本屋に行ってみたけれど、なぜか読みたい本が見つからなかった。
そういうときもある。
暗いニュースが続く毎日だからか、罪のない美しい文学を読みたいと思った。
そうすると、本屋で見つけるのは難しかった。
じゃあ、久しぶりに再読月間としようか。
何度も読み返したモンゴメリのエミリーシリーズでもいいなと思って、
自分の本棚の海外文学の列を見る。
ふと目にとまったのが、ウェブスターの「あしながおじさん」。
この作品って有名だけれど、本当に本を読んだ人ってどれくらいいるんだろうか。
美しくてユーモアがあって、とてもいい作品だと思う。
こんな憂鬱な毎日にはふさわしい。
ねえ、おじさん、私は人間が誰しもがぜひ持っていなくてはならないものは、
想像力だと思うの。
それがあれば、他人の立場に立って物を考えることができますものね。
親切な、同情心の厚い、理解力のある人になれます。
子供にはこの想像力を培ってやらなくちゃいけないわ。
何度もここを読み返した。
だから、このページの角が折られている。
もう一つ。
一番大切なのは、大きな喜びではありません。
小さな喜びから多くのものを得ることこそ大切です。
おじさん、
私は幸福の真の秘訣を発見しました。
それは現在に生きることです。
いつまでも過去を悔やむことなく、また将来を案ずることなく、
現在のこの瞬間から得られるだけのものを得るのです。
(中略)
一秒一秒を楽しむつもり。
そして、楽しんでいる間、楽しんでいるってことを意識するつもりです。
この可愛らしく、美しい、幸福な物語の中に、なんて深い人生論が語られていることか。
これがおよそ100年も前に書かれたものとは信じがたい。
いや、100年前だからこそ、生まれたものなのかもしれないけれど。
これを最後に読んだのは、20歳くらいだったと思う。
一時期、海外文学を必死に読んでいたことがあった。
ディケンズ、パールバック、トルストイ、モーパッサン、サガン、リルケ……
でも、やっぱり没頭しきれなかったな……
それは、「翻訳」だったからだと思う。
日本語が美しくなかったのだ。
だから、途中でしんどくなってしまうことがたびたびあった。
そして、もう随分長い間、海外文学に触れていない。
パールバックの「大地」は、今年ぜひ読み返してみたいと思っている作品だけれど。
もうちょっと新しくはなるけれど、中国を舞台にした作品としては、「ワイルド・スワン」も再読したい。
中国に対して嫌悪感を抱きつつ、中国を舞台にした作品に心奪われるのはなぜだろう。
「蒼穹の昴」も然り。
どこかノスタルジックな感覚すらある。
あなたの前世は、中国の古い時代の高貴な生まれの人だった。
でも、追われる立場になり、国民に迫害を受け、言葉にできないほどのひどい目にあわされ、国に恨みを残したまま死んだ……
そんなことをスピリチュアルな人に言われたことがある。
まさかね……
そういうことを信じるタイプではないけれど、ちょっとドキッとした。
話がそれたが、しばらくは再読を楽しんでみよう。
そういうときもある。
暗いニュースが続く毎日だからか、罪のない美しい文学を読みたいと思った。
そうすると、本屋で見つけるのは難しかった。
じゃあ、久しぶりに再読月間としようか。
何度も読み返したモンゴメリのエミリーシリーズでもいいなと思って、
自分の本棚の海外文学の列を見る。
ふと目にとまったのが、ウェブスターの「あしながおじさん」。
この作品って有名だけれど、本当に本を読んだ人ってどれくらいいるんだろうか。
美しくてユーモアがあって、とてもいい作品だと思う。
こんな憂鬱な毎日にはふさわしい。
ねえ、おじさん、私は人間が誰しもがぜひ持っていなくてはならないものは、
想像力だと思うの。
それがあれば、他人の立場に立って物を考えることができますものね。
親切な、同情心の厚い、理解力のある人になれます。
子供にはこの想像力を培ってやらなくちゃいけないわ。
何度もここを読み返した。
だから、このページの角が折られている。
もう一つ。
一番大切なのは、大きな喜びではありません。
