昨日電子版で劇場版ガンダムSEEDFREEDOMの小説下巻を購入しました。
本当は本で欲しかったんですが、近場の本屋には置いておらず、メイトに行く時間もないため、とりあえず直ぐ読みたい!のでささっと電子版を予約。
ちゃんと0:00に届くんですねΣ(・ω・ノ)ノ!今まで電子図書って中古とか既刊本しか買ったことなかったので、新刊がちゃんと日にち切り替わった瞬間届くの知らなかったので、びっくりしました(笑)
さて、早速感想ですが、ここから先はネタバレになりますので、また伏せておきます。
スマホ&パッド系は反転仕様にならないので、まだ読んでいない方はスルーがよろしいかと思います(ー人ー)
スマホ&パッド系は反転仕様にならないので、まだ読んでいない方はスルーがよろしいかと思います(ー人ー)
いつも種の小説を読むと、若干TV本編と違って小説オリジナルで表現されている部分も多いんですが、今回は後藤先生ご自身が脚本に参加されていらっしゃるので、多分脚本に盛り込みたかったけどカットされた部分もあるだろうと思い、ものすごく楽しく読みました!
細かい部分で新たに加わったのは
・バルトフェルド隊長とダコスタ君が、プラントテロの鎮圧に参加していること。バルトフェルドさんはコーヒー農園を経営したかったらしいですが、なかなかザフトは開放してくれない辺り、如何に手放したくない優秀な士官であるかがわかります。・・・でもダコスタ君からの扱いが段々ぞんざいにされている(苦笑)
・劇場版ではたった一コマ登場だったカズイの心理描写が凄く丁寧に描かれていて、まさにディステニープランの利点と欠点双方について、一般市民がどう思っているかの心理を凄く突いてました。
元々あのグループの中でも、カズイって悲観視というか、劣等感を抱いているキャラとして描かれていた気がしますが、卑屈になった時の人間の気持ちが素直に表されていて、認めたくはないけれど共感できる部分が非常に多かったです。多分あれが一番正直な心だと思いますよ。
・カズイと同じくらい表現されていたのが、イングリットちゃん。次第に自我が芽生えていったのは、ラクスの世話を甲斐甲斐しくしながら、徐々に彼女の影響を受けてきたのではないかな、という気もしてきました。何分、「自分の存在価値」をアウラに決められてきた彼女が一番、人間として生きる上でのディステニープランの欠点を見事に現わせてくれていましたね。劇場版での最期のシーンは見ていると最後まで報われなかったように見えましたが、小説版では少しでもオルフェがイングリットという女性をようやく「見つけてくれた」ように読み取れて、少し救われた気がしました。
・ミーアについて、彼女の存在と死がラクスを突き動かしたのは運命の最終決戦でもわかりましたが、今回も「ラクス・クラインって何だろう?」という一言が、見事に突き刺さりました。
まさにラクス自身も気づかなかった「ラクス・クライン」という存在を見つけてくれたのは、キラもですが、ミーアのあの一言だったように思えます。ジョハリの窓というのがありますが、皆が期待する、皆を導く「ラクス」を望まれるからやるのではなく、本当に自分がしたいことに立ち返る。ラクスを見つけてくれたのはキラとミーアだったな、って。これで彼女の魂も救われたのではないかなと思いました。
・シンちゃんが劇場よりもズタボロだった(苦笑) まさかの口の中切ったり鼻血出してたり、大変だったね💦 ルナもギュウギュウに絞めてきて、まさか固め技食らわされて、「本当に死ぬ!Σ( ̄口 ̄|||)」状態だったとは^^;
・でもそのシンちゃんは、ちゃんとルナがFSD起こした時を察知しながら戦っていたって凄いです!ブラックナイツ4機相手にあれだけの戦いっぷり(一人はヒルダさんが倒してくれましたが)。吹っ切れたシンちゃんもですが、何より死んでいった大事な人たちを思い続けるシン…人は死ぬより忘れられる方が辛い、というのがありましたけど、消えていった彼らを大事に思い続けているシンの優しさが、一番の強さになったと思います。これって凄くブラックナイツと大局で、「価値を示す以外存在価値を得られない」ブラックナイツと、役に立たない既に死んだ人たちにも敬愛を持ち続けるシンの心。一番純粋できれいで強かったなって思いました。
・ターミナル組の二人は、完全に力ならアスラン>メイリンですが、メンタル的な方はアスラン<メイリンだなって(笑)
というか、アスラン、キラを殴って修正した事、自覚があってやっていたのはわかりました。「かつて自分がした過ちを、友達にはさせたくない」って。カガリを泣かしてしまったことを、キラにはラクスにやって欲しくない。それは凄く伝わってきました。感動の場面なんですけど、メイリンが見事にそこを突っ込んできて、「ちょっと思ってたんです。人って「お前が言うか」ってこと言いますよね?」にアスラン「そういう自分も改めようと思っているからで」って(笑)しかも「アスハ代表にお聞かせしたいです」って(笑)
