many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

六福神

2012-04-01 22:37:59 | 諸星大二郎
諸星大二郎 1998年 集英社 ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ
「稗田礼二郎のフィールド・ノートより」シリーズということは、妖怪ハンターシリーズってことだ。
ところが、この単行本では、稗田礼二郎はあまり出てこない。
巻頭の「産女の来る夜」と巻末の「淵の女」では、普通に稗田が謎を探求する役だが、そのほかの「海より来るもの」「鏡島」「六福神」「帰還」は、単行本「黄泉からの声」に収録されている「うつぼ舟の女」という作品で知り合ったことになってる、渚という女の子と大島という男の子から、稗田に手紙が送られてきたという形式で、主人公はその少年少女二人である。
で、タイトル作の「六福神」、よく知られている七福神から一人足りない連中が、幻のような舟に乗って海をさまよっている。
いいなー、この設定。七福神から一人欠けた状態が、福をもたらすどころか、なんか禍々しい存在になってるっていうのがいい。わらべうたや童話がホントは怖い物語性をはらんでいるとかってのと同じような感じだけど、いいセンスだ、ひとり足りない六福神。
渚と大島の住む地方にだけ伝わっている六福神は、大黒・恵比寿・毘沙門天・弁財天・寿老人・布袋の六人で、縁起が悪いと人々からは嫌われていて、子どもが悪いことをすると「六福神の船が来て さらって行くぞ」と祖母がおどかすような材料に使われていたりする。
それが、大晦日を過ぎて正月になると、これが七福神になってガラリとめでたい福の神になる。増えた一人は年によってマチマチ、吉祥天や猩々や福助といった例がある。
で、あるとき主人公の渚と大島は、その船から逃げ出してきたというヘンな男を見つけるんだけど、当然のことながら怪奇な事件に巻き込まれてしまう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スター・ウォーズ THE PHANT... | トップ | ひさしぶりにフラワータキシ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

諸星大二郎」カテゴリの最新記事