昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章“石ころと流れ星”(短期集中再掲載)   15.東京へ。奈緒子へ。

2012年11月09日 | 日記
東京へ。奈緒子へ。 コックの弟耕介が照れくさそうに復帰して一週間、彼と僕との間には自然にいくつかのルールができていった。朝の仕込みは、僕。午後、コックの休憩時間の店番は、耕助。夜の片付けと掃除は、二人一緒に。などだった。耕助のアパートからの距離と彼が朝に弱いことを考慮した結果だった。午後数時間の自由になる時間を必要としていた僕が、早朝の仕込みを積極的に引き受けた結果でもあった。 ランチタイムが . . . 本文を読む