亀の川登

難聴に苦しむ男の日記帳。

大人の紙芝居

2018-03-09 | 日記

「今度大人の紙芝居をやるから見にこいや」と会長さん。

「大人の紙芝居ってなんや」

「分からん」

会長が分からんでどうするんや。

そして、その大人の紙芝居とやらを見に行った。

「わたしらは、郷土の文化を理解してもらう為、金沢紙芝居倶楽部というもんをつくったんや。桃太郎やかちかち山のようなもんとちごがいやぞ」

方言たっぷりで自己紹介。紙芝居大会で、大阪までいってきたそうだ。さすが向こうはレベルが高いといっていた。

「みんなあおだかすってしっとるか」

前の座席に座っていたおばあちゃん、失礼ご婦人が、両手をグルグル回してジェスチャ。

その近くに座っていた御婦人が「それって能登の言葉じゃないがんけ」

紙芝居屋さんは「わたしも能登やけど能登でもそういうね。」加賀も能登も同じ言い方をすることも多い。

数年前NHKテレビ小説でまれと言うドラマがあった。能登弁たっぷり聞かせてくれたが、随分共通している部分があるなと思って見ていた。

ゲゲゲの女房と言うドラマがあった。漫画家水木しげるの生涯をドラマにしたものだがそこで、向井理さん演ずる水木しげるが言っていた「だら~」。驚いた。だらと言う言葉は金沢の方言だと思っていたら、水木しげるの故郷島根県にもあったのか。

その昔北前船の船乗りが日本海側各地に寄港した折に広めたのかもしれない。

泉鏡花の「義血侠血(滝の白糸)」の話があった。話には聞いていたが内容は知らなかった。なぜかしら小説には人殺しの話が多い。鏡花も例外ではなかった。「婦系図」と言う映画が何度も上映された。内容は覚えていないが、それも鏡花の作品らしい。地元の有名な作者が書いた小説だとは知らなかった。それも、「ふけいず」とは読まず「おんなけいず」だと聞いて更に驚いた。

手取川ダムで水の底に沈んだ桑島の伝統でぐまわし(人形劇)の話があった。

お茶所の金沢のおいしい和菓子の話があった。甘みの強いお菓子は私には合わない。おいしいものと言ったら、松任のあんころ餅ぐらい。

詐欺師の話もあった。マルチ商法と言うのが各地ではやった。近所でネズミ講にひっかかった人もおったな。

などなど、金沢弁丸出しの紙芝居、おっもしかったな。

会場の皆は大喜び、「またきてな」

 

帰りのバス内で、座席の空きを探していたが、次々と埋まっていき、ついに最後列まで行った。

若い女の人が4人。詰めてくれて「どうぞどうぞ」

「すみません」と開いた席に腰を下ろす。

おばあちゃんが、寄ってきた。

若い女性は立ち上がって言った。「どうぞ、どうぞ」

おばあちゃんは「いえ、つれがいるから」と遠慮した。

金沢のひと(女)は親切だね。

やがて、彼女はバスの後ろに仰向けに寄りかかってコックリコックリ(でもないか。

もし、おばあちゃんに座席を譲っていたら、それも出来ない。

おばあちゃんは疲れている彼女に気を遣ってくれたのかもしれない。

金沢のひとはやさいしいな。

 

後ろからいきなりぶつかってくるものあり。何だろうと後ろを振り返ってみれば、それはコウちゃんだった。

ついさっきまで「ウーウ、ワンワン」と歯をむき出して人を威嚇していたのに、どうしたのだろう。

犬の気持ちなんてさっぱり分からない。

 

 

コメント (2)
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