA発表「最新テクノロジーFVS」導入とVARの「害悪」、大迫勇也の「幻ゴール】
「■両チーム2回ずつリクエスト権のある『新システム』
そうした中、このニュースとタイミングを合わせるように、国際サッカー連盟(FIFA)が、下部のリーグにも広めようと、新しいシステムをテストしていることを発表した。正式認可の直後の2018年ワールドカップでVARを使い、その成果を誇って以後の大会でも使い続けているFIFAである。新しいシステムを『フットボール・ビデオ・サポート(FVS)』という。
複数台のカメラで撮影された映像を使って正しい判定に導くという点ではVARシステムと同じだが、FVSシステムでは、映像を見て判定をチェックし主審を助ける『ビデオ・アシスタント・レフェリー』を置かず、ビデオ・オペレーターのアシストを得て主審自身が映像を見て最終判断を下す。映像チェックは、両チームが1試合に2回ずつ権利を持つ『リクエスト』によってのみ行われる。
■『一般人や学生の大会でも使える』と胸を張るも…
対象となる事象は、『得点』『PK』『退場』『カードの人間違い』の4種類で、VARシステムと同じだが、リクエストによって判定が変われば『2回』の権利は維持され、判定が変わらなければ1回分の権利がなくなるという、他の競技でよく見られる形式である。
FIFAは5月上旬のユース大会でカメラの台数を3~7台にするなどさまざまなテストを行い、非常に良い結果を得たという。そして『アマチュアや学生の大会でも使える』と胸を張るが、実際にどれほどの経費がかかるのか、明らかにはしていない。
だが、『グラスルーツ(草の根、一般大衆のレベルで行われる運動)』にまでビデオ判定を持ち込むことに大きな疑問は残る。ワールドカップやプロの1部リーグには、1得点、1勝ち点に大きな『経済的意味』すなわち金銭価値が直結する。だからVAR導入は仕方がないと考えているファンも多いに違いない。しかし、グラスルーツで厳密に『正しい判定』を求めることに、どんな意味があるのか。」
「ビデオ・アシスタント・レフェリー」を置かず、ビデオ・オペレーターのアシストを得て主審自身が映像を見て最終判断を下す。映像チェックは、両チームが1試合に2回ずつ権利を持つ「リクエスト」によってのみ行われる。判定が変わらなければ1回分の権利がなくなるというのはバレーなど他のスポーツとほぼ同じシステムですね。
ただ、コラムにあるようにアマチュアまでカテゴリを下げると、そこまで厳格性が必要なのかという事も出てきます。個人的にはそれはそれでありかなと。バレーボールでもV1リーグではチャレンジ(リクエスト)できても、V2以下や黒鷲旗、サマーリーグではチャレンジ(リクエスト)は使えない。でも特に問題は起こっていない。なので今までどおりJ1までとか下げてもJ2までとか線引きすればいいと思います。
【サッカーにVARは本当に必要か 検証(3)誤審ピエロを救う「VARと集中」、ストレス軽減「リクエスト制」、プレミア古豪「提案の意義」】
「■プレミア1部ウルブスの提案で生き返る『重さ』
プレミアリーグでのウォルバーハンプトン・ワンダラーズの提案が可決されるためには、20のクラブの3分の2、14クラブ以上の賛成が必要だという。その可能性はまずないと言われている。しかし、それを承知で、敢えて『VAR廃止』を提案したこのクラブの志は大とすべきだと思う。
もしかしたら、『FVS』のように1試合2回までの『リクエスト制』にしたら、チームや見る側のストレスは大幅に低減されるかもしれない。映像を見て主審に『あなたの判定はたぶん間違っているから確認して』と伝える『ビデオ・アシスタント・レフェリー』をなくすことで、サッカーの文化における中核的な思想であるレフェリー(主審)の判定の重さが生き返るかもしれない。
VARが正式誕生して6年、ウォルバーハンプトン・ワンダラーズの提案は、ファンを含め、サッカーにかかわるすべての人がVARのあり方を再考し、サッカーという文化のなかでレフェリングというものをどうしていくか、考えるきっかけになったのではないだろうか。」
イングランドでのVARの廃止論は、プレミアリーグ・ウォルバーハンプトン・ワンダラーズからの提案なのですね。このVARかFVSかという議論ですが、サッカーだけ見ているとすごいこだわりの争い、審判の地位の保全など、サッカー独特の世界観を感じますが、当ブログはバレーやラグビー(’大相撲もそう、物言いですね)で見慣れているので、さっさとチャレンジ(リクエスト)制を導入すればいいのにと思います。
ただ、7年前まではビデオ判定自体が無かった訳ですから、サッカーというものは何と時代遅れな競技なのかと思います。人気度と審判の強固な位置に阻まれて、スポーツ界全般から大きく後れを取ったつけだなと思います。遅れに遅れてやっとチャレンジ(リクエスト)制が出てきたのはいい事だと思います。
ビデオ判定(VAR等)関連⑳:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20240419
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