亀の川登

難聴に苦しむ男の日記帳。

難しい謡曲用語

2023-11-06 | 能楽
経政
先日の定例能のチラシより。
 仁和寺お室の御所に仕える僧都行慶(ぎょうけい)が出て、守覚法(しゅかくほつ)親王(しんのう)の寵愛が深かった平經政がこのたび西海(一の谷)の合戦で討たれたので、かつて下賜された琵琶の名器青山を据え管絃講(かげんこう)を営むことになったと述べます。夜更け方かすかな灯火(ともしび)に人影が揺れて、声を聞けば経政の幽霊が、妄執消えやらず住み慣れた御所に帰参したのでありました。亡者のためには何よりの手向けと、僧都の合図で奏者たちが楽を調べ経政も琵琶を奏で、折からの時雨や松風も和して幽明界を超えた夜半楽の合奏が実現します。夜游(やゆう)を喜びつくろいだ経政の心にやがて修羅道の瞋恚(しんに)(怒りの心)が戻って、激戦し苦悶し、その姿を照らす灯火をけそうと夏虫のごとく飛び入って暗(くら)紛(まぎ)れに魄(はく)霊(れい)の姿は失せます。琵琶だけでなく和歌にもすぐれ、他人の視線を恥じる初々しく繊細な公(きん)達(だち)像は、世阿弥の(敦盛)(経政の弟)を思わせますが、修羅の苦しみに身を焼く現在が強調されてもいます。 
経政の16p、17p
謡本を開くと、小さな文字で何か書いてある。
ここはこういうふうに謡く所だよ。と意味か。
先生にこれはどういう意味ですかと尋ねてもはっきりとは答えてくれない。
どうやら指示書きのようだが、謡曲用語には曖昧な指示書きが多く、どうもよく分からない。
謡本に小さく書かれているのは謡にはあまり関係がないらしい。
これは能舞台で舞をする人のためのもののようだ。
「カケリ」とはどういう意味?
きっと舞台の上を駆け廻るのだろう。静かに舞う能では舞台を派手に駆け回るわけにはいかない。それで実際には駆け回らないがそれらしく表現するのだろうと、勝手に解釈して舞台を見ていた。
確かにそれらしく演じていた。
でも、ネットで調べてみるとどうも意味が違うらしい。
カケリ(翔り)修羅道(地獄)に落ちた武士や物狂いの人物などが舞う、苦しみを表す。
カカリ 謡や囃しが勢いづいて力を強めたり、テンポを速めたりすること。
カカル 舞の冒頭部分のこと。中之舞や神舞、早舞などの舞は三段(または五段)構成で、はじめの段を初段というが、初段の前に置かれる導入部分をいう。また、多くの舞には数フレーズを繰り返す「地」があるが、「カカリ」の中で「地」になるまでのごく短い部分を「カカリ」ということもある。 
なんともややこしい。

リンゴ園のネットは取り外され、リンゴは奇麗に収穫され、草も綺麗にむしられていた。
リンゴはどこへ行ったのだろう。
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