うたたね日記

アニヲタ管理人の日常を囁いております。

『ハウメアを探して』最終話UPしました。

2021年02月20日 20時14分01秒 | ノベルズ
昼にしてなお夜より暗い闇の中。
私とアスランは一言も交わすことなく歩みを進める。
何処が目的地か私でも分かる―――玉座の間。
目の前に立つと、上の階まで届くような大きな両扉のドアが、勝手に開いた。そして城のエントランスホールより広いその部屋の最奥にある玉座に、その男は足を組み、深々と座り込んだまま、こちらを見た。
「ようこそ、アスハの姫君。そして…よく生きていたな、アスラン。」
「クルーゼ…」
アスランの翡翠が細まり、噛みしめる唇から牙を覗かせている。
(あれが―――「ラウ・ル・クルーゼ」…)
初めて見たその男は、魔族とは正反対の純白の司祭服にアイマスク。見かけはほぼ人間そのものだ。だが、圧倒的に背に負っている黒の妖気が隠しようのない邪悪さを放っている。
「お前がクルーゼか。」
「いかにも。ここまで愚者の石の欠片を集めていただきましたこと、感謝痛み入ります。さぁ、それをお渡しください。」
言葉こそ丁寧だが、完全に私たちを下に見ている慇懃無礼なその口調に、私は一気に嫌悪を覚えた。
「お前の話は彼岸の魔女から教えてもらった。お前が恨みを募らせる理由も聞いた。だけど…だけど何でそれを全ての人に向ける!? お前を認めた人間だっていてくれたんだろ!アスランのお父さんみたいに!なのに何故すべてを滅ぼそうとするんだ!?」
私の叫びにクルーゼが口角を上げる。まるで子供が道理の無い文句を言っているのを、鼻で笑っているみたいにして。
ひじ掛けに、トントンと指先で拍子を取ると、クルーゼは言い放った。
「何を言うのかと思えば、今更な質問だな。どこに行っても存在を認められない者が、どうやって承認欲求を満たすと思う?それは『力』さ!圧倒的な力で服従させる。これこそ究極の自己存在意義だろう?」
「馬鹿を言うな!服従の前に、全てを滅ぼして何になるっていうんだ?民無き国の王になって何の意味がある!?」
「人は小賢しい。なまじ『賢者の石』などという物を持って、魔族すら支配しようとするなど、それこそおこがましいというのに。その点、魔族はまだいい。能あるものを滅ぼせば、後は強き者に従うだけの脳みそを持つ者しか残らない。そうそう、お前の叔父や従兄のように、な。」
「っ!!」
確かにクルーゼの前に屈したかもしれないが、それでも我らが大事なオーブの民だったウナトとユウナをバカにされ、私の怒りは更に増す。だがそんな私を尻目にクルーゼの口調に不服が混じった。
「だが、人は面倒だ。欲にかられるだけならまだ利用価値もあるが、下手な正義感で民意を買われれば、こちらを追い込んでくる。故に邪魔な存在でしかないのだよ。」
「なんだと…?」


―――続きはこちらから。


===


―――ということで、
4か月以上の長きにわたりました、エセファンタジー。ようやく最終回となりました!
いや~長かった💦
最終回は本文も長くなってしまいましたが、いい加減切らないとまた無駄にダラダラするので、一気に畳みかけるように最終回です。けじめは大事。
ちょっと時間かかりますので、お時間持て余した時にでも、見るものなければついでに読み流してくださると嬉しいです✨(T人T*)

振り返れば、昨年の10月ですよ。

今やすっかりホワイトデーイベントなのに、未だにハロゥイン引きずっているっていうのもどうなんでしょう??^^💦
最初は一か月程度、長くても年内に終わらせるはずだった。そう、そのはずだったのに…
予定外に何だかダラダラ長くなったうえ、病院に居たりして、ちょっと手が付けられない時もあったので、なんだか第1話を書き始めたとき何を思って書こうと思ったのか、もはやさっぱり思い出せません!
でも公式で姫が登場してくれれば、モチベーションがすっごい上がる(笑)ので、本当に公式さん、ありがとうございました<(_ _)>
できたらバレンタインも「ホワイトデー」は女の子チームで登場して下されれば、また小話妄想が膨らませられた…と思うのですが、また同じ男子チーム(ーー;)確かに男子キャラ人気は凄いですけれどね!

とりあえず姫が書けてよかった♥幸せです(*´Д`) あ、モフモフアスランも♥
キララクはもうちょっとお話膨らませてあげられたらよかったな。こっちはこっちなら、無論向こうもそっちはそっちでイチャイチャしていますでしょうw みんな幸せハッピーエンドになるならそれでよし!

さて、長期連載が終わると、ほっと一息つけるのですが、再来週にはもう『アスカガ・運命の出会い記念日』が待っている!(笑)
まだ何のプロットも上げておりませんが、何か書けたらいいなぁ…
でも他のアスカガーさん方の作品の方が、可愛いし綺麗だし、ワクワクしますし、今年は「ひたすら見て回る」にしようかどうしようか。ま、あと2週間ありますので、おいおい考えます。

ともかく、ここまでお付き合いくださいました皆様、「お疲れ様でした&ありがとうございました!」<(_ _)>
コメント
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