うたたね日記

アニヲタ管理人の日常を囁いております。

cheekはいらない(後編)

2023年12月16日 16時05分34秒 | ノベルズ

鏡の向こうに映った自分の顔が、いつの間にかアスランに変わって いる。

優しく微笑んでくれたのは、半年以上も前だ。

出向の日に、彼とメイリンを見送ったあの姿で、カガリの前に立っている。

ちょっと寂しげで、でも懸命に心配させまいと優しく笑んでくれて。
だから自分も「寂しくないぞ」と精いっぱいの笑顔で見送った。
彼の瞼の裏にも、あの時の姿のままの自分が残っているはず。

(なぁ、今の私はお前にとって、その…魅力的に見えるか?)

カガリが心の中でそう問いかける、すると鏡の向こうのアスランの唇が開きかけた。
が、次の瞬間、
<コンコン>
部屋へのノック音とともに
「代表、そろそろお時間です。」
まだ幼さが残る少年の声―――トーヤが迎えに来たのだ。
その声に急に現実に引き戻されたカガリの目に飛び込んできたのは
「ちょ、ちょっと待て!お前らやっぱり盛りすぎだろう!?」
照明に負けないようオークルのファンデーションとともに、やや赤みがかったピンクのルージュ。そして目元には淡いグリーンのアイシャドウに深緑のマスカラ。アイライナーはきりりと目じりを引き締め、アイブロウは美しい弧を描いている。
カガリがアスランの表情を思い浮かべている間に、女性二人がどんどんカガリのメイクアップをエスカレートさせたらしい。
(これって、どこからどう見てもシェークスピアメイク(※舞台用の強調されたメイク)だろうが!!)
カガリが動揺している間に、声が聞こえてこないことを訝しんだトーヤがドアノブを回す。
「代表?あの、失礼しま…」
「わぁああっ💦入ってくるな!トーヤ!!」
「え?」
慌てるには遅すぎた。トーヤが見事にメイクアップされたカガリを見る。
途端に<ギョッ!>と少年が驚きのあまり面食らって引いている。
「あぁ~~っ!!やっぱり驚かれたじゃないか!もうメイク落とす――」
「何おっしゃっているんですか代表。最後にまだチークが入っていませんよ!?」
ルナマリアが慌てて立ち上がったカガリの腕を、引き留めつかむのを振り切った。が、
「あらあら。もうそんなお時間でしたか。これではメイクを落とす時間もございませんわね…」
ラクスがいかにも残念そうに言うが、目だけはしっかり笑っている。
「あ~~っ!もういいっ!!」
カガリはケープを取り去ると、まだ目が真ん丸のまま固まっているトーヤの横を通り抜け、さっさと玄関に向かっていく。
「行くぞ、トーヤ!」
「ちょっと、代表、チークがまだ―――💦」
「ルナマリアさん。」
急ぎ追いかけようとするルナマリアを、ラクスの手がやんわりと止めた。
「大丈夫ですわ。チークはカガリさんには必要ありません。」
「え?でも、あれじゃ…」
「トーヤさん。」
戸惑うルナマリアを置き、ラクスは先ほどから固まったままの少年秘書に尋ねる。
「いかがですか?今日のカガリさんは。」
「あ、はいっ!あのっ!///」
「落ち着いて。素直な感想で構いませんわよ。でも…」
ラクスが柔らかく微笑む。
「もう、お答えはその表情で十分にわかりますわね♥」
ルナマリアもトーヤを見れば、彼はもじもじとしたまま、すでに頬は真っ赤に染まっていた。

 

***

 

会議場には誰より早く到着し、並み居る世界の重鎮たる出席者を歓待しなければならない。
それが開催国であり、この関係機関の発起人たるカガリの心得だ。
既に突撃されたとはいえ、遅れて現れたラクスはルナマリアを従え、凛々しくも優雅に挨拶を交わす。
「本日はお忙しいところ、この場を取り仕切っていただきありがとうございます。アスハ代表。」
「いや、こちらこそ、発足間もない多忙の中、よく来てくださいました。クライン総裁。」
先ほどまで女三人、年相応に楽しんだり揉めていたとは思えないほどの変貌ぶりだ。
(はぁ~私にはまだあそこまでの境地に達するなんてできないわ…)
ルナマリアが優雅にあいさつを交わし合う二人の女神に感嘆していると、次々に上段のカガリへの挨拶に並ぶ列の中に、彼を見つけた。
(来たぁーーーー!)
ルナマリアの目が輝きだす。
そういえば、ZAFTの赤服でも、オーブの軍服でもない、礼装のアスランを見るのは初めてだ。
落ち着いた、髪の色と溶け合うような、シックな紫に近い灰色のシャツに黒に近い濃紺のスーツ姿。
時折オーブに出向していたとはいえ、ルナマリアがアスランを最後に見たのは1年近く前になる。
元々彼のファンではあった。優し気でそれでいてクールで。もちろん眉目秀麗でアカデミーでの成績は断トツの1位。あの第二次ヤキンデューエ戦を生き残った程の、MSを華麗に駆る腕前。
その伝説のエースが焦がれるほどの相手が、ラクス・クラインではないと知った時の衝撃も凄かったが、今ではそのラクスでさえ心を許し合う盟友のカガリの求心力―――アスランの想う相手として相応しいことも十分理解できた。
その二人がようやく会えるのだ。しかも自分たちがカガリを女性としても、見目麗しくさせたのだから、あの朴念仁の反応がどう来るのか、心沸き立って仕方がない。
挨拶を終えたラクスの席に近づき、ルナマリアはこっそりラクスに耳打ちする。
「来ましたよ、アスランさんが。」
「半年以上ぶりの対面ですわね。」
ラクスも口元を綻ばせながら、二人は遠巻きにカガリとアスランの対面を見守る。

一人、また一人と、あいさつを交わし、そして…カガリの前に彼が立つ。
(アスランだ―――!)
カガリが俯いた顔を決心したように上げれば、間違いなくそこには見慣れたあの碧い瞳。
背がまた伸びたのだろうか…少し視線の位置が高くなった気がする。
(お、落ち着け、私!!)
先ほどまで全く感じなかった緊張、そして心臓の音がやけに耳につく。
(今の私を見て、アスランはどう思うだろうか…)
先ほど鏡の中で対面した時と同じ反応をするだろうか。
少し笑って「久しぶりだな…」と、言葉少なに、でも隠し切れない嬉しさを目に湛えてくれるのだろうか。
顔が勝手に火照ってしまう。
たちまちカガリの頬は化粧せずとも、色濃いチークを挿したかのように赤くなっている。

「あ!なるほど。ラクス様がおっしゃった、アスハ代表にチークがいらない、というのはこのためですね?」
ルナマリアがラクスの意図を掴んだように見返すが、ラクスは何も言わない。

一方カガリは
(冷静になれ!他の参加者と同じように対するんだ!)
自分に言い聞かせて
「た、ターミナルからの出向、ご苦労だったな。アスラン。」
そういいながら手を差し出す。

だが

(…え?)

カガリの表情から笑顔が消え、あれほど火照っていた熱がサッとひいて、目が驚きに見開く。

アスランは何も言ってくれない。
それどころか、目が合った瞬間、少し驚いたような表情を見せたかと思ったが、瞬時視線を逸らし、次の瞬間彼が放ったのは、怒りに満ちたようなきつい視線―――

「…開催議事、ご苦労様です。アスハ代表。」

カガリの差し出した手を握ろうともせず、彼は一度足元に置いた鞄を掴んで、さっさと用意された席に向かってしまった。

「あ…」
差し出した手もそのままに硬直する。
わずか1,2秒だったかもしれない。だがカガリには数分、いや数十分以上、身体は硬直し、声すら上げられなくなっていた体感だった。
「いかがされましたか?代表。」
アスランの後ろにいた出席者がふとカガリに問いかける。
「あ、いや、何でもない。今回はよく来てくださった。」

何事もなかったかのように笑顔を取り戻して応じるカガリ。

笑顔は取り戻したんじゃない。

張りぼての仮面を無理やり付けた。その奥に隠された表情は痛みに涙を隠しながら。

 

***

 

会議は終わった。
おおよその方向性と、新国家「ファウンデーション」からのコンパスへの依頼の受理。そして情報提供を交わし、決議に至った。
今はコンベンションアフターとして、ささやかながら打ち上げの場へと移動している。
簡単な料理…といっても、急ぎ自国や機関に戻る者もいるため、立食パーティーの様を呈している。
ここで個人的に行われる対話もまた、重要なファクターだ。そのためか、用意されたワインなどのアルコールも、皆たしなむ程度で和やか、かつ慎重に談笑を続けている。

