亀の川登

難聴に苦しむ男の日記帳。

写謡 七騎落 「おまえ降りろ!」と言われたら・・・

2020-11-16 | 能楽
源頼朝挙兵後最初の合戦。1180年相模国足柄下郡石橋山(神奈川県小田原市)で頼朝と平家方の大庭景親らが戦ったが、頼朝は大敗、海路安房(あわ)にのがれ再挙をはかった。(電子辞書より)
戦いに敗れ石橋の合戦に敗れ頼朝軍はバラバラに逃げ頼朝一行は船で逃げることにしたが、頭数を数えたら7人、頼朝を入れたら8人だった。「祖父為義奥州の時は8人、父義朝尾張に落ちる時も8人。8人は縁起が悪い、1人降ろせ」との命。さあ大変、陸には敵がいっぱい。どうしよう。
實平の子遠平が下りることになった。

和田小太郎は頼朝を見失った事を悔やみ自害しようとした。
そこに当の本人がいるにもかかわらず。
昔は戦う兵も肝心の殿様の顔を知らない。 会った事もない人のために命を懸ける。そんなこと出来たのだろうか。
加賀百万石のお殿様に会える人は極僅かの人のみだった。加賀百万石のお殿様の家来だぞと威張って見せても、肝心の殿様の顔を知らない。会うことの出来ない人のために命を懸けるって出来るのだろうか。昔の人はすごかったのだと思う。
和田の小太郎は實平の子遠平を匿っていた。
そのことを知った實平は大喜び。
謡本には長い縦線を引いてあるところがある。これは、実際のは謡わない所。
能の時に謡うのだろうかと思ったが、聞いているとそれらしき様子がない。
能は一部脚色されていて、この部分がどこにあるのかよく分からない。
何のためにこんな文書があるのだろうか。
謡本の巻頭には間狂言というのが載っている。
この本ではページ数まで載っている。
どうやら舞台上に舟を運ぶのは狂言方の仕事らしい。
狂言にも仕舞や地謡がある。狂言の会を見に行くと仕舞や地謡、ましてや笛太鼓迄ある。能と同じだ。
謡曲教室に通っていると、時々誰もおらず自分だけのことがある。
「一緒に謡いますか」と言われ、先生の隣に座ったら、耳がジューンとなるような大きな先生の声。普段離れているから気にも留めなかったがこんな大きな声を出しているんだと驚く。
七騎落ちのカセットテープを出して来たら先生の声だけが入っているテープが出てきた。そういえばかつて習いに行ってた時、忘れっぽい私は先生の声を録音して家で稽古していた。先生の大きな声が入っていた。たまに生徒さんの声が入っていることがある。あーあ、皆ヘタクソだったんだなと思う。

謡はセリフが難しく物語の内容がよく分からない。謡本を見るより先生の謡うとおりに謡なさいと、先生自身が師匠に言われたと話ていた。西洋音楽のように5線譜の上のオタマジャクシが飛び跳ねるような具体的なものがないので謡い方は物語の内容を十分理解できていないと無理だ。ところが謡本には難しい言葉がボンボン出てきてさっぱり内容が分からない。
パソコンに謡本を書き写してそれをブログで紹介しようとすると、一生懸命勉強するようになる。少しずつ内容が分かってくると謡方も少しずつ理解できるようになる。NHKのfm放送を聞いているとなぜここはこんな謡い方をするのか分かってくるようになり楽しくなります。
「お前が降りろ」と言われたらどうする。船から降りろとは死ねと言われることと同じ。受ける方も大変ならそれを言わなければならな実平も地獄に落とされる思いだったろう。それを命令する頼朝とはとんでもない人物。縁起が悪いと片付けていいのだろうか。もちろんこれは物語。本当はどうだったのだろうか。
平家も源氏もご先祖様は天皇家から出たものだ。それが時代が下ると親戚同士でいがみ合う。みっともない話だ。


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