昌栄薬品の宮原 規美雄です
黄帝内経素問 移精變氣論篇 第十三 第三節(3－3)
第三節
帝曰。願聞要道。
岐伯曰。治之要極、無失色脈。用之不惑、治之大則。逆從到行、標本不得、亡失國。去故就新、乃得眞人。
帝曰。余聞其要於夫子矣。夫子言、不離色脈。此余之所知也。
岐伯曰。治之極於一。
帝曰。何謂一。
岐伯曰。一者因得之。
帝曰。奈何。
岐伯曰。閉戸塞牖、繫之病者、數問其情、以從其意。得神者昌、失神者亡。帝曰。善。
語句の意味
要道＝治療の主要な道理。鍼灸医学大系
要極＝最も重要なるポイント。鍼灸医学大系
惑＝分別にこまる。
逆從＝逆であるべきものを順と見ること。鍼灸医学大系
到行＝倒行ということで法則に従わずして実施すること。鍼灸医学大系
参考
倒行逆施＝さかさまに行ない、逆にほどこす。道理にそむいたことを行なう。
神＝精神。心。
亡＝ぼう。にげる。うせる。死ぬ。滅びる。無い。死んだ。
國＝くに。主権の下に統一された土地、人民。諸侯の領地。都。故郷。
＝本文の意は、一個の人体のことである。「国を失す」とは、つまり生命までも失うということである。鍼灸医学大系
故＝こ。故に。理由。古い。もと。昔。旧来。以前。
新＝しん。新しい。
就＝つく。近づく。とりかかる。従う。
真人＝天地人の道を体得・具現した者、又は寿を完うする者、不老不死の理想を体現した者。
極＝極限。おしつめる。つきる。きわまるところ。中正(偏らず正しい)の道。
因＝原因する。もとづく。その上。
牖(まど、ゆう・片へんに戸の下に甫)＝壁を穿ち木を交えて作った窓で、明取りの用に供するもの。鍼灸医学大系
窓牖(そうゆう)＝まど。
繫＝つなぐ。むすびつく。維持する。かかる。
情＝じょう。あわれみ。慈悲。感情。心持。気持。願い。ようす。
意＝い。思い。考え。
「其の意に従う」とは「病人が口に出してはいわぬが、胸にもっていることを推察してそれに従う」という意で、つまりたいへん丁寧親切な診断を意味するものである。鍼灸医学大系
神を得る者は昌(さか)え、神を失う者は亡ぶ
昌＝しょう。さかん。よい。うつくしい。適当。きりょうがよい。
昌の原義は「明るい」ことである。鍼灸医学大系
従って本文の「神を得るものは昌え」とは、「色脈を観たり、又病人にいろいろ気持を問うてみて、その胸中を推測した結果、神気のあるものは、その見通しは明るいつまりなおる可能性がある」ということである。鍼灸医学大系
「神を失うものは亡ぶ」とは、神気を失っているものは死亡するという意である。鍼灸医学大系
明解漢和辞典、漢方用語大辞典、新・東洋医学辞書
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