部屋の隅に用意された席で、ルナマリアは足を組み、いらだたし気につま先をゆすっていた。
その隣では、人垣の中から戻ってきたイブニングドレス姿のラクスが座り、何も気にしていないように優雅に白ワインを口にしている。
ラクスが戻るなり、ルナマリアは心の中の鬱屈を一気にまくし立てた。
「何なんですか!あの態度はっ!!」
「落ち着いてください、ルナマリアさん。」
「これが落ち着いていられますか!!」
片手にしていた空になったオレンジジュースのグラスを、回ってきたボーイのトレーに叩くようにして戻すと、ラクスの横顔に熱弁をふるう。
「久しぶりの恋人との再会ですよ!?確かにアスランさんは口数は多くないことくらい知ってます!女の子が喜ぶようなことを口にすることも聞いたことありませんし! そりゃミネルバにいた時は戦時下ですから、そりゃオシャレしたって戦闘ともなればそんなことにかまっている暇なんてないのもわかります。でも今は条約を締結し、落ち着いているこの時に、アレはないでしょ!? アスランさんのためにオシャレして、精いっぱいの笑顔で迎えた代表を、なんであんな冷たくあしらうんですかっ!」
「ルナマリアさんは、お優しいのですね。」
何故かこの状況でも微笑みかけるラクス。その柔和な表情はルナマリアの心を諫める。
「優しい、というか…だって、これって私の責任ですよね?」
「あらあら、どうしてそのようなことをお思いですの?」
「だって、今朝私が提案したんですよ。「アスランさんを喜ばせるためにも、飛び切り綺麗にお化粧して、お迎えさせてあげなきゃ」って。私がしたことで、アスハ代表にあんな可哀そうな思いさせてしまうとは思っていなくって…」
ルナマリアがうつむき加減にしょんぼりする。
その頭を、やさしい手が柔らかく撫ぜた。
「大丈夫ですわ。もう少ししましたら、私達も席を移しましょう。」
「もう少しって…本部への帰国は明日にって、ヤマト隊長から命令を受けていますけど、早めに出立されるのですか?ラクス様。」
「いいえ。本来なら、こういうことはしないほうがいいと思うのですが、ルナマリアさんの元気を取り戻すためにも、カガリさんの頬にチークが入るところを是非、見守りに行きましょう。」
「は?チーク??今更ですか?」
「フフフ」とラクスは意味ありげに笑んで、視線の先をひときわ賑わう向こうの人だかりに視線を送った。

 

「ありがとう。皆のおかげで今日は充実した意見交換ができた。」
「いえ、アスハ代表。こうして宇宙、地上とも現在停戦が叶ったのは、まさしく代表のご尽力の賜物です。」
「今後もどうか、代表にお力添えをいただきたいものです。」
幾人もの重鎮に囲まれたカガリが、彼らを見送りながら、ようやく一息つく。
一人首長服に身を包んだまま、全ての差配に気を配る。
正直、こうして仕事に没頭していたほうが、気がまぎれた。
しかし、気を抜くと、ふと視線があの姿を探している。

(もう帰っちゃたのかな…)

それらしい姿は見えない。
ターミナルは情報収集のエキスパートが集まる部署だけに、こういった場所でも必要な情報を得るのにいい機会のはずだが、彼の気配は微塵も感じなかった。
実働部隊だけに、あまり顔が知れないほうがいいのだろう。
それだけでなくとも、彼は「パトリック・ザラの息子」という十字架を背負っている。
生来の人見知りも手伝って、こういった場所はあまり好まない。

―――「カガリ様は、アスランさんと一緒の時って、どう過ごされているんですか?」

メイリンに一度聞かれたことがある。

―――「別に、特別なことは何も。ただ普通に喋ったり、一緒に食事したり。…それが何か?」
―――「だって、アスランさんと一緒にいても、ずぅ~~~~っと無口で、こっちが色々と話題をふって、ようやく会話が成立するんですよ?でもすぐ黙っちゃうし。」
―――「え?アスランは普通に私に話しかけてくるけど。」
―――「それって本当ですか!?オーブの通信部の人たちとも、ザラ二佐は必要事項以外全然喋んないから、折角会っても会話が続かないってぼやいてましたもん。でもそれってやっぱり…カガリ様だから、なんですよね…」
―――「私以外にもキラとも喋ってるぞ。」
―――「キラさんは幼馴染だから、でしょ?カガリ様は違うじゃないですか。はぁ~…やっぱり特別なんでしょうね、カガリ様は…」

顔を見知ったオーブ軍の間でも、一時でも苦楽を共にしたメイリンにも、あまり会話しない。
でも私は初めて出会った時から、ずっと遠慮なく話し合えた。

(でも…)

思えば今日が初めてかもしれない。
あんな風に、会話すらしてもらえなかったのは。
会議中も一度も視線を向けてくることはなかった。議事録とディスプレイを見るばかりで。
忘れようとしても、つい気が緩むと思い返してしまう。
「はぁ…」
「代表、お具合でも悪いのですか?」
カガリの普段の太陽のような明るい表情が影を潜めたのが心配なのか、トーヤが様子をうかがいに来てくれた。
「ありがとう。少し疲れたようだ。」
「少しお休みください。僕も五大首長家の一人として、接待くらいやって見せますから。」
少し頬を赤らめつつも、この聡い少年は時として大人顔負けの落ち着きと判断力を見せてくれる。
普段であれば、責務を譲るつもりはないが、流石に精神的に疲れたようだ。今はその言葉に甘えるとしよう。
「わかった。本当にトーヤはしっかりしてるよな。ありがとう。少し外の風にあたってくるよ。」

そう言ってカガリは、ホールを抜け出し中庭に出た。
南国といえど、夜風はこの時期、やはり冷たさを帯びる。
今日一日、滅多になく化粧を肌に張り付かせていたせいか、どうにも肌も疲れているみたいだ。
「気持ちいいな…」
そうだ。化粧なんかして、アスランの気を引こうなんて、頭がのぼせ上っていたんだ。
こんな大事な会議を前に、何をしているんだ、と叱責してくれたんだ。
もっとしっかりしなくちゃな!
「よし!」
頬をぴしゃんと叩いて、ホールに戻ろうとしたその時だった。
<ガサ>
「!」
風のせいではない、植え込みの枝葉が揺れる音。
(侵入者か!?)
背中に気配を感じた瞬間
<パシッ>
左腕を強く掴まれた感覚が走る。
(しまった―――!)
油断した。警備は厳重にしていたはずだが、それでも暗く人気のない中庭にわざわざ降りてくる人はいない。
何とか体勢を立て直し、軍事教練を受けた時を思い出し、カガリは必死に相手の腕を取り直そうとする。
「これでどうだ!」
遠心力と関節技で、逆に相手を引きずり出して押さえつけようとする。だが心得のある侵入者はそれすら見越して、カガリの足元をすくった。
(ダメだ。やられる―――!)
一瞬既視感を覚える。
そうだ、あの時、無人島で出会った少年に、簡単に腕を掴まれ投げられたあの時と同じ―――
「―――っ!!」
カガリはぎゅっと目を瞑り、次に体に走るであろう、あの時と同じ衝撃を予想する。

が…痛みは一向に襲ってこない。

それどころか

(フワ…)

身体が宙を浮いているような浮遊感。
そして、背中と膝関節に感じる温かくも逞しい腕…

「…?」

恐る恐る目を開けば
「…全く。君は本当に好戦的だな。」
そう言って優しい口元が笑む。もっと目を開けば、夜に溶け込む髪と、吸い込まれるような碧い光。

「え、あ、アスラン!?」

一瞬思い詰めるあまり、幻を見たのかと思った。
だけど、背に回された手のひらの大きさも、抱き留められた胸の広さも、そして―――いつもの少し儚げな笑顔も確かにアスランだ!

カガリが口をパクパクさせていると、アスランは口元で「クス」と笑った。
「立てるか?」
「あ、うん…」
促されて、ゆっくりと降ろされた芝の上。
(なんで、ここに通常モードのアスランが!?ホールで姿なんて見かけなかったのに・・・)
何とか口をついて出た言葉、
「お前、帰ったんじゃないのか?」
「どうして?この会議は情報の床上浸水みたいなところだ。必要な情報だけでなく、この会場全体の情報も見て回っていたんだ。動きに違和感がある者がいないか、見覚えのない顔も覚えて、帰還次第、情報統合するしな。」
「ほー」
流石は抜かりない。会場の隅々まで行動情報を探っていたらしい。
というか、ここまで仕事に徹する当たり、流石はストイック、とうより”仕事バカ”だ。
すると、
「君が推薦してくれたんだから、それだけの働きは見せないとな。君の顔に泥を塗るようなことはできない。」
「そんな…」
(私のために?わざわざしなくていい仕事までして?)
そこは口にできなかった。とんだ自惚れだ。だって今朝はあんなに冷たい視線で避けられたんだぞ?
まだ心の整理が付かないでいた刹那、<ヒュー>と一陣の夜風が二人を撫ぜて海へと向かう。

夜風のお陰で頭が冷えた。
今朝は頭が回らなかったが、今ならちゃんと口にできる気がする。
カガリは「スーハー」と深呼吸すると、意を決した。
「その…今はちゃんと話してくれるんだな。」
「は?」
「だから!その…挨拶の時…」
「あ、あぁ…」
何か思い出したように、夜空を見上げるふりをして視線を逸らすアスラン。
こういう時の彼は、絶対感情が揺れている。
予見できる行動や言動には、あらゆる経験値から一番最短で間違いのない選択をできるのに、未知の反応や言動には困る癖がある。