小さな喜びから多くのものを得ることこそ大切です。
おじさん、
私は幸福の真の秘訣を発見しました。
それは現在に生きることです。
いつまでも過去を悔やむことなく、また将来を案ずることなく、
現在のこの瞬間から得られるだけのものを得るのです。
(中略)
一秒一秒を楽しむつもり。
そして、楽しんでいる間、楽しんでいるってことを意識するつもりです。
この可愛らしく、美しい、幸福な物語の中に、なんて深い人生論が語られていることか。
これがおよそ100年も前に書かれたものとは信じがたい。
いや、100年前だからこそ、生まれたものなのかもしれないけれど。
これを最後に読んだのは、20歳くらいだったと思う。
一時期、海外文学を必死に読んでいたことがあった。
ディケンズ、パールバック、トルストイ、モーパッサン、サガン、リルケ……
でも、やっぱり没頭しきれなかったな……
それは、「翻訳」だったからだと思う。
日本語が美しくなかったのだ。
だから、途中でしんどくなってしまうことがたびたびあった。
そして、もう随分長い間、海外文学に触れていない。
パールバックの「大地」は、今年ぜひ読み返してみたいと思っている作品だけれど。
もうちょっと新しくはなるけれど、中国を舞台にした作品としては、「ワイルド・スワン」も再読したい。
中国に対して嫌悪感を抱きつつ、中国を舞台にした作品に心奪われるのはなぜだろう。
「蒼穹の昴」も然り。
どこかノスタルジックな感覚すらある。
あなたの前世は、中国の古い時代の高貴な生まれの人だった。
でも、追われる立場になり、国民に迫害を受け、言葉にできないほどのひどい目にあわされ、国に恨みを残したまま死んだ……
そんなことをスピリチュアルな人に言われたことがある。
まさかね……
そういうことを信じるタイプではないけれど、ちょっとドキッとした。
話がそれたが、しばらくは再読を楽しんでみよう。
赤毛のアン、若草物語、少女パレアナ……
全部、私も大好きで、子供の頃から何度となく読んだ作品です。
瞳さんの言う通り、この物語の主人公達は、いつも元気で清らかな気持ちを分けてくれますよね。
愛すべきジュディやアンに、どれほど助けられたか……。
ぜひ瞳さんも再読してみてくださいね。
>暗いニュースが続く毎日だからか、罪のない美しい文学を読みたいと思った。
この気持ち、すごく分かります。
再読期間、いいですね♪
あしながおじさん、大人になってからも、何度も読み返しているのですが、今回かおりさんが紹介してくださっているジュディの文章を読んでハッとさせられました。
こんなに素敵な人生論が語られていたのですね。
改めてまた読み返してみたいと思います。
「赤毛のアン」シリーズもそうですが、「若草物語」「少女パレアナ」・・・・元気が出ないときや、憂鬱な時、少女たちは、どれだけ私たちを元気づけてくれることでしょう。
大人になっても、まだまだ勇気をもらっちゃう私です(笑)
こんばんは。
学ぶことが多い……そんなふうに言っていただけるのは光栄です。
ありがとうございます。
こちらこそ、いつもhiroさんの真摯に作品を書こうとする姿に心を動かされています。
日本語が好きだと、翻訳物はしんどいですよね。
話の筋がわかることと、母国の言葉のニュアンス、響きに感動することとは違いますからね。
想像力は本当に大事です。
あとは、ユーモアのセンス。
また来てくださった時に、hiroさんの心に響く日記が書けていればいいなと思います。
先日の、「真実・虚構・嘘」も分野が違ってもなるほどと大きく頷いて考え込んでしまいました。
あしながおじさん。告白しますと、この本薄いのですが、なぜか最後まで読みきれていない。いつも途中で挫折してしまいます。確かに翻訳による物が大きいでしょうね。実は翻訳物をほとんど読めていな現実にいます。
想像力、これは本当にその通りだと思います。いいところに青文字していただき、ありがとうございます。
数日置きにここに来ますが、来るたびに何か収穫があります。本や文章だけでなく、ときにはちょっとした人の言動などにも、惹かれることがしばしばあります。感謝。