明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

京都・嵯峨野にて、女子としての生き方を思い出した日。

2011-05-23 18:20:38 | 友達
先週の水曜日は、最近親しくなった「床床。」ちゃんと、京都・嵐山へ。
岩手出身の彼女は、まだ嵐山へ行ったことがないとのこと。
前に一緒に飲みに行ったとき、「大阪は自然が少ないね」と淋しそうだったので、
京都ならではの自然の美を見てもらたいなぁと思って案内した。

私も20代の頃、4年ほど大阪市内に住んでいたことがある。
山の中で育った私は、自分がこんなにも自然を求めていることに改めて気づかされ、この町に戻ってきた。

離れてみないとわからないことって、ある。

待ち合わせの電車で会うと、まるで1泊旅行にでも行くのかと思うような大きなバッグの彼女
何が入っているんだろうかと思ったが、それは後でわかる。

嵐山に着いて歩いていくと、渡月橋が見える。



いつも渡月橋の向こうの山が迫ってくる感じに圧倒される。
そして、なんて美しい名前の橋なんだろうかと一人感動する。

月を渡る橋。

古(いにしえ)の京にしみじみと心を馳せたりする。

でも、渡月橋を渡った辺りは、飲食店やお土産屋が軒を連ね、趣のかけらもない。
いつもここはさっさと歩く。

今回は、常寂光寺と祇王寺を目的にしていたので、天竜寺も素通り。
左手に折れると、竹林に入る。
ここからが本当の嵐山・嵯峨野だ。

天気がよく、暑いくらいだったが、竹林に入ると一気に涼しさを感じる。

「竹って宇宙的じゃない?」と私が聞くと、
「わかる、わかる」と同意。

よかった、わかってもらえて、と思った。
「かぐや姫が出てきてもおかしくないやんね」と言うと、
「うん、うん」と盛り上がる。

岩手にはあまり竹林がないのかな。
「すごい、すごい」と興奮していた。
それだけで、案内してよかったなとホッとした。

それからどんどん歩いて、二尊院も落柿舎も通り越して、いよいよ常寂光寺へ。
急に人が少なくなり、静寂が訪れる。

アラフォーの二人はふうふう言いながら階段を上ったが、一面の青楓を目にして元気に



やわらかい、眩しいほどの緑。
太陽の光が透けるような。

ほうっとした。

かなり高台なので、町が一望できる。



苔の緑もきれいで、「コケってすごいよね」と話していたら、
まさに「苔職人」みたいな人が、庭を手入れしていた。
地面に張り付くようにして、1つ1つ手作業で何か分別している。
いい苔と悪い苔を分けていたのかな?

人も少なく、なぜか小声で話してしまうほど、静か。
図書館みたい。

しっとりした気分で歩いていたら、苔職人のベテランみたいなおじさんが手入れしているところに出会った。
この道何十年かな……
きっと頑固な職人なんだろうな……
なんて考えていたら、おじさんの携帯の着メロが高らかになり始め、
それがこのしっとりとした静かな空気にあまりにも不似合いで、二人で顔を見合わせて苦笑

小さなギャラリーみたいな建物が併設されていて、ちょっと寄ってみたら、
帰りにそこに展示していた絵の写真で作られたカードみたいなのをどっさり手渡された。

「ありがとうございます」といいながらも、
これ、どうしたらいいんだろう、と思う。

せめてポストカードなら使いようもあるのだが、変に大きなサイズ。
まあ、せっかくなのでもらっておいた。

そこからまたテクテク歩いて、祇王寺へ。
私が一番好きなお寺。
気に入ってくれるかなぁと、内心どきどき。

一層静まり返った雰囲気の入口を抜けると、目の前に広がる小さな苔庭。
そして、あふれるほどの新緑。







一瞬で心を奪われる。
言葉をなくす。

美しいものを見ると、どうしていつも胸が痛くなるのかな。

彼女も感動して、「すごい…」とつぶやいている。
手ごたえあり!(笑)

私がなぜ祇王寺が好きかというと、美しいことも風情があることも理由だけど、
このお寺にまつわる背景に心惹かれるのだ。

大学時代に研究していた平安・鎌倉時代の遊女(白拍子・傀儡なども含む)。
そんな遊女たちの物語がこの寺にはある。
平清盛からの寵愛を受けながらも、心変わりにより尼になった悲哀な運命をもった祇王や仏御前が祀られているのだ。

そんな話もして、二人で二周も庭をまわった。

またしっとりしていたら、今度は鶏の狂ったような鳴き声が高らかに響き、また苦笑。
どうも、最後にはコントみたいになるらしい。

ここでも竹や苔の話をして、秋にはこの庭がどんなに美しくなるかも話して、
祇王寺を後にした。

ちょっとうるさいオバサンがいて、それが残念だったが、
それを差し引いても、十分に愉しめた。
何より、とても喜んでもらえて、
「こんなに緑を見たの久しぶり」と言ってくれたので嬉しかった。

その後はお土産屋さんを覗いて、竹のマドラーや京野菜のジャムを買い、
ずいぶん歩いたのでお茶でもしようといって、「よーじや」のカフェに入った。



女子とカフェでお茶するのなんて、久しぶりだなぁと、オッサンみたいなふわふわした気持ちでいた。
私は食べるのが異常に早いので、一瞬で食べてしまい、ちょっと恥ずかしかったけど。