何と言いますか「兄:アスラン、義姉:カガリ、妹:メイリン」の仲良し家族な関係が見え隠れしていて♥ この3人の会話が劇中で見たかったなぁ~
特にカガリとメイリンの。アスランのこと、どんな風に話しているんだろう。滅茶苦茶気になる!!(≧▽≦)
・劇中で見えなかったアウラの正体と、コナン君のアポトキシン・・・ではなく、アンチエイジングの薬液浴びた結果、ああなってしまったこと。
そしてヒビキ博士vsアウラの過去。それを子供達で見返させそうとする。現実にもいますよね、「お宅の息子さんは○○中学受かったんですってね!凄いわ~」って口では言いながら、心の中で滅茶苦茶「悔しい~~ヽ(`Д´)ノプンプン」って思って、家に帰ると「△△さんの息子さんに負けないよう、あなたは××中学受からなきゃだめよ!!」・・・みたいなの。子供同士は全然張り合ってもいないのに、親の張り合いの道具にさせられるの。
アウラが嫌にキラのこと「出来損ない!」と言っていましたが、加えてオーブを焼くことにもこだわっていたのは、カガリがいたから。つまりはヒビキ家の双子をずっと敵視していたんですね。キラカガ、知らなかった(知らないままおわった)とはいえ、はた迷惑でしかありませんね💦 でも、どこで二人が双子ってアウラは知ったんだろう??キラのことは実験していたから知っていたでしょうけれど、ナチュラルのカガリのことは、なんでオーブのアスハ家に引き取られたのか、って知っていたのか。そこだけは墓場まで持っていかれちゃいましたね。
・キララクの葛藤と、本当の自分を手に入れる(「取り戻す」ではないと思う)までが非常に丁寧に描かれていました。特にラクスの心理描写。運命は神がかっていた二人ですが、キラはいい意味で無印の頃のキラに戻った。これって成長していない、じゃなくて、壊れかけていた心を取り戻せた=本来のキラの心に戻った、と思います。そしてラクスは本当の自分を手に入れた。彼女のアイデンティティーをようやく手に入れた、ということでしょうね。生来彼女が持つ、人心を惹きつける力。それは彼女が望んだものではなく、本当に彼女はどこにでもいる、彼との幸せな生活を穏やかに過ごすことを望む、普通の女の子でした。立場や遺伝子でそう思い込んでいたけれど、自分の心に素直になって見返した結果、人から「凄い人」「素晴らしい人」という価値を得られることより、ただ一人、キラを愛して傍にいたい、ということが大事だった。
最後は二人ともMIAとなりましたが(カガリとアスランは行方を知っていそうですが)、このまま二人で穏やかに生きて欲しいですね。続編があるとしても、それは余程の危機が大事な人、カガリやアスランに及んだ時だけ手助けし、また表舞台から去るような。後はまた人の目を避け、癒しの歌だけが世界に届けられる。そんな感じかな。これだけみんなのために頑張ってきたふたりですから、今度は二人を休ませてあげて欲しい。そんな気持ちになります。
・アスカガについて―――
もうこの二人に関しては、メッチャ沢山あります!(笑)
先ずは中盤のカガリの采配ですが、凄い見事ですね!劇中では分からなかったムゥさんを宇宙に手早く送り、戦艦をばらけさせて出航させ、全滅を防ぐ(※これは劇中では対照的に連合軍が密集陣形でレクイエムで全壊させられていました)・・・とにかく見識の広さが凄くなっていました!これはもう運命の時、散々泣いて足掻いて藻掻いてきた、彼女の成長ですね。運命では最終決戦の時に代表の片りんを見せていましたが、この劇場版で集大成を見た気がします。
・先にも書きましたが、小説版と本編は設定が違っている部分もあります。公開後、監督が色々自分で考えていた設定をXで呟いていましたが、特に「アカツキを先に宇宙に送ることや、国民の避難をはじめ、アスランと相談しながら進めていた」とおっしゃっていましたけど、小説版ではそこはなかったですね。全てカガリの思考と采配によるものになっていました。多分Xの監督発言は、後々で思いついて「こうでした」と言ったり、「最初の設定ではこう考えていた」みたいな部分もあるので、やっぱり公式は上映版と小説版になるんでしょうね。本編沿い同人誌書きとしては、そこが一番難しいところなのですが(苦笑)💦
