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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

言葉の備忘録29 小林信彦『昭和が遠くなって』

2010年08月16日 | 言葉の備忘録

毎週の連載を読み、単行本が出たら読み、文庫になったら、また入手して読む。

小林信彦さんのエッセイ集は、そういう得難い本だ。

『週刊文春』の連載1年分が、翌年単行本となり、それから数年すると文庫化される。

今回の『昭和が遠くなって~本音を申せば③』(文春文庫)は2006年の連載分。

世の中のあれこれ、政治の話、映画や芸能のこと、この小林さんのエッセイ・シリーズは、私にとって羅針盤か灯台のような存在だ。

文庫だと、単行本にはなかった「解説」が付き、これも毎回、誰が、どんなことを書いてくれるのか、楽しみにしている。

今回は永江朗さんで、これまた嬉しい。

永江さん曰く、「小林信彦の思考は常に重層的であり、時間の軸において複眼的である」。

納得です。


テレビが真実を報じないから、今のような<弱者殺し>の世相になるのです。はっきりいえることは、テレビのニュースは大本営発表になってしまったのです。そんなものを観るのは時間の無駄。
――小林信彦『昭和が遠くなって~本音を申せば③』