Action is my middle name ~かいなってぃーのMorrisseyブログ

かいなってぃーのMorrissey・The Smithsに関するよしなしごと。

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モリッシー ニューアルバムにおける「ラテンぽさ」の背景

2014-07-19 00:59:01 | Morrissey Songs

モリッシーのニューアルバム

World Peace Is None Of Your Business

が世界的にリリースされた今週…

アルバムを手に入れた初期衝撃がやっと落ち着いて(笑)

1曲1曲を味わい、アルバム全体について考える余裕が出てきました。

 

海外のレビューなんかもいろいろ読んだりして。

 

日本での全体的な売り上げのことはまだよくわかりませんが、

英国ではハリポタのロンみたいなエド・シーランに次いで

僅差?で2位だったようで。

 

その他各国での、発売日初日のチャート・ポジションを見ると


Number 1: Argentina, Chile, Peru.

Number 2: Brazil, Denmark, Greece.

Number 5: Israel, Spain, Sweden.

Number 6: Hungary, Italy, Turkey, Norway.

Number 8: Luxembourg, Portugal, Poland.

Number 10: Belgium.

Number 11: Ireland.

 

…上位ポジションをとっているのは見事に英語圏ではない!

そして世界中いろいろ。すばらしいことだと思います。

レコード出さない間も地道に世界ツアーをやってきて

(キャンセル多いけど)

自分のまわりや祖国だけでなく世界規模のいちゃもんを

言い続けてきた活動が作った基盤があるからだと思います。

 

特に、アルゼンチン、チリ、ペルー、ブラジル…といった

つい先日のワールドカップを彷彿とさせる南米諸国での人気。

これは、南米でのモリッシー人気を考えると十分想像できることですが

あまりソロになってからのモリッシーを知らない友人からは

「なんでモリッシーが南米で人気なの??」と聞かれます。

 

知らない人からすれば「モリッシーってスミスでくねくねしてた

くら~いイングランドのヘタレ音楽の代表みたいな人でしょ!?

なんで明るい太陽のマテ茶飲んでるマッチョっぽい南米人が

なんで好きなの?」ってことなんでしょうなあ。

 

ライブでも、このニューアルバムでも、

「最近のモリッシーは、出がらしのテスコのティーじゃないんだよ、

すっかり濃い目の太陽のマテ茶なんだよ!!」

…というとますます混乱させるので、順番に説明していきたいと思います。

 

南米諸国だけでなく、南米にルーツを持つアメリカ在住のラティーノ

ファンが多いことは「モリッシー 25Live」のライナーにも書きましたが

(特にLA…ヒスパニック系人口が多いから)

 

その辺の詳しいいきさつは

passions just like mine(2010年)

というドキュメンタリーに詳しいです。

 

 

ドキュメンタリーでは、LAのモリッシーガチファンがどんなに

モリッシーを崇拝しているかを見せており、もうモリッシーに興味の

ない人にとってはただの拷問なのですが、ここで示唆されているのは

南米…メキシコ伝統的音楽の歌詞とモリッシーの書く歌詞のベース

に流れる、「生きる哀しみ」という共通点。

南米でのライブで、こぶしを聞かせて祈るように一緒に歌い

手拍子をして腰をくねらせているファンを見ると、寒い島国で生まれの

「イギリスからきた男」が体の中から絞り出しきっている熱いものに

深く同調・共鳴している様子が伝わってきます。

 

またアメリカにおいては、ヒスパニック系は故郷を離れた「移民」であること、

2世3世であっても、ここではないどこかの「魂の故郷」に思いをはせる

「マイノリティー」である…。

そんな出自を抱える人間にとって、マンチェスターの貧困の嵐の中を

生き抜いてきたアイルランド移民というマイノリティーである、

ていうかそもそも「人類のマイノリティー」であることを(誰も頼んでないのに…)

引き受けて宿命として生き、歌い続けているているおじさんこそ代弁者。

「聖人」とまであがめ、言葉をすべて「福音」ととらえ

体中にその顔を名前を歌詞を彫っている…。

(「やりすぎ」「好きになりすぎ」と人のことだと思うw)


