明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

人とのつながり、自分の仕事。

2007-06-13 14:42:13 | 仕事
10年のライター人生の中で、1つだけモヤモヤとしていたことがあった。
それが昨日、吹っ切れた。

多くの取引先の中で、たった1つだけ、書いた記事が掲載されず、そのままお蔵入りになり、それきり依頼も来なくなった会社があった。
勇気を出して問い合わせてみると、方針として掲載の必要がなくなったということと、私の書いたものではちょっとダメだったというような話。
やんわりと言ってくれたが、結局「あなたの書いたものでは使えなかったし、あなたではこの仕事は無理です」と言われたようなもので、かなりショックだった。

チャンスをほしい、と思っていた。
もう一度、チャンスをもらえたら、何が何でもいい記事を書く。
だけど、そんな思いも虚しく、半年以上、連絡は途絶えていた。
時々、このことを思い出すたび、自分の能力のなさに失望し、自信をなくしていた。

それが、昨日、その会社の担当者から電話があった。
前のプロジェクトはあまり効果がなかったということで終了したが、今回は新たなもので、それをお願いしたいとのこと。
そのうえ、最近はメルマガの仕事も多いということを話の流れで口にしたら、メルマガもプラスしてお願いするかも・・・と。

まだ「お願いするかも」の段階だということで、もしかしたら何人かライターさんを当たっているのかもしれないが、それでもこうして声をかけてくれたことがとても嬉しかった。

長い間の胸のつかえがすーっと溶けてなくなったよう。
もし、チャンスをもらえたら、今度こそ絶対にいい仕事をするのだ。
なにがなんでも。
絶対、負けたくない。自分自身に。
私には書くことしかないのに、これに自信がもてなくなったら、一体どうすればいいというのか。
すべてを中途半端に終わらせてきた私だけれど、書くことだけは一生やり遂げる。
そう決めている。

思いは通じるのか、今日もまた1本仕事が入った。
急ぎの仕事で結構大変だけれど、引き受けた。
この担当の人も、メールと電話でしかやりとりしたことはないが、とても感じがいい。この人の仕事は、多少無理をしても引き受けたい。

そう思えるような出会いが、この半年くらいの間にたくさんあった。
辛い別れもあった。
仕事仲間、取引先、飲み仲間・・・
信頼していて、とても好きだった人たちとの別れ。
数えてみると、3人も。

私から切ったわけではなく、向こうから切られた。
その事実を思えば、やはり自分はどこか欠落してるんだろうという結論に落ち着く。
以前の私なら、そのことは耐え難く、自分を底まで落としてしまうのに、十分な理由だったと思う。
だけど、今は違う。

結婚式での皆のあたたかさ。友情。
深まった、ライター友達との貴重な時間。
新たに出会った取引先の人との信頼関係。
飲み屋で知り合った、大好きな飲み友達。

それから、たった1度会っただけの取材相手とのつながり。
北海道や岐阜から大阪に来たときに、わざわざ連絡をくれた。

そういうことを思い返してみれば、決して私は「すべての人に対して」ダメ人間ではなかったのだと思える。
でも、なぜ一部の人にとっては、ダメだったのか。
それはそれで、よく考えている。
反省材料にもなったし、自分をよくするためのステップとしてありがたく受け止めている。

ただ、もう以前のように、人の自分に対する言動にビクビクして生きることはやめにした。
どちらが悪いとか、正しいとか、そういうことでもないと思っている。
単に「理解できない」だけ。
そう思えるようになった。

結婚式は、そんな考え方ができるよい機会だったとも思う。
ほんの少しかかわりを持ったり、ほんの少しの期間仕事をしただけの人でも、結婚のお祝いメールをくれた人もいる。
こういう人は本当に素敵だと思ったし、私も見習いたいと思った。
「理解できる」人たちだ。
でも、逆に、いろんな行動を見ていて、「理解できない」人もいる。

でも、「理解できない」人とは無理して付き合う必要もないし、こちらが切られるようなことがあっても、自分を責める必要などないのだとわかった。
だって、わかってくれる人は、いつだってわかってくれる。
それこそ、私がどんなに間違ったときでも、私という人間がなぜ間違ったのかを理解してくれ、私の本質を好きでいてくれたから、ずっと味方だった。
そういう人が1人でもいてくれること自体が、もう既に奇跡なんだということが、私にはずっとわからず、いつも出会ったすべての人とわかりあうことばかりを目指して、失敗するたびに自己嫌悪に陥ってばかりだった。

この半年は、本当に人生のターニング・ポイント。
ここからどう生きられるか、どんな仕事ができるか、どんなふうに人を愛せるかで、人生は決まってくるように思う。

残された時間の中で、どれくらい皆に恩返しをしていけるか。
できれば、それを、文章でやり遂げたい。
1つ1つ、目の前にある仕事を懸命にこなしていけば、気付いたら自分が思い描いていた場所に立っているかもしれない。
今はそんな気持ちで、一生懸命仕事をしている。

私は、楽しく生きるんだ。