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Jリーグ百年構想について4

2015-11-15 00:09:09 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介コラムです。
 最近、Jリーグ百年構想の昔の記事を特集しています。まだまだ次が続きますが、2008年の頃の記事に、当ブログの師匠的存在である、傍士Jリーグ前理事の「『地域のクラブ』という意識 『スポーツでつくる幸せな国 『Jリーグ百年構想』へのアプローチ』連載終了に寄せて」というタイトルのコラムを発見しました。なぜ当ブログが、傍士Jリーグ前理事を師匠的存在と呼ばせていただくのか、それは過去の記事でたくさん触れてきたので省略します。それこそ、ファジの今の方々が誰もいない法人化前の2005年の頃(傍士氏は当時、日本政策投資銀行岡山事務所長)の話になるので。このコラムにJリーグ百年構想の原点があると思います。当ブログでやや首をかしげる今のJリーグ理事さん達にもぜひ、目を擦り上げて読んで欲しい内容です。以下、抜粋して紹介。
       
 Jリーグニュースではvol.146(2008年3月28日発行)からvol.165(2009年10月30日発行)まで、Jクラブの地域密着への活動をリポートする「スポーツでつくる幸せな国『Jリーグ百年構想』へのアプローチ」の連載を行い、クラブが地域の一員になろうとする多彩な取り組みを紹介。各号2クラブずつ、合計18回にわたるシリーズの終了にあたって、地域の事情などに詳しいJリーグ理事の傍士銑太氏が総括を寄稿。

【多彩なJクラブの取り組み】
 Jリーグはどのような活動を行っているのか、Jリーグの理念がどのようなものであるかというのは、Jクラブが実際に取り組んでいる活動を通して知ることが可能。おそらく、地域貢献活動がほかのJクラブの地域に伝えられる機会は少ないと思うので、その内容をこうしたリポートによって数多くの人々に知ってもらうことは非常に意義があり、それをメディアの目で見て、広くホームタウンや一般読者の方々に伝えたことに意味があると言える。
 J1・J2の36クラブのうち、'93年からの10チームは17年、今年入会したばかりの3チーム(富山、栃木、岡山)は1年に満たないという歴史の違いがあり、それぞれの活動の段階がよく表れているのも興味深い。活動の内容にもよるが、ゼロから始めて地域に密着しようとするクラブから、地域がすでにクラブの価値を認め、その先のアクションを起こしているクラブまで多様。
 また、一口にホームタウンといっても、県全体を盛り上げようとしているところから、まず、おひざ元の町を起点に活動を広げていこうというクラブまで様々。これは、どちらがいい、悪いということではなく、読者が36クラブを見比べ、「こういうやり方もあるんだな」と参考にしたり、興味をもってもらえたらいいと思える。
 地域の特徴を生かした活動にも注目。京都なら商店街や学生に焦点を当てた活動。川崎が取り組むスポーツと音楽のコラボレーションは、川崎市のテーマでもあり、「原点回帰」を目指す動きも存在。甲府は、財政難によって消滅の危機に瀕したところから、クラブと地域が手を携えて立ち直り、磐田も初心に帰ってさらに地域に溶け込もうと努力。東京Vはクラブの伝統を見直し、育成組織から人間教育を含めて選手を育成。G大阪も「地元に愛されるクラブ」を推進。いずれも、経営危機や成績不振、入場者の減少などの厳しい経験によって、地域密着の重要性、必要性をあらためて認識と推測。クラブを挙げての活動もあり、「選手とスタッフの距離が縮まり、全員参加によりクラブ内の結束がより強まった」(千葉)という効果を生んだ例も。

【意識変化のバロメーター】
 現在、Jリーグの理念を実践しようという活動は、クラブ側からのアプローチが主体。この連載においても、Jリーグ創設時には未熟だった地域密着という概念を、クラブが地域に示そうとして、年を重ねるごとに定着が顕著。しかし、本来は地域がクラブとその意識を共有できたときに「ホーム」という概念が名実ともに出来上がり、「Jリーグ百年構想」の実現が加速。クラブが地域に密着しようとする活動には、さまざまな段階があるが、いずれにしても、「地域のクラブ」という意識を、クラブ側も地域側も持つことが大切。
 地域のクラブという意識では、クラブのアプローチに対する地域の意識変化が言葉にも反映。 例えば、広島のリポートには「わしらの街のサンフレッチェ」というフレーズが登場。そういう言葉が出てくるようになって、その気持ちを活動で表わすようになれば、本当の「Jリーグ百年構想」へ近づいていくことができ、一方通行ではなく、一緒に手を携えた形での歩み。
 大阪の人なら「ガンバは…」から進んで「うちのチームは…」と言うようになる変化が重要な指標。一般の人々に話す時に「うちのチームが…」という言葉が聞かれるようになればうれしいこと。また、3人称でも「アルビレックス(新潟)」ではなく「アルビ」、「コンサドーレ(札幌)」ではなく「コンサ」とニックネーム化しているのも、その第一歩だと思われ、こうした何気なく表れる言葉も、地域のクラブとして定着しているかを測る物差しと言える。

