「改正」という言葉には、確かに「正」の字が入っている。
「間違っていることを正しくする」というイメージをもつ。
しかし、「改正」は「訂正」ではない。
「あらため変えること」ではあるが、それは「正す」とイコールではない。
「改正」という言葉に惑わされてはいけないと思う。
変え方によっては、「改悪」かもしれないのだ。
「憲法改正」もまた、「間違った憲法」を、「正しい憲法」にすることを意味しない。
そもそも「間違った憲法」なのかどうか。
もしそうなら、どこがどう間違っているのか。
政府が変えようとしている「正しい憲法」は、本当に正しいのか。
現時点では、政府自民党の説明を含め、改憲論者の方々の論説を読んでも、「現在の憲法によって実現されている社会」と比べて、「よりまともな社会」になるというビジョンが持てない。
むしろ、憲法を変えることで、この国が悪くなっていく、嫌な社会になっていくのではないかという感触、いや確信のようなものが強い。
もっとざっくりした感想で言えば・・・
憲法を変えようとしている政府の方々、それを後押しする改憲論者の方々が、加藤周一さんや内田樹さんや小熊英二さんたちより賢いとは、どうしても思えないのだ(笑)。