ことに、感情の面で彼は言葉にするのが苦手だ。

「私は、その…あんな風に言われて、そして、冷たく見返されて、お前が何に怒っているのかわからなくって…」

あの時はもう頭の中がぐしゃぐしゃだった。
自分が哀れなのは構わない。
ただ、彼を傷つけたことが悲しいのだ。

もちろん喧嘩だってした。
無人島で出会った時も、キラを殺したと涙した時も
クレタで叱責された時も。

でもあの時のアスランは懸命に訴えていた。世界の火種を止めたくて。私たちを守りたくって。
その時の彼の眼は、誰よりも熱かった。

なのに、今朝の彼はまるで氷のような冷たい視線で。
そして今は変わらずこうして話すことができて

「…意味が分からない。私は一体何をお前にしてしまったんだ?」

他に人には話さなくても、なぜかカガリにはちゃんと心の内を伝えてくれる。
時には言葉で。感情は口にできずとも、その衝動が身体を突き動かして、抱きしめられ、そして口づけられて。

無邪気に恋ができていた時が、ずいぶんと遠く感じる。たった4年前なのに。

すると、アスランは一度目をゆっくり閉じ、意を決したように口が開いた。
が、
「…が…いるのか…」
「は?」
声が小さすぎて聞こえない。カガリは耳に手を当てる。
「だから、その…な…が、できたのか?」
今度は俯いてボソボソ。
「何言っているんだよ。聞こえな―――」

「だから、「俺以外に好きな男ができたのか!?」と聞いているんだ!!」

「・・・はぁ?」

カガリの開いた口が塞がらない。

この男は一体何を言って…

「なんでお前以外に好きな男ができるんだよ。第一私にそんな暇の欠片もないことくらい、お前だってわかっているだろう?」
「じゃぁ何だ?そのメイクは?」
「は?これの事か?」
アスランは口をへの字にしながら、併せられない視線を宙に浮かせる。
「だから…君が今日、そんなメイクをしていることにびっくりして…その…綺麗で…女性として///」
夜目じゃなくてもわかる。アスランの頬が真っ赤だということが。
「君は、そんなメイクをする女性じゃなかったから。驚いて、注視する自信がなくなって…」

そういえばあの時、驚いたように目を開いたと思ったら、視線を外したのは、そんな理由で!?

「自分の表情が、会議にふさわしくないほどほころんでいくのを耐えるのに必死だったんだ。でも、俺と会う時でさえメイクしなかった君が、しているということは、今日集まった人物の中に、意中の人ができたのかと思ったら、急に怖くなって…」

アスランが、あのアスラン・ザラが―――「怖い」!?

「君に問おうと思っていたんだが、君の口からその男の名前なんか聞きたくなくって、でもあのパーティーの会場でもし君と誰かが二人きりになるのかと思うと心配で…」
「お前さ、もしかして会場全体の情報を見て回っていたって、もしかして遠巻きに監視カメラで私と密会するやつがいるか、監視していたのか?」
「…悪かったな…」
ぼそっとぶっきらぼうに答える彼。
冷静沈着なZAFTのエースで、士官クラスの権限を与えられたFAITHで。オーブでも誰もが認める強さと明晰さを備えた最強の騎士―――『女神の盾』

―――それを一体どこに置き忘れてきちゃったんだよ!?

「ぷっ、アハハハハハ!」
「仕方ないだろう!?こんなに美しい女性がいたら、普通の男だったら意識しない奴なんている訳がない。」
懸命に言葉を紡ぐアスランだが、まさか存在しない男に嫉妬して態度を急変させただけだったとは。
「この化粧はな、お前のためなんだぞ。アスラン」
「俺・・・の?」
今度は翡翠を見開いて驚く。カガリはしっかりと頷いた。
「今朝方、ラクスとルナマリアが来てくれてな。「アスランが来るんだから、美しくして出迎えなきゃだめ!」って説教されながら、半強制的に塗りたくられただけだ。」
「そう、だったのか・・・」

アスランの全身から、強張った空気が消えた。
そうか、コイツも心配していたんだ。

「安心しろ。私は国と、世界と未来を守ることと、それから・・・お前の幸せを願う以外、眼中にないから。・・・って為政者にしたら欲張りだな。」
そうやって自嘲気味に笑うカガリ。
だがアスランは首を横に振る。
「いや、むしろそこに自分についての欲を一つも入れていないのがカガリらしいよ。もっと自分の幸せを願ってもいいんじゃないのか?」
「そうか?だったら…」
そして改めて顔を上げる。
「私がこうして化粧して、お前を出迎えるの、嫌いか?」
すると彼は最初はやや控えめに右手をそっと彼女の頬に触れる。
「嫌な訳ないだろう?ただ君も本当に女性なんだなと。」
「・・・お前、無人島の時以来、まだ私を女かどうか疑っているのか?」
「そうじゃない!大人の女性として、こんな魅惑を湛えられるほどまでになったなら、他の男からのアプローチが無いか、心配なだけだ。だから―――」
グイと腕をひかれたカガリ。
そしてそのまま彼の腕の中という、甘い檻に閉じ込められる。
「ちょ、待てよ、こんなところ誰か来たら―――///」
「大丈夫だ。ここは監視カメラの死角になっている。それに、立ち入り禁止にしておいたから。」
「・・・全く、油断も隙も無いな。」
「今を誰にも邪魔されたくないから。今だけは、君は俺だけのものだ。だから」
顎をくいと上げられ、そのまま唇を重ねられる。
やがてカガリの頭に回された手が、彼女を逃さないよう押し付けられて、幾度となく角度を変えて。

「・・・ん・・・は・・・」

息継ぎする間も惜しむ様に、いや、離れていた時間を埋めるように、何時しかカガリも自ら求めるように身体を摺り寄せる。

そんな二人の様子を、気配をギリギリ隠せるところからのぞき込む2つの視線。
「あ、あ、アスランさんっ!?あんな大胆な人だったなんて!///」
「もちろん、カガリさん限定ですわ♥」
ラクスの言う”席の移動”とは、この二人の様子を見守るためだったのか、とルナマリアが感心する。
確かにアスランもカガリも互いの動きを見る余裕はなかった。むしろ第3者のラクスの方が、二人の動きを見守っていたからこそ、この展開が読めたということか。
一人納得したルナマリアに、ラクスがそっと指をさす。
「ごらんください。カガリさんの頬を」
「あ・・・」
見るとカガリの頬は何時しか艶やかになって、そして見事な美しい赤味が挿している。
ラクスは人差し指を唇に当てながら、コッソリと告げた。

「カガリさんの頬にチークを入れられるのは、アスランだけですわ♥ いいえそれだけじゃなく・・・」

檻の中のカガリはされるがままに、額に、瞼に、頬に、そして、また唇に、口づけが注がれている。
一つ、また一つと、注がれていく個所から、艶やかできめ細かな肌へと変わっていく。
ラクスが優しい笑みを湛えながら、そっと呟いた。

「カガリさんには、アスランが傍にいればお化粧は必要ありませんわね。お二人が共にあることが、カガリさんにとって一番の美しい装いですわ。そう、きっとこれからも、ずっと―――」

 

・・・Fin.

 

***

 

一週間、間が開いてしまいましたが、前編に引き続きようやく後編です。
色々今週も忙しくって、全然落ち着いてSS書けなかったので、色々穴が多いと思いますが、笑ってくれていいのだよ( ̄▽ ̄)

ということで、件の頬染めカガリ様✨の秘密wをダラダラ書きとどめてみました。

カワユス♥(*´Д`)ハァハァ
でも、カガリにこんな顔をさせるのは、もちのろん!向かって左側で今はちょん切れている彼ですよね~(´∀`*)ウフフ
男勝りの16歳の時からたった4年でこうも色っぽくなるとは( ゚Д゚) これはアスランとて、ウカウカしていられませんよ?
そんな焦りも織り交ぜつつ書きなぐってみましたが、実はこれはなが~い前章でして、本番の話はクリスマスにUPしようかと思っております(注意:可能なら)
そっちのプロットではもう遠慮なしにイチャイチャ♥どころか、鬱陶しいくらいにベッタベッタ(笑)してます。
なので多分Rつきますから、UPするとしたらpixivになるかな。
お気になりましたら、よかったらとUP情報はここでもお伝えしますね♪

さて、ここのところ、種自由情報が溢れまくっておりますが、昨日は仕事している間に、ようやくやってくれました、「アニメイトカフェ」の情報が上りましたね~!\(^o^)/

