Action is my middle name ~かいなってぃーのMorrisseyブログ

かいなってぃーのMorrissey・The Smithsに関するよしなしごと。

It's the 60th birthday of Morrissey, the greatest singer ~『イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語』に思うこと

2019-05-22 13:45:36 | 映画

はいはい!!今日はモリッシーのお誕生日。

お誕生日お祝いブログ(今年で8年連続)も更新です!

「永遠の青二才」と呼ばれた男も、とうとう還暦!!

 

60歳のお誕生日、おめでとうございます!

 

先日のニューヨーク、ブロードウェイでの7daysは、見事やりきり歌いきってましたね!

毎年言ってますが、いまだ現役で、声も大きく(歌声だけでなくw)、胸筋も発達しており、

 

歌手として、ひとりの強い人間として元気にいてくれることを、心より喜び、

お祝いいたします!!


24日には新作カバーアルバム“California Son”をリリース。

日本では31日より映画

『イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語』

いよいよ全国公開、と話題にもことかかないですね。

新宿武蔵野館でパチリ。


渋谷のタワーレコード6階洋楽フロアでは、上映記念、モノクローム・フォト・

エキシビジョンも開催中!↓

スミス・モリッシーの音源コーナーもあります!


お誕生日には本人の年齢などに関する言葉の引用をとりあげたりしてきたのですが、

今回、『イングランド・イズ・マイン  モリッシー, はじまりの物語』を見て

思い出したこともあり、ティーンエイジャーに関して言及している、この引用を

ご紹介したいと思います。


“When you’re a teenager and in your early twenties

it seems desperately eternal and excruciatingly painful.

Whereas as you grow older you realize that most things are

excruciatingly painful and that is the human condition.”

The Times (30th May 2006)

 

「ティーンエイジャーの頃とか20代前半の時期って、絶望的に永久に

続くようだし、耐えがたいほどつらく思える。でも年をとるにつれて、

ほとんどのことは耐えがたいほどつらくて、それこそが人間の普通の

状態なんだって気付くんだ」


…と、ティーンエイジャーの頃の苦痛なんて「まだまだ序の口」

ってことですかね。ぞぞ~っ。

年をとることが、大人になることが、何の脱出方法でも救済でも

ないのかと、今の10代に聞かせたらイヤになるだろうと思いますが、

このインタビューではこう続けております。


“Most of us continue to survive because we’re convinced

that somewhere along the line, with grit and determination

and perseverance, we will end up in some magical union

with somebody.

It’s a fallacy, of course, but it’s a form of religion.

You have to believe.

There is a light that never goes out and it’s called hope.”


「我々のほとんどは、ガッツと意志の強さと粘り強さがあれば、

ある時点で誰かと、なにか魔法のように結びつくことができると

信じているから、生きながらえることができる。

それはもちろんあてにならないけど、宗教みたいなもの。

信じなければやっていけない。決して消えない光がある。

そしてそれは希望と呼ばれている」


信じなければやっていけない、ただ、ひたむきに。

どうしようもない毎日でも、希望を持って生き抜く。

どんなにどん底でも希望を捨てず、10代の頃から

そうやってやってやり続けてきた結果が、

60歳の「いま」のモリッシーとして、結実している

のだと思います。

 

映画『イングランド・イズ・マイン 

モリッシー, はじまりの物語』で描かれるのは、

出口の見えないトンネルの中、ただひたむきに前に進もうともがく

ティーンエイジャー「スティーヴン」。

ほぼ進めない、進んだとしても「100回休み」みたいなすごろくで、

イライラするかもw


「こんなのモリッシーじゃない!」

「スミスが1曲もかからない!」


という意見もあります。この映画を撮ったマーク・ギル監督が

「極めてパーソナルな映画」と語っていましたが、監督のみならず、

モリッシーファンであろうとなかろうと、年齢も関係なく誰もが

自分の奥底のパーソナルな部分と対話できる映画ではないかなと思いました。

単なる「スティーヴン」という一青年が、ものすごい「モリッシー」になる前

のうじうじ、うだうだ、どん詰まり姿、それは多かれ少なかれ、かつて無力な

「ティーンエイジャー」だった自分も経験したもの。

そこに自分を合わせることができます。


スミスファンであれば、そんな時期にスミスの音楽が「ばしっ」とハマった

という人は多いのではないかな。だからこの映画、スミスが流れてないのに

エモい場面では「ここで聴きたいのはあれだよ、あれ~!」なんて思ったり

します。

 また映画に散りばめられている、監督からの「この場面はスミスの

あれのことだよ!」みたいな示唆も面白いです。


…何もうまくいかないティーンエイジャーの頃。

膝を抱え、ベッドの上でひとりで聴いたスミス。

何回も書いたモリッシーの歌詞。

スクラップした雑誌のスミス記事。

読みかけたまま終わらない本。

永遠に続きそうな退屈…。


何者でもなく、何者にもなれない、そもそも「何」になって

いいのかもわからない。

世界からも誰からも、「そこにいるんだね!」と存在を認めて

られてるんだかも不確か。何が何だか、どうしていいのかも

わからなかった「あの頃」を思い出せる映画です。


思い出してどうするんだ?

今自分がなんとかサバイブしてここにいることや、

その後本当に好きなこと、好きな人を見つけた喜びを

かみしめてみてもいいかも。

私は、「こんなこと感じさせてくれるモリッシーに

出会えてほんとによかった。これからも頑張って生きよう」と

思いました。


モリッシーは1997年のラジオのインタビューでもこう言っています。


“I think the way you feel as a teenager

stays with you, forever. I really believe that」

 

「ティーンエイジャーとして感じたことは、一生つきまとう。

本当にそう思っている


スミス・モリッシーの音楽でモリッシーが体現しているものって、

ティーンンエイジャー時代からの疎外感、焦燥、鬱憤を、

陳腐なノスタルジーや思い出として歌うからでなく、

いまの自分の根底にあるもの、いまだ我がこと、として歌って

いるのであんなにすごいんだなあとも思いました!


ぜひ、すごいモリッシーの60歳までの歩みの前哨戦となる

この映画を観てみてください。

 

★本日、お誕生日を記念してアップされていたYoutube動画が

すごいwww

Happy 60th Birthday Morrissey

 

★過去のお誕生日記事 

It's the 59th birthday of Morrissey, the greatest singer ~モリッシーとボールドウィンと『私はあなたの二グロではない』

It's the 58th birthday of Morrissey, the greatest singer ~モリッシー最新インタビュー翻訳

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