ドキュメンタリーの中ではモリッシーの


「ラティーノはとても感情的で感情を表に出す人たち。音楽を

やっている人は多いが、自分自身をすべてさらけ出している

音楽をやっている人は少ない」


という見解が出ていました。


「自分自身をすべてさらけ出している」

 

これこそ、モリッシーの真骨頂。感情むき出しラティーノファン

でなくても、奥ゆかしい日本の大和なでッシーなファンたちにも

一番訴えかけてくる価値であると思います。

 

それは今回のアルバムでもまったく変わりないですが、

今回が「ラティーノさん感謝祭」なのか、ラテンミュージックっぽさが

全面に出ています。

 

フラメンコの仰々しさ、

ジプシーのアコーディオン、

マーチングバンドのトランペット。


メキシコ人のギタリスト、ジェシー・トバイアス大活躍!


前作までのイケイケグラム色、ロック色に

抒情的で哀調おびたメロディアスな「南米色」が

加味されまくっています。

南米マーケットをねらった「媚び」かと思えなくもないですが

モリッシーがそんな「狭い」ねらいをするとは思えず…

 

そもそも、ニューアルバムで歌われている現実、

「最も孤独な惑星」地球に生きる人間へのメッセージは

全世界に向けている「いちゃもん」です。

「World Peace」を免罪符にしている地球の上の人たちに

対するモリッシー流「反グローバリズム」の提示をひしひし

と感じます。

 

たまたま「自分自身をさらけ出す」フォーマットとして

昨今馴染みの深い「ラテンぽさ」を使っているのでしょう、

とても威勢が良く、気持ちいいです。

モリッシーの中身がどくどくあふれてくるのを

ばんざーいばんざーい!闘牛士が死んじまった~♪

とか、一緒に歌いながら感じられます。 


モリッシー新アルバム "World Peace Is None of Your Business"発売!!

2014-07-16 23:56:25 | Morrissey Songs

とうとう!!

モリッシーの新アルバム

"World Peace Is None of Your Business"

この7月14日、日本盤は今日16日、発売になりました!!


1000セット限定モリッシー直筆サイン入り自伝つき

“Ultimate Bundle”を頼んでいたので、月曜日の朝国際便のでっかーい

箱が届き…ブルーマンデーが一気にモズマンデーに!!

そしてそのままモズウィークに突入~


自伝の中のモリッシー直筆サイン…

ページの裏にまで到達する強すぎる筆圧は

まぎれもないモリッシーのもの!!(の、はず)

1000本ノックならぬ、1000本サインしたためか

iとsの区別がつかぬ…

 一瞬「MORRししい~」

疲れを表しつつ「日本ふう」に書いたのかと思ったw

 

そして、昨日は日本盤のフラゲデイ。

タワーレコード新宿店のPOPはこんな感じでした。

(@modernworldkoo さま撮影)

「5年間待たせても、知ったことじゃない」

…いや、モリッシー気にしてたと思うよwww


2004年に『ユー・アー・ザ・クワーリー』が出るまでも『マルアジャステッド』

から7年あったし、5年間くらい新譜リリースまで時間のあくアーティスト

なんて山ほどいます。

でもモリッシーのこの5年間のアルバムリリースレスは訳が違いました!

契約をなくし、でも絶対また世界的メジャーからブツを出してやる、っていう怨念の月日。

ファンの願いの強さもあるけど、モリッシーの怨念の勝利!