やってくれるだろうと、7割くらい思っていましたが、東京は1月10日から始まるそうで。(主張店の方が早いですね)
限定グッズもあるそうで、おっきなハロを転がしている(笑)カガリたんが滅茶苦茶可愛いので、ランダム&クローズドですが、ゲットのためにチャレンジしたい!
今も普通にガンカフェが残っていたら、多分今以上に散財していたはずだから、ここまで来たら遠慮はしない( ー`дー´)キリッ✨
ただ、どうしても仕事をしている関係で、平日はいけないし、土日も両親の具合によっては行くことができないので、両親の体調具合によるかな。母の足が全然骨がくっついている気配がなく、昨日お医者さんも悩んでいたくらいなので、下手すると手術になるかもしれませんし💧
そうなると、代行してくれる友達にお願いできたらありがたいな(友達少ないんですが^^;)
仕事している間に「つなぎゅっと」が発売告知された途端に完売していたし、かもしたが見た時はぺんぺん草も生えていない状態に(ノД`)・゜・。
最近スマホのお陰なのか、発売日当日に告知するグッズやイベントが多くって、仕事して張り付いている身としては、チャンスを悉く逃しているのが悔しい( ;∀;)

まぁ、それはともかく、ガンカフェもあまり焦らずゆっくり行けたらにしようと、心を落ち着かせております。

明日はそれこそ台場に行く予定なので、謎解き&ガンダムベース覗いて楽しんできます!(≧▽≦)ゞ

 

 


ガンダムSEED FREEDOMのPV5まで見て思ったこと&goods♥

2023年12月13日 21時40分57秒 | 雑記

今朝も早よから遂にPVの5段目が発射されましたね!
ホント、未明に心に爆弾落とされるような感じですよ💦
本来であれば、感想というか思ったこととか「勝手に予想」というのは、あまりやらないんですが、どうにも心の中が落ち着かないので、今までのPV1から5まで見て、感想を書き出してみます。
まぁ「かもしたの予想は一度も当たったことがない!(`・∀・´)エッヘン!!」ので、読んでも本編に全然引っ掛からないはずです(確信)
でも、あまり公開前に叫んでおくのもどうだろう?ということで、伏せておきます。興味本位で読んでみよう♪と思う方はドラッグしてみてください。(※ドラッグができないので、外してください、とご希望の方が万が一にもいらっしゃいましたら、ご連絡(下のメッセにでも書き込んでください)いただけましたら外します♪)

一番最初に気になったのは―――

PV1の時から流れ続けていたあのBGM。「ワルツ」ですね。
今までの種の世界にはなかった3拍子のワルツ。ブンチャッチャブンチャッチャ♪のアレです。
昔『ガンダムW』の劇場版「Endress Walth』があった時、脚本の隅沢さんがインタビューで「ワルツって戦争映画に向かない」とおっしゃっていたのを読んだことがあります。「三拍子のリズムが「創造」→「調和」→「破壊」→「創造」…という形でエンドレスに続くので、戦争による破壊と平和の創造と調和の繰り返しで、話の終わりが見えないんですよ。」というの。
そう考えると、いきなりPV1からワルツがかかって、かもした「!Σ( ̄□ ̄|||)&不穏💧」
確かに終わりが見えませんね…無印、運命ときて、また戦争か。
でもって、この「3拍子」の「3」の文字が気になりました。
一つは今日発表のPV5で、アスランが言っていた「彼女の研究テーマ」。これによると、ナチュラルどころかコーディネーターをも超える人類が誕生する…ということにつながるっぽい。
今のところの最強コーディネーターはキラですが、それをも軽く凌駕する人類が誕生するやもしれないわけです。
つまりはナチュラル&コーディネーター&新しい人類の「3」種の人間による争い。
そしてラクスに迫るオルフェ、そしてその二人を見て苦しそうな表情のキラ。この関係も「3」。もちろんラクスは「キラ一筋!」に変わりないんですが、オルフェから攻められたキラの心は動揺しまくって見えます。
「私の中にあなたはいます。あなたの中に私はいますか?」
ラクスの切なる呼びかけですね、キラへの。この3人の関係によるすれ違いが気になるところです。
あと、別にもありますよ「3」。アスランとカガリとメイリン。いつもこの3人がセット。ただ恋愛ドラマを繰り広げることはない気がする。そこまでの尺はないと思います。
あと微妙に「3」なのが、シンとルナマリアとアグネス。この3人はアカデミー同期の上、シンとアグネスはあんまり仲良くなさそうですが、どうなんだろう。
こうしてみるとムゥマリュだけ一番安泰ですな♥( ̄▽ ̄)

さて、今度はストーリーを無駄に妄想。
PV1の最初にデュランダル議長の声とともに映っていた人工子宮か培養カプセルか。あの後ろ姿は多分オルフェかと思います。
そして彼を育む人物は、ファウンデーション女王のアウラ。アスランの言っていた「彼女の研究」のその「彼女」がアウラな気がします。
福田監督も彼女の紹介の時「見かけは少女、でも―――」みたいな投げかけをしていたので、実際彼女はもっと見た目より実年齢は上。彼女が研究したのは「テロメアが短いクローンの、テロメア延長を図る」研究だったんじゃないかと。
なので、アウラはその実験を自身で行い、幼女に見えるが実はテロメア延長による完成に近い形の新人類。そして培養液のオルフェの育ての親的な感じで、故にオルフェはアウラに絶対的な忠誠心を持っている。
そしてPV5でアウラが言った「私の子供たち」―――そこにはファウンデーションのブラックナイトスコードの面々であるシュラ・イングリット・リデラード・ダニエル・リュー・グリフィン。アウラが実験の上生み出した、新人類の子供たちかとも取れます。
なので、彼らがもしコーディーを凌駕する存在であるとしたら、PV5でシンちゃんは刀振るってました!(笑) シュラと戦っていましたが、多分護衛任務中あたりに、ブラックナイトスコードの彼らから喧嘩吹っ掛けられたので、シンちゃんが買っちゃったんだろうな^^;
コーディネーターでザフトレッドのシンはまさにエース。その彼に白兵戦を仕掛けるんですから、この戦いで一つ”コーディネーター”か、それとも”第三の新人類”が強者か、というのも一見できると思います。

シン・アスカ君は清く正しく日本刀!(笑)で応戦!!名字からして日本系ですが、魂も日本人でありましたか(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン

ということで、メインはこの新人類の国「ファウンデーション」との争いになるのかと思います。きっかけは「ブルーコスモス」の動きですが、それは多分単なる餌であって、コンパスのキラを国内に引き入れ、スーパーコーディネーターのお株を奪って抹殺(←まで行くか)しようとするオルフェの策略かと。動揺を誘うためにわざと目の前でラクスに迫り、親密そうに見せつける。
もちろん、ラクスはそんなことで靡くような女じゃありませんが、キラはどうだろう。運命の時を見る限りでは、ぶれることはないと思っていましたが、どこかもろい部分を抱え続けていそうな気が。
ちなみにオルフェも別にラクスに好意を抱いているとは思えません。彼の求心者はあくまでアウラですから。

そんなキラが、自室なのか写真に写る皆を助けるために、自ら危険地帯に罠と知りながら特攻を仕掛け、それをシンから借り受けた(?もしかしたらシンは「あんたの新機体ですよ」とか言って運んできたのかも)イモジャでアスランが駆けつけて止めに入る&共に戦う…ていうのはどうよ!✨
とりあえず、私服のままインカムつけたままMS戦闘に入るアスランがカッコいい\(≧▽≦)/♥ 監督曰く「アスランは落とすけど、最後はカッコいい」というのがこれかな。

さっと巡ってみると…「カガリたんの出番はどうなるんだ!?Σ(´∀`;)」
オーブにいて実働部隊じゃないので、アスランからの通信でやりとりしながらコンパスに指示を出している、しか思い浮かばないんですが💦 MSに搭乗する機会はもうなさそうですね。寂しい…(´Д`)ハァ…

そして先週明らかになった「去り際のロマンティクス」。
PV5まで見てみて、一番象徴しているのはキララクのことだとは思います。ですけど、なんとなくオルフェとアウラとか、ファウンデーション関係の方も意図しているように聞こえます。
こればっかりは本編見てみないと分かりませんねw
ただ、キララクだとなんかキラの命が危ぶまれるので、それはなしの方向で行ってほしい!!
平和に幸せを迎えられたガンダムの主人公って数が少ないので、キラには彼を待つ人たちの元に戻ってほしいよ!!

