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Jリーグの話題153

2018-05-23 00:01:47 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 いよいよ導入が近く、最近取り上げられる事が多くなったVARですが、少し前に面白いコラムがNumber Webに掲載されました。細かいデータがいくつもあって説得力がありました。VARは何なのか、考えさせられる内容です。
   
【Jリーグのビデオ判定はどうなる? 試合が止まる時間は1分以下だが……。】
「ルヴァンカップでは、Jリーグとは異なり、昨シーズンから2人の追加副審が導入されている。追加副審というのは、ゴール横で判定の助けをする存在だ。これまでもUEFAの大会などで採用された過去がある。彼らがいると、ゴールにボールが入ったかどうかを近距離で確認できるため、従来の副審はオフサイドラインの判定により注力できる。
 従来の形だと副審が、ゴールかどうかを判定しつつ、オフサイドラインの判定もするため、追加副審がいるときと比べてミスが起きやすいというのは間違いない。実際に、Jリーグの川崎戦のような込み入ったシーンがルヴァンカップで発生したときも、比較的きちんと判定が行われているように見受けられる。」
〔海外でも批判の声が大きい。〕
「VARについてはアジアでは韓国やオーストラリアがすでに導入し、日本はUAEやサウジアラビアとともに導入への準備を進めている段階だ。早ければ来シーズンから導入が見込まれている。もっとも、設備投資や審判のトレーニングに時間もコストも要するため、導入されたとしても対象試合は限定されることが濃厚だ。」

〔実は試合を止めている時間は長くない。〕
「批判の根拠はいくつかある。まずは、従来のサッカーのスピード感を阻害しているというもの。しかし、これについてはサッカーのルール制定をしているIFAB(国際サッカー評議会)の統計によると、調査した972試合のなかで、VARによってプレー映像を確認したのが3試合に1試合の割合。また、1試合あたりの映像確認に要する平均は55秒だという。ちなみに昨シーズンのCLとELの準決勝以降の計10試合で、プレーの流れがとまった時間は以下のようなものだ。」
・直接FK:8分51秒   ・スローイン:7分2秒   ・ゴールキック:5分46秒   ・コーナーキック:3分57秒   ・選手交代:2分57秒
   
〔誤審は目立つが、正しい判定は目立たない。〕
「これらを比較すると、VARが試合の流れを著しく損ねるというのはあてはまらない。選手や観客にとってVARが試合の流れを阻害していると感じる理由は、大きくわけて2つあるはずだ。
 1つ目が、レビューは1試合で何度も起こる事態ではないからだ。たとえば、選手交代ならば1試合で最大6回。1回あたり平均30秒弱の所要時間なので、たまに起こる平均55秒ほどの行為が非常に長く感じられる。
 2つ目が、従来のサッカーの試合の流れに慣れているために、従来なかった形で試合がとまると、それを実際以上に長く感じるからだろう。
 また、気になるのはVARの採用によって、誤審がどのくらい減るのかについてだ。IFABの調査によれば、以下のようになる。
・VARなしで正しい判定がされる確率   93%
・VARを導入して正しい判定がされる確率 98.8%
 確かに数字はあがっている。しかし、審判の判定に関する難しいところは、正しい判定についてはほとんど触れられないことだ。」

〔VARでどの程度判定の正確性が変わるか。〕
 VARの適用範囲についても、誤解がある。適応されるのは、おおまかにいって、以下の4つの場面に限定されている(括弧内の数字は、VARを採用した際に正しい判定の確率がどの程度上がるか)。
・ゴールか、ゴールでないかにかかわる判定 (91.6%→99.1%)
・PKかPKではないかにかかわる判定     (90.5%→98.3%)
・一発退場かどうかにかかわる判定        (96%→99.1%)
・(カードの対象者の)判断                 (72.7%→100%)
「これは、VARはVideo Assistant Referee という名前の通り、判定をアシストするものだ。ピッチの外で映像を見ながら検証している4人のレフェリーは、試合でくだされた判定が疑わしいときに、「レビューを提案する」ことしかできない。
 そのうえで、最終的な判断を下すのは主審である。主審が判定に自信をもっていれば、レビューを行なわなくても良い。この点が、他の競技とは違うところだ。」
「JリーグのVARでは、試合の行方を左右するような、重大かつ明白な誤りを修正するものだ。役割を限定しているからこそ、それなりに短い時間の中断で済んでいる。
〔それでも、拒否反応は出る。〕
「正しい判定は話題にならないため、VARの運用によって混乱したシーンばかりが言及されてイメージが悪くなりがち。従来のサッカーにはないものだから。VAR1回あたりの所要時間が長いことがクローズアップされるから。そして、VARの適応範囲とコンセプトが理解されていないから。さらに、TVで観戦している人はリプレーを何度も観ることが出来るが、スタジアムに来ている人が状況を上手く理解できないという問題もある。こうした条件があるので、人々は拒否反応を示しがちだ。」

〔誤審が減ることを望まない人はいないのだから。〕
 「スタジアムでのアナウンスからメディアの報道まで含めて、VARについての理解を深めていくことで、VARに関する誤解と効用について理解を深めていくしかない。忘れてはならないのは、これまで何度も誤審で涙をながしたり、怒りに我を忘れた人たちがいたことだ。誤審が減ることを望まない人は1人もいない。だからこそ、誤審を減らすための取り組みは避けて通れない。」
引用:Number Web


 結局はVARは判定をアシストするもので、決定するものではありません。書いているとおり、最終判断は主審です。VARが導入しようが、決めるのは主審です。正しい判定は話題にならず、ネガティブなシーンばかり話題になっている面もあります。最後に締めているように、誤審を減らすための取り組みは避けて通れないとありますが、世の中の流れはVAR導入です。時代の波には逆らえません。
 サッカーしか見ない人にとっては抵抗感があっても、当ブログは日頃他のスポーツも観ているので、全く違和感はありません。Vリーグやテニスでしょっちゅうビデオ判定のシーンが出ます。大相撲もそうですし、最近ではプロ野球(リクエスト)でも導入されています。VAR反対派の方がおられたら、Vリーグやテニスのチャレンジシーンがある試合映像を一度観てください。考え直せるはず。
VAR関連⑤:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20171115
 〃    ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20171025
 〃    ③:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170428
 〃    ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20161216
 〃    ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20160912

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