 また、リポートには「コミュニケーション」という言葉も何度か出てくるが、その意識を共有できる場、ファン・サポーターが共通の時間を持つことができる場であるスタジアムが、どこまで真の「ホームスタジアム」といえる存在になりきれるかが重要。地域貢献活動も、数多くの人々がホームスタジアムに足を運ぶようになってこそ、実りあるものとなり、その求心力となるのが、「聖地」と呼べるような存在となったホームスタジアムではないか。そして、クラブも地域もホームスタジアムを意識することが、地域貢献活動の評価につながると考えられ、地域貢献活動の成果を数字で測ることは難しいが、入場者数は一つのバロメーターと推測。
 清水は2005シーズンから入場者が増え続けているが、クラブが静岡市と協力して実施しているタウンミーティングの一つの成果ではないか。クラブと地域が同じテーブルについて一緒に議論し、意識を共有して連帯した結果、ホームスタジアムのあるべき姿が出来上がりつつあると思われ、「連携」がさらに進んだものが「連帯」。連帯保証人というのは債務者と同じ立場だが、運命共同体ともいうべき立場に高めることが重要。もちろん、活動を行ってすぐに成果が上がるものではないだけに、地道に活動を継続することが不可欠。
    
【ブランド力を高めるために】
 岡山も、求心力の中心にスタジアムを考え、岡山県陸上競技場(現在はCスタ)を核にしようと考えており、スタジアムから同心円的に活動を広めていこうという考え。川崎もスタジアムのある川崎市中原区を基点に活動を開始していった経緯があり、G大阪もホームタウンの吹田市に周辺3市を加えた地域を重点エリアとして、活動を実施。スタジアムにオフィスを置いたり、クラブショップを併設したり、近くに練習場があるなど、クラブが施設を集約する段階に入ってきたことも、スタジアムが求心力の中心になりつつある例。
 人々がスタジアムへ足を運ぶきっかけは様々だが、仲間がいて、感動や喜び、時には悲しみを共有してサッカーを好きになり、コミュニケーションの場となる存在。街中の広場みたいな感覚で、そこに行けば楽しいことが待っている。その目印となるシンボル的なものがスタジアムであり、地域の自分たちのクラブ。それはJ1だろうが、J2だろうが変わりはなく、クラブの地域貢献活動は、スタジアムに足を運ばせるきっかけの一つとなり、Jリーグがそのような機会や場をつくったというのは非常に意義深いこと。
 Jクラブが行っている地域貢献活動は、もっと多くの人々に知ってもらいたい。それには、こうした活動の対象となった学校や商店街、施設の側からも発信してもらうことが大切だろう。例えば、「Jクラブにこんなことをしてもらいました」「Jクラブと一緒にこんなことをしました」などなど。自らアピールする以上に、コミュニケーションの相手側から発信してもらうことによって、効果が増すのではないか。
 もちろん、こうした活動はそれぞれの地域のメディアで取り上げられているが、なかなか全国レベルで触れる機会は少ない。36クラブの集合体としてJリーグを考えた場合、せっかくの素晴らしい活動をもっと広くアピールしない手はない。それは、Jリーグのブランド力を高めることにもつながるはず。

 何か一昔前によく聞いた話であり、現在のJリーグ公式HPでは余りお目にかかれない景色だと思います。後発クラブで先輩クラブから「選手による社会貢献活動などきれい事、先立つものはお金」と聞いたような話を、ネットかどこかで耳にしたことがあり、現在のJリーグの風潮を象徴している価値観だと思います。申し訳ありませんが、そういう商業主義では結局は文化にならないし、百年は絶対に続かないと思います。こんな面白いグッズ、目を引いたスタグルが果たして百年地域に根を張れるでしょうか。
 よく当ブログで言う例えですが、「人はモノではなく、心で動く」と。カレンダー問題や2ステージ騒動について、今のJリーグの状況を傍士前理事はどう思っているのか機会があれば聞いてみたいものです。また、清音に来られないかな。あと、コラムにも名前が登場した岡山についても、今どう映っているのか、Jリーグ百年構想の視点からどう見えるのか、ぜひお聞きしたいです。
 あと、様々なクラブ関係の方々が当ブログを観に来られているようですが、J3クラブや百年構想クラブはぜひお手本を間違えないように、これらを読んで欲しいですね。という事で「Jリーグ百年構想 レポート」関連はまだまだ続きます。次回第4回は2007~2006年編です。お楽しみに。
JリーグPRESS該当ページ:http://www.jleague.jp/img/aboutj/document/jnews/166/vol0166_04-08.pdf
「Jリーグ百年構想 レポート」関連第3回(2009~2008年編):http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151108
     〃               第2回(2011~10年編):http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150920
     〃               第1回(2012年編):
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150913
Jリーグ組織問題関連 (その他):30 / 29 / 28 / 27 / 26 / 25 / 24 / 23 / 22 / 21 / 20 / / / / / / / / / / / / / / / / / / /
Jリーグ組織問題関連(2ステージ関係):29 / 28 / 27 / 26 / 25 / 24 / 23 / 22 / 21 / / / / / / / / / / / / / / / / / / / /

 話は変わり、今日ファジのホーム千葉戦に行ってきました。その模様は明日。そして、明日はクラブ史上初開催のサポカンがあります。どれだけ活発な意見交換が行われるかが、どれだけファジ愛を持たれているかのバロメーターだと思っています。知った顔と話しても、どうもまだサポカン慣れしていない印象があります。まぁ、初めてなのでしょうがないですが。有意義なサポカンになればいいのですが。

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