多分PVはこの第5弾で最後、今度こそ劇場で全部見てね!になると思いますが、残り43日で心のポテンシャルをどう保てばいいんだ!?(゚Д゚;)

―――というわけで、心の癒しはグッズに求めよう!
昨日帰宅したら「てのりんず」が届いていました♥\(≧▽≦\)

大人買い(笑)したので、得点の「ジュール隊長」が付いてきました✨笑顔で偉そうですw

他のみんなはシークレットなので、全部袋を開封。かもしたのは特に気になるものはなかったんですが、Xを見ると、知人さん方が「接着剤がはみ出ていて、おなかが剥げてた」「糸が飛び出ていた」等など、初期不良報告を結構見かけたので、特に問題のなかったかもしたは貴重なセットをゲットできたらしいです♥
で、この子たちは手触りよいし、なかなかにニギニギしちゃうのですが(形が崩れるといかんので、優しく♥です)、コロコロしているので、立てておくことができないんですよ。
なので、「そういえばプチグラスの上に置いたらどうだろう」と安直な考えで並べてみたんですが

うん、意外と可愛い♥
ぶっちゃけ、きれいに立ちはしなかった(グラスの口が小さいので)のですが、あえて傾きつけて乗せると、CP同士「仲良し♥(≧▽≦)人(≧▽≦)♥」ができる(笑)
あとは、ほかの子たちも、すっごく不本意ではありそうですが(笑)乗せてみました♪

傷ありイザークさんは、アスランの上で非常に不機嫌そうです💦ニコルはミゲル先輩ね。ディアッカは友情に感化されたので、キラアスグラスでグレイトォオ!!
そして今度は運命ですが

今度は自軍になってくれた(コンパスに行くまでの短い間ですが)キラさんの上にいますよ、ジュール隊長✨少し機嫌よく口元が嬉しそうですw
ですが、シンちゃんは「なんでアスハなんだよ!#」とめっちゃ不機嫌そうw
唯一レイだけラウの上で満足そうねw ギルがないのでごめんよ。

…と、こんな風に昨夜は平和に遊んでいました♪

推しを並べるとさらに心が癒されます。でも

実は一番癒されたのは双子なんだ!(笑)
どうしてなのか、よくよく考えたんですが、キラのこの緑がカガリのオレンジと調和されて、目に優しいからかも。ただ「キラの緑要素ってどこにあったっけ?( ̄▽ ̄)」瞳の色ならレイの紫だと思うんですが。そしてアスランが黄緑、とかね。
選出理由はわかりませんが、双子が可愛いのは、それはそれで!!(笑)

年内に届くグッズはこれで終わりかな?
また請求書が届くのが(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブルです💦w


GUNDAM FACTORY YOKOHAMAに行ってきました!\(≧▽≦)/

2023年12月11日 21時14分00秒 | イベント

昨日は午後からお友達のYさんと一緒に、『GUNDAM FACTORY YOKOHAMA』に初めて行ってきました!
何しろ横浜まで2時間以上かかる僻地住まい故、一度は行ってみたいと思いながらも、なかなかおいそれと行ける距離ではなく、加えて介護の関係もあるのでどうしようかと悩んでいました。
が!『ガンダムSEED FREEDOM』の展示があると聞けば「だったら行くしかないじゃないか!!」
ということで、介護の状況を盤石にして(!)行ってみました。
本当にいいお天気だったので、見学日和でしたね☀

Yさんが既に一度GFY経験済みでしたので、かもしたはもう付いていくだけ。大都会の勝手は分からんのです(`・ω・´)ゞ
で、入場してすぐ左手にYさんがご案内してくれたのは、これ!

来ましたね~♥「つながるムビチケ」でおなじみのこの描きおろしが、壁にデカデカと貼られていて♥(*´▽`*)
当然ながら推しに吸い寄せられる(笑)♥

ムビチケですと、アスカガは真ん中なのに一番奥なので、表情がよくわからなかったんですが、これ見てようやく二人の表情が分かりました。
物憂げなのですが、悲嘆さは感じられなかったです。でも笑顔じゃないのはやっぱり気になる💦

そして更に無印の時と運命の時のEDの横に長いスクロール。

これもスペエディ劇場版で貰ってきてはありますが、やっぱり小さいので表情が読みづらかったですけど、ここまで大きいとよくわかる!
面白いのが、この横スクロールのEDでは、誰一人笑っていないんですが、縦スクロールのED(つまりは5クール目)だとみんな笑顔なんですよね。まぁ表情が緩い、というくらいの方がいいのかな。「物語のラストは皆が微笑んで救われる未来」という願いだったのかも。20年経って今更気づくの遅すぎですけど^^;
そして、推しの2年ごとの成長も一気に見られた!

16歳のカガリ

18歳のカガリ

20歳のカガリ。
そして


16歳のアスラン


18歳のアスラン


20歳のアスラン。
成長しているなぁ~w当り前ですが、大人っぽさが増して、凄くカッコイイ✨
そういえばファフナーも20歳の時、こんなだったなぁ~(平井さんですから)と思いつつ、傷あり総士君はもっと目線はアスランよりきつかったな、とか思いながら見てました。

そしてYさんから「デッキの方に、アスカガの新しいパネルあるよ!」と教えていただき、全力で!場所に向かうと

イター!!(≧▽≦)♥

クリスマスツリーと並んで、アスカガキララクが!!

いや、もう見ているだけで涎が🤤ジュルリ♥
(*´Д`)ハァハァが止まりませんぜ!!♥
16歳にして、このセクシードレスを着こなせるカガリたんの美しさよ✨✨細い腰つきと足が!美脚!!(σ≧▽≦)σ✨
そして見守る赤の騎士もw Knightというには、まだ幼い気がしなくもないですが、でもやっぱり紳士ですよね、アスランは。
無論、キララクも可愛い♥

やはり16歳の二人の印象は「可愛い♥」ですよね。最後激変爆誕するラクス様(笑)は凛々しいですけれど、この淡い優しい笑顔は歌姫&キラにだけ見せる笑顔なんだな~♪アスランには「ありがとう(冷ややか)」でしたから(哀)
なんか可愛い学生カップルって感じです。
そんな2CPの周囲には、見慣れぬ箱が…

クリスマスですから、プレゼントボックスなんです。分かってますよ、十分に。
いえ、オーブマークのは欲しいですよ?
でも「コンパス」と「ターミナル」の印の入った箱は、なんか物騒な代物でも入っていそうな気配がして(苦笑)あ,ザフトもか(笑)

一頻り、Yさんと二人して写メまくって、昼の部を満足したところでメインの動くガンダムのところへ。
丁度プログラムをやっていて、LUNASEAの曲と共にガンダム起動実験してました。
今までTKやGACKTさんが楽曲提供しているのは見たことありましたけど、LUNASEAってあったっけか?と思っていたら、SUGIZOさんがガンダム好きで、楽曲提供していた記憶が微かに…

やっぱり片膝ついてこそ、動くガンダム見に来た気がします!( ̄▽ ̄)
ちなみに、起動実験プログラムは幾つかストーリーがあるようで、RX78が緊急停止するも、ちゃんと起動プログラム改善して動き出すものと、RX78にアムロの意識が移っていて、現パイロットとのニュータイプの感応するストーリーの2種まで聞くことができました。コクピットが開くシーンは、なかなかに素敵。日が落ちてからの演出を見たため、非常に神秘的で、まさに「光る宇宙」でしたね。
さて、今度はここしかなくなってしまった『ガンダムカフェ』にて休憩。
勿論、期間限定の『ライジングフリーダム』&『イモータルジャスティス』のラテを注文♥

こっちはかもしたが頼んだライフリ。
意外と色が薄かった。けどイモジャは結構色が濃い。

左のライフリと右のイモジャ。どうしても機体の色が白のフリーダムと赤のジャスティスだから、イモジャの方がはっきり映りますよね。
ちなみにコースターは期間限定のトリィとブルー。
余談ですが、このブログの一個前にノベルズを一本UPしていたのですが、そこに「キラは語彙が少ない」と書き込んだんですけれど、名前の付け方からして「鳥だから『トリィ』。青だから『ブルー』」という、この安直さがキラ(笑) 語彙が少ないというより、感性がビミョーなのか(ー△ー;)
ラテは美味しかったです。無糖なので助かりました。
そしてかもしたは「ハロのパンケーキ」を注文。
意外と生地がしっかりしていたのか、もっちもちの食感でした。
でも甘さ控えめで美味しいかったです♥ 甘控えめなので、裏に生クリームとベリーが付いているのですが、組み合わせて色々味を変えて楽しめました♪

そして、段々日が沈みかけたので、今度は夕方のアスカガを撮影に行く!(笑)

これもなかなかよいっしょ!(≧▽≦)ノシ♥足元に灯が入ってムーディーな雰囲気に✨
夕暮れ時にウッドデッキに佇む二人は、船上パーティというか、結婚式の二次会(笑)というか。
キララクもまた良し♥

キララクの方が、柱がなくって海と街が開けて見えるので、ずっと「船上パーティを抜け出してきた二人♪」っぽくって(笑)

さて、今度はドッグの奥に行ってみました。

起動実験の途中でスタンバイになっているところですが、Xを見た時、「この状態のRXとライフリの翼の写メを取ると、ライフリが出撃するシーンに見える」という書き込みがありまして。
このシチュエーションで撮影してみたい!!と思って狙ってみたんですが、本当にそれっぽく見えるので、超カッコいい✨\(≧▽≦*)/