・例のアスランエ○妄想については、劇場版は妄想全開(笑)で、置鮎さんの聴覚障碍者用説明でも、しっかりと「裸でキスを待つカガリ」を描写しておりましたが、小説版ではあくまで「アスランが知って感じ取っている、リアルなカガリを懸命にイメージしていた」ということになっていました。ただ、それが非常にリアルで、絵で見ているだけでは分からない、香りや触感までアスランはきちんとイメージしていたことが小説版で分かりました。でもこれって確かに当たり前のことですよね。我々視聴者が見ているSEEDは二次元世界ですけど、そこに生きているアスカガにとっては3次元の出来事ですもの。嗅覚や触覚(果ては味覚も)もちゃんとあって、それをシュラに叩き込んでいるから、シュラも脳内バグが生じてしりゃ大変になりますわな!これでアグネスでも抱いていたら、とか書かれていますが、何分アコード達、ことにシュラは「最強であることが存在理由」ですから、戦い以外には何の価値も興味も沸かない訳で。まさに勝利するために、見栄もプライドもかなぐり捨てて戦う男なんて対戦したことないし、戦ってもいつも相手は瞬殺で、そんなことしてくる敵に出会ったことがなかったこと。そしてアスランを一度で仕留めず生かしてしまったことが、彼の敗因。これもディステニープランの弊害。応用が利かない。人生いつまでも温室で生きてられるわけないんですから、外に目を向けさせるべきでしたね、アウラ・・・💧
・SPCについて。リモート操作でタイムラグも生じずにカガリが対応できたことの説明がしっかりついていてわかりやすくなっていました。しかも「相性がいい相手」であることが必要という、より信頼関係ができていないと使用できないことから、如何にアスカガ二人の関係が強固なものであるかが文字を通して伝わってきました!すこーし疑問に思ったのが、キャバリアーアイフィリッド間でのリモート可能ということですが、アスラン・・・インジャ弐式ってキャバリアー外れていましたよね?ルージュは付いていましたけど。一応メイリンはインジャの真上に居たらしいですが、そこはタイムラグは生じないんですかね?そこも遠隔可能なのかもしれませんが、メイリン、真上に居たとしたら、戦闘の巻き添え食う危険が一杯でしたけど、大丈夫でよかったですね^^;
・プラウドディフェンダーの防御力は物理的に説明されていましたけど、あそこまで無効化範囲が広いとなると、メイリンのキャバリアーだって巻き込まれておかしくない距離に居ましたけど・・・そこも大丈夫だったんだ・・・
・ラストシーン後の追加のアスカガ。小説版だけの特典ですね!二人がオーブの戦没者の慰霊碑の前で再会し、海沿いを歩きながら未来を語る―――
最初は運命のラストシーンへのオマージュかと思っていました。あの場に最後カガリ居ませんでしたからね。それを補完する意味でも、あの二人が会話するシーンで終わりにした、というのもあったかと思うのですが、それ以上に感じたのは―――『SEED JUSTICE』への布石か!?!?( ゚Д゚) と勘繰らずにいられませんでした!!(≧▽≦)
アスランは「もうキラとラクスに頼らず、混迷の世界を何とかしていかなきゃいけない」と、未来への重さを語っていましたが、それでも「きっとできるさ!」と言い切るカガリ。当然今の彼女なら、勢いだけで言っているわけではないことが、この種自由での彼女の慧眼と判断を見てきたらわかります。だけどこの「きっとできるさ!」は今までの困難にも決して逃げなかった、「生きるほうが戦いだ!」の、あの言葉でアスランを生かしたように、アスランの心に感じた重さを取り払ってくれた気がします。だからこそ、そのカガリの横顔を見て美しいと思えるのと、彼女との未来を守っていこうと、再度心に誓う。
混迷する世界の中で、一筋の真っ直ぐな光。そのカガリと彼女を守ろうとする彼女の剣であるアスラン。
監督が「カガリはこの先代表を退き、アスランの下に行く。そうすると二人の物語が動くというのはありですね。」と舞台挨拶でおっしゃっておりましたが、カガリがトーヤに代表を譲るにあたって、この混迷の世界で一波乱あって、アスカガ二人が中心となってこれを押さえていく。あるいは代表を譲って、カガリが自由に動けるようになったからこそ、アスランと二人で世界に挑む―――そんな未来が待っていそうです。
キララクが自由な未来を世界にもたらすために戦ったとしたら、今度は正義を貫くためにアスカガが戦う―――そんなストーリーを心待ちにしつつ、先ずは「フリーダム強奪事件」がOVAで見られるか!?さもなければ何らかのメディアで見たいです!!
ともかく小説版は読んで損はありません!!
読み深めると、ますます細かいところや心理の動きなんかが見えてくるので、何度も読み返したいと思います♥
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