J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

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クラブ経営について68

2016-05-14 00:01:50 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介コラムです。
 ここ最近、三菱自動車の燃費データ不正事件から、日産自動車の子会社化と話題は移り、倉敷市民としても水島製作所の動向が気になっていました。ここで、サッカー界でも大きな問題がクローズアップしてきました。日産が事実上三菱のオーナーになる事で、両社が親会社を務めるJクラブの立ち位置が微妙になってきたのです。すなわち、Jリーグでは1オーナー企業が2つのクラブを経営できないというルールに引っかかるというもの。これは大事件の予感です。昨日、今日と各マスコミで報じられていますが、大体中身は同じです。まずは清義明氏のブログ。以下、抜粋して紹介。
   
 J1浦和の運営会社・浦和レッドダイアモンズ㈱は、三菱自動車が50.63%の株式を保有する子会社。Jリーグで唯一のビッグクラブと言っていいほどの人気を誇る企業で、かつ、少子高齢化や国内サッカーの人気不振で苦しい台所事情がどのチームも当たり前のJリーグで、唯一の経営的にも優良企業。'15年度の営業収入は60億円で、3年連続の増収。入場者数は一試合あたり38,745人でJリーグでも図抜けたもの。
 '14年度はJ1クラブの平均営業収益は約33億円だが、J1浦和は倍近くの58億円。2位のJ1横浜は45億円ですが、この年には差別事件でJリーグ初の無観客試合を制裁があったので、本来ならば更に差が開いていた模様。
 経営も順風満帆。人気チーム故の営業収入を背景に5年連続最終黒字。Jリーグの上位チームのほとんどが親会社から、損失が出ると広告費名目で事実上の損失補てんを受けているが、J1浦和は'05年に親会社である三菱自動車からのこの手の経営支援を受けていないことでも有名。経営規模からも財務状態からも、プロスポーツチームとしての自立経営という側面からも、浦和レッズは「超」がつくほどの優良なクラブチーム。

 三菱自動車は、50.63%の株式を手放すと予想すつ2つの理由。1つ目は、不正事件のための数千億円にもなるであろう巨額の損失を三菱自動車は受け止めきれないだろうということ。結果は日産の子会社化へ。一昨年に、J1横浜の株式を親会社の日産自動車が、事実上UAEの国営企業であるマンチェスターシティグループに売却。全株式の20%程度のものだったが、今回おそらく全てのJ1浦和の株式を売却するのではないか。
 2つ目の理由は日産が巨額出資して事実上傘下に入れる事が決まった事。2,000億円超の巨額出資を行って事実上子会社化。日産は三菱自動車が行う第三者割当増資を引き受ける形で株式の34%を取得する模様。出資額は2千数百億円に上る見込みで、日産は現在、合わせて株式の1/3を出資している三菱グループの主要3社を抜いて筆頭株主に就任。

  Jリーグ規約の25条の5項で、同一株主の複数クラブの株式保有を制限。Jクラブは、直接たると間接たるとを問わず、他のJクラブまたは当該他のJクラブの重大な影響下にある法人の経営を支配しうるだけの株式を保有している者に対し、自クラブまたは自クラブの重大な影響下にあると判断される法人の経営を支配できるだけの株式を保有させてはならないと規定。日産自動車は現在、J1横浜の73%の株式を保有しており、三菱自動車が過半数の株式を保有しているJ1浦和が日産自動車の傘下に入れば、これは十分に同一株主の複数クラブ保有の制限に抵触。

 これを切り抜ける方策は以下の2つ。
①日産自動車が所有する2つのチームの合併
②どちらかのチームの株式を売却
 
 ①は現実的でなく、②としても日産自動車は、J1横浜に関してはまだそれなりの愛情をもっている様子なので、J1浦和の株式に手をつけるのが自然な流れであり、J1横浜より高く売れる事もある。J1浦和の過半数株式の価値は高く、国際価格で見積もって数百億予想できるが、そういう金額を出せる日本企業があるかどうかは疑問。J1浦和もJ1横浜が先鞭をつけたように外資企業、中国資本に爆買いされるというのは可能性は十分に存在。
清義明氏ブログ該当記事:http://masterlow.net/?p=2466

 かなり具体的で、気持ちのこもった記事でしたね。当ブログ的には、いっその事市民クラブ化したらどうかと一瞬思いましたが、資本面が問題なのであり、株式を手放す事が大前提。2クラブともそのままの状態で継続できるという可能性は限りなくゼロであり、マリノスさんよりも浦和さんが売却される可能性の方が高い。では、どこに売却されるのかがこれからの関心事ですね。次は毎日新聞の記事。

 今回の提携が、両クラブにも波及するかについて、Jリーグ広報部は「クラブ側から報告がないので現段階ではコメントできない」とコメント。また、J1浦和広報部は「現段階でコメントできない」と、J1横浜広報部も「決定した事実がないことにお答えできない」とコメント。
 J1浦和の運営会社は'93年のJリーグ開幕後、三菱自動車の完全子会社だった時期もあったが、現在は三菱自動車が筆頭株主として残るものの、地元企業も出資するなど三菱色は弱体化。
 三菱自動車は浦和レッズの最上位スポンサーである「トップパートナー」としてレッズの公式サイトで紹介されていたが、今回の問題を受けて表記が消滅。チーム名、チームカラーの「赤」は、三菱自動車の企業ロゴである「スリーダイヤ」から取ったもので、今後、三菱自動車がJ1浦和の運営から撤退すれば、長年、多くのサポーターから愛されたチームの象徴が消える可能性も。
毎日新聞該当記事:http://mainichi.jp/articles/20160512/k00/00e/050/249000c

 本当に突如登場したショッキングなニュースでした。三菱自動車が不正をしていなかったら、何も変わらなかったのに。浦和サポーターは三菱自動車を恨む事でしょう。その昔、忘れもしませんが横浜フリューゲルスというチームが、親企業のうち1社(佐藤工業)が経営不振で撤退し、マリノスさんと合併しました。その時のダメージはすさまじく、それ以降はJクラブの合併や閉鎖はゼロでした。ヴェルディさんが破たん状態になろうが、Jリーグは歯を食いしばって支えてきました。それもフリューゲルスの強い教訓です。1つのクラブが消えてしまうという事はJリーグ百年構想に背く悪しき行為です。
 しかし、今回はクラブではなく親企業そのものの吸収子会社化なので、Jリーグ側も困惑している事でしょう。さて、これからどうなるのでしょうか。三菱グループで買い支えるのか、浦和さんがクラブの形態を変えるのか、中国資本に買われて、広州恒大日本版になるのか、とても気になります。バルサのように世界中からソシオを募り、サポーターで買い取ってはどうかとも思いますが、非現実的か。また、紹介してみたいと思います。
J1浦和関連:30 / 29 / 28 / 27 / 26 / 25 / 24 / 23 / 22 / 21 /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /

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