そしていよいよSEED FREEDOMのプログラムが開始!
最初はいつもマリューさんの「コズミックイラ71年。血のバレンタインで―――」と冒頭に入るナレーションの時にかかるBGMと共にRX78が起動。
そしてT.M.Rの「invoge」と共にガンダムが動き出します!
(ここら辺は全て動画で撮影していますので、もし気になられた方はX(@bandnoel)を見てみてください。手ブレ酷いけど^^;)
更に「あんなに一緒だったのに」で、更にガンダム、片膝をつく!
丁度時間は16時10分前くらい。日が短いせいか、夕暮れ時にタイムリーにこのショーがあって、「♪夕暮れはもう違う色~」の歌詞とマッチしていて、めっちゃ印象的なシーンになりました!
そして次は運命の曲。予告の時のBGM(インパルス出撃、でしたっけ?曲名あんまり覚えていない💦)で立ち上がり、「ignited」で立ち上がって起動実験終了…なんですが、ここで気を抜くといけません。この後ピアノ曲での「静かな夜に」と「水の証」が流れ、夜だと柔らかいライトアップがあります。ところどころに入る星の瞬き見たいな点滅が、また綺麗なんだわ(*´▽`*)

さて、ここまできてかもしたたちは結構海風が寒くなってきたので、屋内に避難しようかと思っていたんですが
スタッフさん「ガンダムとのじゃんけん大会があります!!お友達に「ガンダムとじゃんけんしてきた!」と自慢してください!」←(笑)
と、めっちゃ気合入れて参加を募っており、見ると確かに寒いせいか、みんな屋内移動の方向に行っているので、スタッフさん集客に必死💦
でもかもしたも見覚えがあります…先月のプチオンリーで「二番くじ」がめっちゃ余って、お客が来なくて最後はたたき売り!!みたいになった時の、あのスタッフの記憶が…
Yさん「参加しようか?」かもした「しましょう!!/)`;ω;´)」
ということで、じゃんけん大会にいざ参加。
Yさん「以前きたときはやってなかった」というので、時々しかやっていないイベントらしい。優勝者には『RX78の足元(※立ち入り禁止の場所)で写真が撮れる』というもの。
Yさん「でもこういうのって、直ぐ負けるから」
かも「私もじゃんけんで勝ったためしないです!」
そうですよ。『無人島バカンス(アスカガ初のオンリーイベント)』で「ヘタレ賞」を取った(※アスランがヘタレなので、じゃんけんで一番負けた人の賞)の、σ( ̄▽ ̄)ワタクシだもん。あれで「ジャスティス」のガンプラ貰ったんだもん。

ということで、RX78がめっちゃやる気になっているので(笑↓の図)

我らも参加しましたぜ!
しかし、動きの遅いRX78とどうやってじゃんけんを?( ̄▽ ̄)?と思っていたら、あらかじめお客が「グー」「チョキ」「パー」の陣地に前もって移動し、そして「じゃーんけーんぽい!」の合図でRX78が何かを出す―――つまり後出しで勝負をつける、というものでした。
かもした「…『アメリカ横断ウルトラクイズ』の後楽園のアレだね」
Yさん「あー、確かにw」
…昭和の人しか分からない会話(笑:気になる方は、Youtubeとかで見てくださいw)
そして最初の選択は
Yさん「どうする?✊でいいか(一番近くにいた)」
かも「いいよ~」
ということで、速攻負けると踏んでいたんですが、流石はRX78!指先の微細な運動機能を見せつけるにはやっぱりアレを出すしかないよね(笑)
RX78がやって見せたのは「✌」
スタッフ「最初はチョキでした!」
何故か勝ってしまったYさんとかもした💦
でもって、敗者の皆さんは陣地から出されてしまう。
スタッフさん「二回戦目いきますよー」
で、かもしたたちは✋にしたんですが、RX78が出したのも✋。
あいこもダメなので、2回戦目で敗退。うん、そんなもん( ̄▽ ̄)♪

と、皆さんがRX78と真剣勝負を重ねている間、かもしたたちは屋内退避。

ガンカフェでハロのココアラテをいただきました♥
かもしたは写メ撮るのがすっごい下手なので「影が入っちゃう💦」Yさん「拡大して写メ撮るといいよ!」と、先輩に教えを請いながら、ようやくスマホの写メの録り方、というものを学べました(`・ω・´)ゞYさんに感謝✨<(_ _)>

そして暖を取ったあとは、いよいよ夜のアスカガ(笑)撮影に!(*/≧▽≦)/♥

すっかり日が暮れて、後ろには海と街灯のイルミネーション✨

遠目で見ると写メだと分からないんですが、近くで撮ると、ほら、夜景も入ってすっかりパーティームード♥♥
でもこれ、肉眼で見ると、もっとキレイなんですよ✨✨✨
どうしてもアスカガの横にある柱が邪魔で、写メ撮るときに移らないようなポジションに移動すると、街灯が少なくって、夜感が出ないんですよね💧
ちなみにキララクは

柱がないので綺麗には見えるんですが、思いのほか街灯が落ち着いている配置なので、写メ撮ると分かりづらい。でもマリンタワーの青い灯りが入るので、「やっぱりキラ=青だね☆(≧▽≦)b」って思う。

これは是非肉眼で、生で見ていただきたい!!

そして最後は横浜市とのイルミネーションコラボをやっているところをみました。

青い光の中に浮かぶRX78。そして謎の点滅が(笑)
曲に合わせて光が色々溢れていました。「ガンダムで」って思うとイメージがちょっと違って見えましたけど、これはこれで!
この後、夜のSEED FREEDOMのライトアップがあったのですが、かもしたは帰るのに二時間以上かかるので、流石に最後までは見ることができず、ここで帰路につきました。
丁度山下公園もイルミネーションのショーをやっていたので、クリスマスまではファクトリー以外も楽しめそうです♪

―――ということで、非常に楽しく、きらびやかな一日を見て回ることができました!
ファクトリーのSEED,見に行ってみようかな?と思っている方は、めっちゃおすすめ!!二時間かけて来た甲斐がありました!(≧▽≦)b

お付き合い&ガイドを懇切丁寧にしてくださいましたYさん、本当にありがとうございました<(_ _)>×100
お正月明けも、来れたら来てみたいです♪

 

 


cheekはいらない(前編)

2023年12月09日 22時44分22秒 | ノベルズ

「”ファウンデーション”? もちろん知っているさ。今日の閣議の議題に上がる国だろ?」
カガリが鏡の向こうから鋭い眼光で自分を見やるルナマリアに、負けじと強くでれば、
「違いますよ、代表。ファウンデーションじゃなく『ファンデーション』!『ウ』を消してください!」
同じく鏡の向こうにいるルナマリアが、更に”これでもか!”と言わんばかりにカガリの頭の上から発破をかける。

二度の大戦が終結を迎えるも、火種はまだまだ各所に燻っている。
その為、中立国オーブの代表としてカガリが提案発起し、その火種が大火を産まないよう、いわゆる火消しをしてまわる機関―――『コンパス』が発足した。
国を、人種を問わず結成されたこのチームは、普段であればモニター越しに会議を行い、定期的な連絡や情報交換を行っているのだが、モニターではできない…政治家らしく対面してこそ口にできる事柄も多いため、各所代表たちが集い、直接その場で閣議を行う機会も、数こそ少ないがこうして実施される。

今期の会議開催国はオーブ。
その為、当然ながら『コンパス』からも総帥がやってくる。
会議がいよいよ開催されるその日の朝、アスハ邸にいたカガリの元に、いきなり現れた女性が二人。
ルナマリアは護衛任務に就いている。とすれば当然護衛される重要人物がいるわけで。
「そんな化粧なんていいから…ルナを何とかしてくれよ、ラクス~」
「そうはまいりませんわ。カガリさん♪」
ドレッサーの前に無理やり座らせられたカガリが縋る思いで助けを呼ぶが、ニコニコとあの柔らかい笑顔を見せながら、鏡の向こうのラクスもやはり、カガリの両肩に柔らかく手を添えて押える。優しいのに、有無を言わさぬ圧があり、カガリは思わず気圧されてしまった。

―――それは前触れもなくやってきたのだ。
彼女たちとは会議場で対面すると、当たり前のように思っていたカガリが、私室で支度を整えて、いよいよ向かおうか―——と立ち上がろうとしたところで<コンコン>と2回のノックの後に、二人が乱入(!)してきたのだ。
「ラクス!?ルナマリアまで。何でいきなりこんな急に――」
驚きのあまり言葉が出ないカガリに、二人は顔を見合わせニッコリ♥とほほ笑む、とするや否や、カガリの元に猛然と近づき、ドレッサーの前に無理やり座り直させた。
「代表、まさか今日に限って、そのメイクで会議に出席されるのですか??」
カガリとは別の方向の驚きでもって、ルナマリアが目を丸くする。
「え、あ、もちろんだが…何か不味いのか?」
「当然です!今日は各機関の代表が集まるんですよ!?となれば当然あの人も来ますよね!?だって主席者一覧に名前ありましたよね!?ちゃんとご覧になったんですか!?」
早口で一気にまくしたてられ、カガリは口をはさむ暇もない。だが生来の気の強さなら負けはしない。
「あ、当たり前だ!今日はオーブ、プラント、大西洋連邦に加えて、コンパスと、ターミナルからも出席―――」
「なのに何ですか、そのメイクは!?」
会議とメイクがどう繋がるのか分からず、ついでに話も途中でシャットアウトされて、カガリが目を丸くする。
流石にルナマリアでは言葉不足と、ラクスが説明を加える。
「カガリさんはお肌がとてもお美しいから必要が無いのやもしれませんが、折角ですもの。ちゃんと女性首長にふさわしくメイクをされてはいかがかと思いまして。」
「いや、ちゃんとメイクしたぞ?」
ラクスの言葉に、今度は鏡ではなく、椅子から振り返って、カガリは目の前のラクスに自分の頬を指してみせる。