しかし、「よーじや」もしばらく入ったことがなかったが、パワーアップしたなぁ。
昔はカフェなんてなかったのに。
商品もいろいろ増えていた。
若い男の子が団体で入ってきて、自分のためにあぶらとり紙などを買っていたのには驚いたが
今の若い子はオシャレだね…
若い男の子は汗くさくて、脂ぎってるくらいでいいのになぁ、と思う(…のは私だけ?)
むしろ、おっちゃんほど気をつけてほしいよね……

それから、河原町へ出て、最近できたマルイ(阪急の跡地)へ。
私が「足が小さくて靴がないの」というと、
「マルイは小さいサイズも売ってるよ」と教えてくれたのだ。
行ってみると、本当にいっぱいかわいい靴の21.5センチがあって、興奮した。
今度ゆっくり買いに行くつもり。

彼女は、生まれて初めての「日傘」を買っていた。
岩手では持ってる人などいないらしい。
大阪では日傘を差さずに歩くなんて考えられないけど……

そして、最後に食事へ。
京都らしい町家で、京都の食材を使ったお料理をアラカルトで食べられて、
お値段も高くなく、日本酒もあるけど梅酒やワインもそろっているお店…と考えて、
宮川町にある「蜃気楼」にした。
初めて女性を連れていくときに、よく活用しているお店だ。

小上がりの板間で向かい合って、楽しい時間を過ごした。
途中、あの大きなバッグから、「これ…」と渡してくれたものがあってびっくりしたのだが、
なんと、私の好きな「よえもん」という岩手のお酒だった

こんな重いものをずっと持ち歩いていたのかと思うと申し訳なくて。
でも、GWに岩手に帰ったときに、私が「岩手のお酒だったらよえもんが好き」と言っていたのを覚えていて、
一生懸命探してくれたらしい。
結局、見つからず、売っているお店を探し、お店の近くに住んでいる妹さんに送ってもらったのだとか。

なんと・・・・!!

その気持ちが嬉しくて、じんわりした

それから、岩手で先生をやっていたときに作っていたという手作りの「国語通信」のファイルも見せてもらった。
ちらっとみたら面白そうだったので、借りることにした。
(毎日少しずつ読んでいるのだが、かなり面白い)

大阪の人はソースが好きだとか、
「面白くない」と言われると一番ショックを受けるとか、
キムタクはかっこいいけど、「シュッとしてる」という表現は違うとか、
「ネギ」といえば青ネギのことだとか、
おにぎりに巻くのは味付け海苔だとか、
大阪人の習性をいろいろ伝授してあげた。
岩手の話もいっぱい聞いて、東北の友達ができたのなんて初めてだから、すごく楽しかった。

いっぱいおしゃべりして、夜遅くに帰宅。

全部よかったなぁと一日を振り返る。

そして、久しぶりに女子みたいなことして遊んだということに興奮していた。
最近、酒のイベントか飲み会か、もう80%くらいオッサン化が進んでいたが、

「なんや、私、まだ女子でいけるやん!!

と自信をもった。

雑貨や靴を見たり、カフェでお茶したり……
なんかそういう女子っぽいことが、めっちゃ楽しかったのだ!

「女子や…、やっぱり女子や…」と(女子って年でもないのに)ずっと家でひとりごちていた。
うれしすぎて、帰ってからビールをあけた。

夜中に夫が帰宅して、一日あったことを全部話したようだが、全く覚えていない
翌朝、「昨日楽しかった~私、まだまだ女子やわ~」と夫に言うと、

「昨日、聞いた

と相手にされず……

でも、オッサン化をこのへんでくい止めようと誓った。

まあ、とにかく楽しくて、新たな自分も発見できた新緑の京都旅だった

最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いいなぁ^^ (いりおもてやまこねこ)
2011-05-23 21:56:29
たのしそーー^^

祇王寺あたしも行ってみたいんですよ!!
大学で平家物語を少しかじりまして(笑

あたしもまた連れていってください^^

返信する
女子。 (床床。)
2011-05-23 22:03:10
女子だったことに感激している主旨に読めたのが、わたしとしては興味深いです(笑)

本当に楽しかった。
ありがとう。

また女子しましょう。
またいっぱい話して笑いましょう。

お寺の背景などそういうお話もまた教えてね。


次は身軽に参ります(笑)
返信する
でもさ (もんちゃん)
2011-05-23 22:10:21

>初めて女性を連れていくときに、よく活用しているお店だ。

これ一番おかしかったわ
婦女子の表現と、ちゃう
返信する
Unknown (かおり)
2011-05-23 23:26:38
>いりおもてやまこねこちゃん

また今度行きましょう^^
新緑が終わると、次は紅葉がいいだろうね。
夏は暑いから……

>床床。さん

その主旨で間違いありません(笑)
正直、久しぶりの女子体験でした。

次はどこで女子会しようか?
楽しみにしています♪

>もんちゃん

確かにその一文、完全にオッサンのものやな……。
誰やねんな?(笑)

しかし、女子らしいことをするのは若返る気がするわ~
返信する
Unknown (あんこ)
2011-05-25 16:42:02
かおりんが女子でなかったら、あんこは…。と思いつつ読んで、もんちゃんと同じところで大うけしました。
女子できてよかったね。
次はあんことおっさんしよう!
返信する
Unknown (かおり)
2011-05-26 16:54:45
あんこちゃんは女子っぽいよー
オシャレさんだし。
(たとえ、「つき」を飲んでいても…)

うん、次はおっさんしよう!
…って、いやいや……女子会しよう。

返信する