明方、ひどく咳込んで目が覚めた。
数日前から風邪気味で、いよいよピークの兆し。
布団の中で、うとうとしながら幼い頃の光景を思い起こした。
炬燵でうたたねをすると必ず風邪を引いた。
風邪をひくと母は必ず林檎をすりおろして食べさせてくれた。
焼いたねぎをガーゼにくるんで喉に巻いてくれた。
夜中に何度も額に手を当ててくれた。
もう、そんなこと誰もしてくれない、当たり前だ、寂しい。
風邪をひくと父も母も、いつもより優しくなって嬉しかった。
先日孫に会ったら「風邪ひいちゃった、ゴホンゴホン」とわざとらしい咳をした。
彼はその時風邪などを引いていなかった、甘えたかったのだ。
そうしたら、私の風邪がうつったのか、今日彼は熱っぽいそうだ。
ごめん、お互いひどくしないようにしましょう。