確かにメイクはしている。
BBクリームとアイブロー、そして唇の色とほぼ同じグロス。
言ってしまえばナチュラルメイクだが、カガリにとっては、これでも精一杯メイクした方だ。
元々オシャレに興味もないし、相手に失礼のない程度の気品さえ保てれば十分という認識。
だが、ラクスとルナマリアが再び顔を見合わせると
「代表。ファンデーションもお持ちですよね?」
とルナマリアが訝し気に尋ねてきたところで、冒頭の会話に戻る。

「ですから、BBクリームじゃなく、ファンデーション!ちゃんと、服装やシチュエーションに合わせたファンデ使わなくってどうするんですか!?」
「え?別にいつものこの首長服にこのメイクだぞ?別に皆何も言わないし」
何だか叱られた子どもみたいに言い訳するが、ルナマリアは仁王立ちでカガリを眼下に睨みつける。
「ラクス、ルナマリアを止めてくれよ。」
最後の頼みでラクスにヘルプの視線を送るが、やはり彼女も敵だった(苦笑)
「カガリさん。今日という日ですもの。折角ですからきちんとメイクされたら、お喜びになりますよ。」
「は?」
一体誰が自分の化粧で喜ぶというのか。
第一本人があんまり喜んでいないのだが。
まだ状況が飲み込めていないカガリに、ルナマリアは遂に口を出した。
「もう!今日は『ターミナル』からも参列者がいるんです!その人の名前はよぉ~~~~~~~~~くご存知ですよね、代表は!!!」
「えっと、あ…」
そういえば、いつもは管理責任者が来ていたが、任務中で外すことができず、代わりに優秀な部下を送ってよこす、と言ってきたんだっけ。
(それって・・・)
ようやく真顔になったカガリを見て、ラクスが頷いた。
「お分かりになられたようですね。どのくらいお会いしていらっしゃらないのですか?彼とは。」
「うん…もう半年以上かな?」
忙殺される日々の中にあっても、直ぐにそれだけは思い出せる。
ターミナルに出向命令を出して早半年。直ぐに帰還できない場所と任務。
命じたのは自分ではあるが、決断したはずなのに、どこか否応ない寂しさを心のどこかに抱えたままだった。
そのカガリの俯きかけた横顔を見て、ルナマリアとラクスがカガリの身体をもう一度ドレッサーに向かわせる。
「さ、代表。こうなったらアスランさんに、とびっきりの綺麗な代表を見せつけてあげなきゃいけませんよね!」
「は、はぁ!?」
何故にアスランと久しぶりに対面できるからといって、化粧を厚塗り(カガリにはそう思える)しなきゃいけないんだ????
「べ、別にアスランはそんなことしても、よろこば―――」
「はいはい。じゃぁ、先ずはファンデーションからですね。…うわぁ…流石は代表。これって最高級品のファンデじゃないですか✨」
ルナマリアが感嘆の声を上げる。
確かにカガリも幼い時からこの環境にいたこともあり、化粧品ブランドの名前も知ってはいる。以前フレイが「買い出しに行くならこれも買ってきて!」と、高い化粧水や乳液などを注文してきたが、ザフト勢力下の砂漠の国で、そんなものがどこにも売っていないことくらいは気づけた。
しかし、如何に高級なものだろうと、ブランドものだろうと、カガリにとっては「化粧品は化粧品」。プチプラでも構わないほど興味はないのだ。
(何で女の子たちはみんな、ブランド物が好きなんだろう?)
カガリが頭に「ハテナ」を浮かべている間に、さっさとケープを掛けられた。さらにルナマリアとラクスがドレッサーから次々と、カガリが普段使いしない、文字通りタンス、ではなく引き出しの肥やしになっている化粧品と道具を取り出す。
「カガリさんはお肌の色も薄いですし、このタイプのオークルなんかよろしいんじゃないでしょうか?」
そう言ってラクスは、オレンジに近いピンクのマットタイプのプレストパウダーを取り出す。
「ラクス様、代表にはツヤの方がいいんじゃないですか?まだお若いんですし。」
「いいえ、会議場は意外と照明が明るいので、反射を抑えるべきかと。」
「なるほど~それは私にはわからないですね。私の仕事場はMSのコクピットですもん。」
女性二人が和気藹々、ファンデーションのパフをカガリの柔肌にはたいていく。
「おい、粉はたきすぎじゃないのか?」
「いーえ!このくらいは普通ですよ、代表。」
「・・・」
ルナマリアに畳みかけられ二の句も告げない。

そういえばマーナにも化粧品の使う量が少ないようなことを言われたことがある。
でもカガリの私物は国民の血税で得たものだ。なるべく使わず節約したほうが、国民のためにもなるのではないだろうか。フレイの様に化粧品に拘る女性だったらその予算もかかるだろうが、ありかたいこと(?)に、こういうお金のかかるものに興味のない代表なのだから、削れる部分は削って良いと思うのだが。まだ完全な平和を手にしていないのに、こんな悠長で良いのだろうか?
(でも・・・)
ふとカガリが鏡に映るふたりの表情を見やる。
やれ「アイブローはオレンジ系ですよね!」「アスランをイメージして、オレンジと相性のいいグリーンのマスカラにしましょうか。」「ならアイライナーもエメラルドを入れたらいいんじゃないでしょうか?」
そこに映るのは世界平和監視機構の総裁でもなく、その護衛で優秀なるMSパイロットでもない。
どこにでもいる普通の女性だ。
平和であれば、こうした愛らしい笑顔を溢れさせ、この穏やかで優しい時間をもっとずっと味わせることができるのに。
「?いかがされましたか?カガリさん。」
カガリの表情の変化に気づいたのはラクス。カガリは軽く首を振る。
「いや、何でもない。何でもないんだが・・・」
緩んだ表情が鏡に映る自分を見て、少しこわばる。
「なぁ、ちょっと塗りすぎじゃないのか?」
普段見慣れない自分に驚きと動揺を隠せないカガリ。
「いいえ、とてもお美しいですわよ。」
「ホント!でもまだまだ仕上げまで行ってませんから。完成したらバッチリ見惚れちゃいますよ♥」
ラクスとルナマリアはカガリの不安を反比例するようにご機嫌だ。
するとルナマリアがカガリの髪を梳きながら、ふと漏らす。
「よくこうやって、メイリンの髪を梳いてやったんですよ。あの子はおしゃれ好きだから、私なんかよりずっと上手に代表をメイクアップできたんでしょうけど。」
「でもルナマリアさんも、メイクも手慣れていらっしゃいますわよ。」
「ありがとうございます、ラクス様。」
ルナマリアもカガリと同じく、戦場に出る女だ。メイクより自分の愛機に手や気をかけるタイプかと見えたが・・・
(あ、もしかして、シンのお陰なのかな?)
メイリンが出向前に話していた気がする。「二人が付き合っている」と。
だったら―――
「ルナマリアもやっぱりメイクするようになったのは、シンのお陰なのか?」
何気なく聞いたつもりのカガリだが、途端ブラッシングの手が止まる。
「ん?どうした?ルナ。」
「アイツがそんなことに気づく奴だと思いますか?」
あ、鏡の中のルナの口元がヒクヒクしている。
「仕事仕事で忙しい中、ようやくできた非番!折角のデートでおしゃれして、メイクもしっかりして、待ち合わせに行ったのに、アイツ、何て言ったと思います!?「そんなのどうでもいいから、早く行こうぜ。時間が勿体ないだろう。」ですって!!(怒)「どうでもいい」んですよ!?私のオシャレなんて!!」
ぷんすかふくれっ面のルナマリアに、ラクスが少し苦笑するようにして諭した。
「「どうでもいい」ということは、化粧する前からルナマリアさんが美しい、かえってその素顔を隠すのは勿体ない。・・・そういう意味のはずですわ。」
「そうでしょうか?だったらもっと「言い方」ってものがあると思うんですが・・・」
「なぁ、その時、シンは目を逸らさなかったか?」
カガリに聞かれてルナマリアがふと記憶を反芻する。
「そういえば・・・そんなだった気がしますが、何でお気づきになられたんですか?代表」
カガリは思わず口元を緩める。
「なんかシンって捻くれてるからさ。良いものを素直に”いい”って言えない感じがするから。」

