顔出しNG presents 太いの堅いの

負け前提、予算制勝負師の私こと顔出しNGが、基本は太く、時には堅く、臨機応変(無節操)に楽して儲けんとする妄想録

●太いの堅いの~#14 有馬記念

2004-12-24 23:35:03 | 競馬
 天皇賞、JCと連勝し断然の人気が予想されるゼンノロブロイ。GⅠでの通算成績は[2212]と安定感抜群で、昨年の有馬記念でも3着の実績があるなら、いかに穴党と言えども馬券から外すのは自殺行為だろう。しかし、頭で堅いかとなると隙はある。

 過去にゼンノがGⅠで先着を許した馬は合計5頭(7度)いるのだが、今秋対戦したのは菊花賞、有馬記念、宝塚記念で負けたリンカーンと宝塚記念で負けたシルクフェイマスのみ。残りは海外遠征に出たタップダンスシチーと引退か故障した馬ばかりで、実はタイキブリザードのように「生き残ればGⅠを勝てる」という藤澤流が功を奏しただけかもしれない。しかも今秋リベンジを果たしたリンカーンはその後休養、シルクもJC回避と本調子になかった。さらに言えば両馬ともGⅠ未勝利馬で、リンカーンには3度も負けている。タップが復帰、シルクが再調整、ヒシミラクルが復調気配、アドマイヤドンも参戦と、勝負づけが済んでいない実力馬と相まみえる今回は、思い通りのレースができず何かに足元をすくわれる可能性を捨てきれない。

◎10デルタブルース
○1ゼンノロブロイ
▲13ツルマルボーイ
△8ダイタクバートラム
  6シルクフェイマス

 ◎デルタはJCでゼンノに0.6秒差の3着。普通に見れば決定的な着差なのだが、スタートをミスして自分のレースができなかった。それでもゼンノに次ぐ末脚で2着争いに加わり、脚を余す形でレースを終えた。ゼンノより前でレースができていれば2着は確実だった内容で、着差ももっと詰まっていたのは間違いない。今回はタップというスパートの早い馬がいてペースもより厳しくなり、菊花賞を勝った時のような持久戦に持ち込める可能性が大きい。過去、菊花賞を制した上がり馬は、メジロマックイーンやマヤノトップガン、マンハッタンカフェ、ヒシミラクルのようなチャンピオン級に育っていった前例が多いだけに“ハイレベル世代”の菊花賞馬が一気に頂点を極めても不思議はない。

 ○ゼンノを対抗以下には落とせない。連軸としてならこちらを本命に推すべきだろう。上がり35秒台が通例の天皇賞でもJCでも、続けて34秒台前半で上がれたように、ペースに厳しさは感じられず疲れもなかろう。実際、この中間は芝とウッドを交えて入念に乗り込んでいるように、疲れがあったらこなせないメニューを消化している。しかし、今回はペースが厳しくなりそう。昨年の有馬記念(10馬身差3着)や春の天皇賞(7馬身差2着)、宝塚記念(3馬身差4着)など上がりを要すレースで着差をつけられてきた馬だけに、下手をすると連逸の場面まであるかもしれない。タテ目も押さえておきたい。

 ▲ツルマルは対ゼンノ3戦全敗だが、昨年の有馬記念(0.1秒差)と今年の宝塚記念(5馬身差)は使い込めない馬がシーズン3戦目でデキ落ち、秋の天皇賞(3馬身差)も渋った馬場に持ち味を殺がれるなど、まともにレースをできていない。GⅠは過去10戦して[1306]と上々の戦績。掲示板を外したのは3戦あるが、中山で行われた秋の天皇賞(02)と道悪のJC(03)、そしてデキ落ちの宝塚記念(04)と理由がハッキリしている。展開に恵まれないと勝ち負けまでは望めそうにないかもしれないが、安田記念で殻を破ったように一発の魅力を秘めている。

 押さえ△1番手はダイタク。今年は7戦中3戦が2500mと当該距離中心のローテーションに好感が持てる。安定感には欠けるが、夏の北九州記念では1800mを日本レコードで走破し、距離が2倍のステイヤーズSでも33秒台の末脚を駆使して圧勝。秘めたポテンシャルには相当なものを感じさせる。かつて天皇賞(春)で1番人気に推され3着した実力の持ち主でもあり、今回はその時コンビを組んだ武豊を鞍上に迎える。半兄ダイタクリーヴァの勝負弱さが気になるのと実績不足の分だけ重い印はGⅠ馬3頭に譲ったが、デルタ、ツルマルと同じ長距離戦に滅法強いダンスインザダークの血が騒がないものか。

 シルクは力勝負になった宝塚記念でゼンノに完勝したように、まともな状態なら勝ち負けまで考えられるが、今秋は春の反動に悩まされている様子。プラス10kgの馬体重をノルマに、馬券的な取捨は当日のパドックまで持ち越したい。シルクの馬体が戻っていなければ代わってユキノサンロイヤルを追加する。