kasaruの今日も有り難う

僧侶歴46年。講演依頼受付中
サルコイドーシス・バセドウ病の旦那
岡山へ就職長男23歳
アペール症候群次男19歳

「おくりびと」

2009-02-25 | Weblog
残念ながら未だアカデミー作品は見ていません。

映画館での希望以上の音量に対応出来ないので、

いつもDVDを借り、自宅の小さな画面で見ています。

その小さな箱も長年の劣化(ブラウン管)により、

夜のシーン等は判別不能になるので地デジ対応に向けて

未だに家族会議中です。

連日の「おりびと」報道に世も浮き足立ち、

今まで関心の無かった、またあえて避けていたヒト達も、

こぞって見ている姿に日頃『生と死』は共にあることを

記している私はとても喜んでいます。

時々 このブログでも書いていますが、

ヒトの一生は長さではなく、

おくられる者が

おくる者に如何に

命の尊さ、愛しさ、儚さを伝えられるか?!

だということだと思うのです。

そんな中、今回の映画を切っ掛けに

希薄に感じられる家族の絆をもう一度結び直す

機会が与えられたのではと思っています。

お互いの命の在り方を語る時間を持っているヒトは

日本では10%にも見たないとか・・・

いつも記するように『死』は特別ではありません。

ヒトの数だけ生き方の違う人生ですが、

ヒトは命の屍を乗り越え、立ち止まり、振り返り、

この世に生きた証しを、命をつないだ軌跡を残し、

そして、終点の見えない旅の果てには、

自分自身に『有り難う』と言える人生であって欲しいと思います。

自宅以外で亡くなるヒトが80%の今、

家族に看取られる人生だけが幸福ではなく、

おくられるヒトの命が、生き方が、

おくるヒトの心にどう根付くのかではないでしょうか。

映画「おくりびと」が目指す生き方の先に、

必ず自分自身が「おくられる」身であることを教えてくれている

そんな気がするのです。

そして納棺師が家族を整える最後の役目であるのならば、

人生最後の儀式を託された僧侶はどうするべきなのか?

改めて記したいとおもいます。


コングラッチュレーション!!

何時の時代もヒトが模索する出来事に目を向け、

例え一つの描写としての作品ではありますが、

見る者になにか思い起させる力がこの作品にはあるようです。


来月にはもうDVDとして発売とか?!

大きな波が引いた後にじっくりと見たいと思います。