―――「俺はオーブが大嫌いだ!」

あの時憎々しげに叫んだシン。
だが最後の戦いで、オーブが撃たれなかったことに涙した、と教えてもらった。
本音ほど隠したがったり否定する―――カガリはそうシンを受け止めた。
「確かに。でもこっちが頑張って相手のためにしたことだから、素直に言ってくれた方が嬉しいですけど。―――その点、ヤマト隊長はラクス様にちゃんと伝えていそうで羨ましいです✨」
そう言って笑顔をラクスに向けるが―――
(あれ?)
ラクスは笑んでいる。笑んでいるが「笑っていない」。
「キラは・・・そうですわね

―――「キラ。この服はいかがですか?」
   「うん、いいんじゃないかな。」 

   「キラ、この口紅はいかがでしょうか?」
   「うん、いいんじゃないかな。」

   「では、こちらのイヤリングは・・・」
   「うん、いいんじゃないかな。」

「・・・なんですか、それ・・・」
ルナマリアの顔が一気に引き攣った。
ラクスも物憂げに視線を逸らす。
「何と言いましょうか・・・彼は優しすぎるのです。似合っても似合わなくても、きっと私を傷つけまいと・・・」
「それは違うぞ、ラクス。」
彼女の不安を切り捨てたのはカガリ。
「キラはなんというか、滅茶苦茶語彙が少ないんだ。言葉不足で私も喧嘩になったことがあるし。」
あの砂漠で再会したとき、お互い言葉が足りず、引っ叩いたりグーで殴ったり(しかも殴ったのはカガリの方)。でも言葉にしなくとも、彼の不安や寂しさ、心に負っている傷の痛みを理解できた。それは双子ゆえ・・・かもしれないが、キラは言葉にできない。好意を持つ相手ほど口にできる言葉が少ないのだ。特に苦しさも痛みも。
「ラクスの言う通り、アイツは優しいヤツだから、言葉を選べないんだ。でもラクスには絶対に嘘はつかない。好きな相手だからこそ、嘘は言わないんだ。本音でぶつかってくる。そういうやつなんだ。姉である私が保証するぞ!」
「そうですわね。カガリさんがおっしゃるんですもの。ありがとうございます。少し自信が持てましたわ。」
「えーーーーーーっ!?!?代表とヤマト隊長ってご姉弟だったんですか!?!?Σ( ̄口 ̄;)」
先ほどから一転して、口が開きっぱなしのまま固まるルナマリア。
「「・・・」」
ラクスとカガリは顔を合わせて、その様子に
「あはは!」
「うふふ♪」
「ちょっと、二人とも!!笑わないでくださいっ!!💦」

平和だ
実に平和だ
こんな時間がずっと続けばいいのに
何の屈託もなく、年齢も、コーディネーターもナチュラルも関係なく、こうして友達の様に笑いあえる日が、一番みんな欲しいんだ

そんな胸中のカガリにしっぺ返しとばかりにルナマリアが攻めてきた。
「でしたら、代表はアスランさんにはなんて言ってもらっているんですかぁ?」
「・・・」
途端に笑っていた口が噤む。
「アスランは・・・」

そういえば、今の今まで容姿について、聞いたことも話したこともない。
何しろデートなんてする暇はなかった。
会えばいつも軍服や首長服で。
化粧だって、殆どしたことがない。

(そういえば・・・デュランダル議長と面会する時も)

―――「ドレスは持ってきたんだろうな。必要なんだよ。演出的なことも」

アイツはドレスも戦闘服の一つにしか見ていなかった気がする。
私が着飾ったところで、それは彼の為でもなく、相手に対しての礼儀であり気圧させる武器でしかない。

そんな私が、こうして化粧して相対したところで、アイツは・・・

 

(アスランはこの鏡に映る私の姿を見て、どう思うのだろう・・・?)

 

・・・to be Continued.



***

 

プチが終わって、母が少し介護の手を離れたので、そのせいかちょこっと空いた時間でSSをカキカキ。
今回は、来月のアミューズイベントの頬染めカガリ

↑の可愛さに触発されて、なんとなくプロット切った感じで書き始めてみました♥

劇場版のカガリをはじめ、主だった20歳以上の女性キャラはみんな口紅つけてますし、今度香水も発売されるので、お化粧に関した話があってもいいかな、って。

カガリはお姫様ですから、以前フレイが注文した「エリザリオの化粧水だの乳液だの・・・」が高級品というのを一発で分かりましたし、「友君」でもAAで食事の作法が「いいところのお嬢様」とフレイに見抜かれましたし、興味はないけど知識はありそう。
ただ、ちゃんとお化粧しているかは謎。
ルージュもマリューさんやナタルさんみたいに、赤のリップではなく、肌に近い薄いピンクというかパープル↑(※上のイラストをよく見ると)で主張は抑えてますよね。

先日Xのフォロワーさんが、口紅について化粧品売り場の方から色んな説明を受けられた解説を掲載されていて、肌の色や服と組み合わせながらの色遣いが、拝見させていただいて、なかなかに面白かったです。

さて問題は、アスランよ・・・
この男が、果たして化粧したカガリを見てどう思うのか。
キラ以上にポジティブ語彙が少ない(哀)男なので、実際どういう感想を抱くかは謎です(苦笑)
劇場版でもそういうシーンは描かれないだろうな~尺の問題もあって。

なので、妄想で夢見ます。
そしてカキカキする時間の尺が足りなくって(現実問題)、無駄に続き物になってしまいました💦
後半は、また時間ができた時にUPします(`・ω・´)ゞ
(でもブログに書きなぐっている程度のものですので、大したものではないです。<(_ _)>)

 


ヲタグッズ回収日誌

2023年12月07日 21時26分06秒 | 雑記

―――に、日記のタイトル変えた方がいいんじゃないかな・・・と思うくらい、毎日何らかのグッズを回収して廻る日々が続いておりますかもしたです💧
今月末に届く明細書、2通で済むかな(前月は2通来た。1枚に書き切れなかったらしい(ーー;))?

一番はもちろん種グッズですけれど、先日UPしましたセブンチケットの特典ブロマイド。
100均に行って収納に良いものを探してきたんですが、ど田舎のかもしたの生息域では、ヲタグッズに充実した100均がないので、よくある繋がっている写真たてを購入して、二人を納めてみました♥

なんか一気に「家族写真」っぽくなりました(笑)
これが妄想の世界なら、やがてこの写真たての周りに、結婚式の時の写真や子供たちを抱っこした家族写真がどんどん増えていくんですよ(笑)ほのぼの幸せアスカガ一家♥ ファミリーネームが「ザラ」になるのか「アスハ」になるかはわかりませんが、いっそのこと、アスランが婿に入って「アスラン・ザラ・アスハ」にすれば、「ザラ」が丁度ミドルネームっぽくていいですし✨
となると、出来たらこの二人の前にリングピローでプラチナの指輪💍を置きたいところですが、無いのでチャームで代用(笑)
先日こちらもUPしました「your name」でそれを匂わすようなSSを書きましたけど、劇場版でそれを匂わすようなシチュエーションがあったら嬉しい(/ω\)イヤン♥

来週もころりんやってきますし(しかも9個w)ニギニギして可愛がろうw

そして、今月5日から『刀剣乱舞』と日東紅茶のコラボ、第何弾?がスタートしておりました。
いつもイオン系のスーパーで紅茶が売っているらしいのですが、やはりど田舎故か、地元のイオンで見かけたことがないんですよ💧
店員さんに尋ねても「置いてませんね~」と返されるだけで終了(ー人ー)
なので、今回のコラボも、友人が昨日のXで呟いてくれるまで、気づかなかったんです。Xで「ネットショッピングできます」とはあったんですが、最近の買い物の量の多さに、どこかでセーブしないと💦と👛の紐を頑張って締めていたんです。

いたんですが・・・

買っちゃった♥( ̄▽ ̄)テヘ

いや、普通に帰りに食料の買い出しに行ったら、珍しく大棚にこれが並んでました!!(*/≧▽≦)/♥

そして発動する脊髄反射✨(笑)
出来たら小狐丸が欲しかったんですけどね。丁度色が黄色とオレンジが基調で、「カガリ様の色✨」としても気に入っていたので。
ですが流石に売り切れてた💧
あったのはやっぱりじじぃ。こうなったらじじいを買うしかないじゃないか!(笑)
今回はマグカップ付きなんですが、ありがたいことにティーバックじゃなく茶葉をそのまま付けられるタイプのマグカップになっていて、茶こしを置ける蓋もついている。

なかなかにデザインもオシャレ♥でしたので、気に入りました♪
結構ティーバックじゃないお茶を飲むことも多いのですが、何より最近多い「テトラパックタイプ」のティーバッグ。アレ丈夫そうに見えるんですが、紙の持ち手の部分を剥がすとき、一緒に合わせ目の部分も取れちゃって、茶葉が「ダー」っと出ちゃうことも結構あります。なので茶こし付きなのは非常にありがたい✨

先月のイベントで、差し入れのお茶をたくさんいただきました✨(T人T*)アリガタヤ ので、早速このマグカップを使おうと思います(^^ゞ