2011年には、2009年の『イヤーズ・オブ・リフューザル』以来となるアルバムも

完成していたのに(さすがすぐやる課、モリッシー…)

レコード会社との契約は切れたままだとアメリカの音楽メディア「ピッチフォーク」

で明かしました。


『イヤーズ・オブ・リフューザル』をリリースしたユニバーサルとの決裂は、

ユニバーサルと、当時のモリッシーのマネージャーだったアーヴィング・エイゾフが

イギリス最大の音楽賞であるブリット賞開催時期に意図的にぶつけようと

画策したことが原因だったとか…。


結局、ブリット賞のせいで『イヤーズ・オブ・リフューザル』のリリースがかすんでしまい

失敗。それにしてもお粗末すぎる作戦…。そんなプロモーションに、不信感を抱いた

モリッシーはレーベルともマネージャーとも手を切った。。。

(エイゾフはアクセル・ローズにも訴訟起こされたクセモノらしいw)


契約の解消、その後の展望を当時モリッシーは


「ぼくはもともとの資質としてインディペンデントなんだ。ぼくはメジャー・レーベルと

契約していても、インディペンデントなアーティストなんだよ。今や『インディー』と

いう言葉は無用の長物だからね。

あまりにも消費されてしまって、もはや『インディー』とは髪の毛をグリーンに

染めることしか意味しなくなってしまったんだ」


…と、言っており、「ん?こんだけのキャリアの人が今後はインディーに??もしくは

自分のレーベルでも立ち上げるのかなあ。だって出さなきゃ意味ないし?」

と一瞬思ったものです。


しかし、2012年、来日直後の「クロスビート」のインタビュー(2012年7月)では、

メジャー契約への強いこだわりを示していました。

独自レーベルをは立ち上げることはやりたくないと語り


「なぜなら、僕を否定したり無視する言い訳を何ひとつ世界に提供したくないからね。

軽くやり過ごされたくはないんだ。インディペンデント・アーティストとしてこそこそ

プライベートに活動するのは御免だよ。僕は他のアーティストたちと並んで存在感

を示したいし、メジャーなレーベルと関わりたいんだ。現時点でもすでに軽んじられ

ているわけだから、小さなレーベルと組んだら『ああ、もうモリッシーは終わっちゃっ

たね』と言われるのが関の山さ。だからパワフルなレーベルと組めないのであれば、

むしろ何もしない方がましだよ」

 

と語っており、びっくりしました。

この人、「元スミス」とか「マイナー王」とか「オワコン」とか「営業ミュージシャン」とかに

なる気まったくないんだな(あたりまえだが)、まだまだ諦めてないし、世界に影響力

与える気満々なんだなと(当時53歳)思い、私の「はやくモリッシーがメジャー契約して

レコードやCDが、ふつーにメジャーなアーティストたちの作品に紛れて、ふつーに

おいてある日がきますように…」という祈りも始まったのでした。


その祈りが叶ったことがわかったのはこの2月・・・ユニバーサル傘下のハーヴェストと

メジャー契約を結んだことを知った時は、本当に嬉しかった。でも実感?はわからなかった。

今日店頭で、「M」のコーナーに、「アナと雪の女王」DVD発売日につき「れりご~れりご~♪」

が鳴り響く中ふつーに日本盤の

 

『World Peace Is None of Your Business

~世界平和など貴様の知ったことじゃない』

 

を見た時には…感激しました。陳腐だけど、本当に今日が来たんだと思いました。

配信でも聞けるし、YouTubeでも聞けるし、聞くだけならどうにでもなるけど、

こうしてモリッシーが「神殿」と呼ぶCD/レコード店で、実体のある「ブツ」を

見ることがこんなにしびれることだとは。買わなくてもいいから、見てみることを

オススメします。なかったら店員さんに聞いてみたり?お問い合わせ多いものは

注文して並べてくれるかも?実体を売る店舗で、モリッシーに関わるコミュニケーション

をしてみてください、すっごい「モリッシーの新譜が出た感」を味わえますw


こちらはNMEの最新号、モリッシーの特集。

“RETURN OF THE KING”という見出しに対して海外のファンが

「王が戻ってきた??てか、モリッシーどこにも行ってないですが?」

とつぶやいていたのに激しく同意。


ずっとここにいて、ずっと私たちに歌い続け、どこにも行ってないから

今日が来たと思います。


聞き続けて、毎回新たに色々なことを感じさせるアルバムの

中身については追って♪