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鎌倉徒然草

鎌倉に住んで25年。四季折々の自然を楽しみながら、オリジナルの和雑貨の企画、製造、販売を展開しています。

若気の至り

2013年08月13日 | 日記

「俺のフレンチ」

連日行列が出来る立ち食いのフレンチレストラン。

「美味しいの!1度連れてってあげる」と友人から電話があった。

北海道旅行の宿の話から、何故かこの「俺のフレンチ」にとんだ。

立ち食いでフォアグラ・・・、安くて美味しいのだそうだ。

フレンチの立ち食い、それも女性達がわいわい集うなんて、10年前考えられなかった

いや、まてよ、バブルの頃、六本木に屋台のフレンチがあった!

イケメンのシェフが(30歳ぐらい)一人で切り盛りしていた。

何度か女友達と通った。

苦い思い出がある。

私たちは独身で、平均年齢35、6歳だった。

十分大人で、そこそこ仕事にも恵まれていた。

屋台のフレンチは、女子会の(そんな言い方はまだなかった)いつも2件目、3件目。

お酒もたっぷり入り、けたたましくなだれ込むように、いつもその屋台に押しかけた。

3人でいけば、それぞればらばらの、やたら裏メニューもどきを頼み、アパレル勤め

のK子は、タバコの煙を切らさず吐き出し続け、ワインの薀蓄ばかりひけらかすM子

私といえば、いつも大げさに笑い転げていたように思う、無意味に・・・。

そんな「客」を、横目にシェフは、いつもさりげなく美味しい小皿を、差し出して

くれていた。

ある日、いつものようにワイングラスを傾け、3人が笑い転げていた。

それは、突然だった。

「あんた達、お金はいらない、2度とこの店に来ないでくれ」

確か、そんなことを言われた。

その先の細かいことは覚えてないのだけれど、今思い出しても息苦しくなる。

屋台を馬鹿にした覚えも無い、シェフに失礼なことを言った憶えも無い。

理由は、見苦しかったのだと思う。それにしてもえらいシェフでした。

レストランだったら、客と作り手には距離がある。屋台の店は幸か不幸か目の前だ。

自分の丹精込めて作った料理が、タバコの煙もくもくの、ノーテンキ女子に・・・

「やってられるか!」となったのは十分わかります、すいませんでした。

思い出すと「ヒエー!」となる、そんな出来事・・・あるのですね、これが幾つも。


「若気の至り」という、やさしい言葉がありました。